ぬか漬けはいいことづくめ
米ぬかの栄養は重々承知していながら、玄米が苦手な対策をこちらの記事に書きましたが、もう一つ玄米の栄養を頂く良い方法があります。掲題にあるように、ぬか漬けです。暮らしの専門家の書籍で、美味しいぬか床のお店として紹介されていました。
ぬか漬けは毎日ぬか床をかき混ぜなくてはならないし、ニオイも気になるし、長期放置ができないことから自宅でつける方は減りました。それなら、代わりにスーパーで出来上がったものも食べますが、塩辛いばかりでぬかの風味がありません。
今回紹介する「菜香や」のぬか床は、直ぐに野菜を入れられる状態で配送されます。パックを開けて、あらかじめ塩をすりこんでおいた野菜を入れるだけです。3日後、口に入れた瞬間、子供の頃食べたあの味がよみがえりました。
ぬか漬けの良さは、体に良い玄米の栄養を頂けることです。加えて腸内環境を整えてくれること、野菜のビタミンBを増やして旨味を引き出してくれることと、健康に良い事づくめのスーパーフードなのです。
ただ一つ欠点は、食べ過ぎると塩分過多になることです。塩分過多を抑える方法も、当記事の終盤で紹介してみました。最後に、今回私を感動させたぬか床のお店を紹介します。
玄米の栄養が頂ける
米ぬかに含まれる栄養素は、日本食品標準成分表2015版(七訂)によれば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、パントテン酸、葉酸、カルシウム、リン、マグネシム、カリウム、亜鉛、鉄などです。
加えて米ぬかには、アルツハイマー型認知症に有効といわれているフェルラ酸も含まれています。
玄米ご飯が苦手、玄米パウダーもパサパサして食べずらいと八方ふさがりの方には、ぬか漬けをお勧めします。
注意点は、お米に含まれる栄養素の大半が米ぬかにあることから、農薬や有害物質も米ぬかに多く含まれています。米ぬかを購入する際は、無農薬のものを選びます。さらに、米ぬかは精米してから3日以上経過すると、酸化してしまいます。鮮度の高い米ぬかであることも大切です。
米ぬかを購入する場合は、無農薬で鮮度が高いことが要件です。
腸内環境を整えてくれる
ぬか床の中に野菜を入れると、野菜についている乳酸菌がぬか床で育っていきます。
乳酸菌は、免疫機能の向上や中性脂肪・血中コレステロール値の低下などをサポートするといわれています。プロバイオティクス(腸内細菌のバランスを改善することによって健康に良い影響を与える微生物)として、注目されています。
ぬか床には、乳酸菌が作った乳酸を食べる酪酸菌(らくさんきん)も作り出されていきます。酵母菌などの様々な微生物が、たくさん混ざっているののです。酪酸菌は、腸内フローラを健康な状態をキープすることに役立ちます。
腸内細菌を整えるためにヨーグルトを食べる人が大勢いますが、ヨーグルトのような動物性乳酸菌は、胃酸で死滅してしまい腸まで届かないものが大半です。腸までとどくヨーグルトは数が少なく、ちょっぴり高いですよね。
反対にぬか床にある乳酸菌は、植物性乳酸菌と呼ばれ胃酸に触れても生きたまま、腸まで届きます。
野菜のビタミンB類を増やす
野菜を入れてぬか漬けにすると、野菜についていた乳酸菌が加わり発酵が始まります。発酵によって、生野菜の時より栄養価が大幅に増えます。野菜のタンパク質はアミノ酸に分解されて、新しい酵素やビタミン類などが作り出されていくのです。
例えば、キュウリの場合だと、食物繊維は1.4倍、カリウムは3.1倍、マグネシウムは3.2倍、ビタミンB1はなんと8.7倍もアップするのです。
調理加熱する野菜は、含まれているビタミンCを熱で失いますが、ぬか漬けは熱が加わらないので、ビタミンCをそのまま頂けます。
ぬか漬けの塩分を抑えて食べるには
厚生労働省は高血圧対策として、1日に摂る塩分量を男性8.0gで女性7.0g未満と基準を設けています。ぬか漬けは思いのほか塩分を含んでいて、大根のぬか漬けだと、10切れ程度で1日の基準を上回ってしまいます。
とはいえ、ぬか漬けの健康効果も捨てがたいのは、既に述べた通りです。塩分を抑えながら食べる方法があります。
野菜を切らないで漬ける
野菜を切ってしまうと、切り口から野菜内部に塩分が浸透してしまいます。切らないで漬ければ、野菜の皮が塩分浸透を妨げてくれるので、切った時より塩分量は少なくなります。
冷蔵庫で漬ける
ぬか床の乳酸菌が活動するための適正温度は、20~25℃です。低温になれば発酵の速度はゆっくりになり、高温になると発酵が進み、ぬか床の塩分が野菜に吸収されやすくなってしまいます。
冷蔵庫でぬか床を管理すれば、乳酸菌の活動を抑えて塩分を抑えたぬか漬けになります。過剰に発酵しないので、ニオイもあまりしないのです。
浅漬けにする
今回紹介するぬか床のお店 「菜香や」のパンフレットに、つける日数ごとの目安がありました。好みの食感で日数を調整しますが、塩分が気になるなら1日のサラダ感覚のぬか漬けということになりますね。
- 1日:サラダ感覚のぬか漬け
- 2日~:しっかりとした味のぬか漬け
- 5日以上:発酵が進み旨味のある古漬け
塩抜きする
取り出したぬか漬けが塩辛過ぎた場合は、薄く切って水に5分程度浸しておくと塩分が抜けます。塩分が抜けすぎると水っぽくなることもありますが、お醤油をかけると美味しく食べられます。
菜香やのぬか漬け
当記事では、「菜香や」のぬか床を紹介したかったのですが、ぬか漬けがあまりにもいいことづくめなので、ついつい脱線して最後になってしまいました。
菜香やのぬか床でつけたぬか漬けは、美味しいにつきます。口に入れた瞬間、子供の頃の自宅で食べたあの味が再現されたようです。
ぬか床は毎日手でかき混ぜなくてはならず、漬けた野菜から出る水も小まめに捨てなくてはなりません。届いたばかりのパックに野菜を入れただけなのに、自宅で小まめに手入れをし続けたぬか床と、同じ味がしたのは感動の一言。
野菜室の上段ケースに置けた
タッパに入れられていて横幅が、冷蔵庫の野菜室にある上段ケースにぴったり入りました。通常の冷蔵室は温度が低すぎて、発酵しないのではと不安でした。といって野菜室では、野菜の下になりぬか漬けのタッパのお手入れを忘れてしまいそうです。野菜室の上段ケースに収まるのは、理想的です。
タッパの種類は、ぬかの量に応じて2種類。900g入りは横17.8×縦24.0×高さ6.8(cm)で、2Kg入りは横18.5×縦24.5×高さ10.5(cm)です。
冷蔵庫の種類によって、野菜室の上段ケースの大きさは違います。
美味しい理由
菜香やのぬか漬けがおいしい理由は、お米と火入れしていないことにあるようです。
ミルキークイーン米
ミルキークイーン米は、1985年に食味が良く粘りの強い米の開発を目的として、茨城県の農業・食品産業技術総合研究機構農研機構(旧農業研究センター)で開発された、コシヒカリの突然変異のお米です。
ミルキークイーンは、アミロースが少ないために粘りが強く、モチモチした食感が味わえます。こちらの記事にも書きましたが、玄米で食べても美味しいお米のブランドの一つでもあります。
コシヒカリを源流とする「あきたこまち」や「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」は美味しいお米として有名ですが、これらのブランドを越えるものとして誕生したのがミルキークイーンです。
菜香やでは、オーガニック(無農薬)でお米を栽培する大嶋農場のミルキークイーン米を使用して、受注が決まったのちに生産していますので鮮度が高いそうです。
下の写真、菜香やの900g用のタッパーに、キュウリを漬けた様子です。
火入れをしていないぬか
通常ぬかは、腐らないように炒ったものが売られています。菜香やの米ぬかは、火入れをしていない「生ぬか」です。
米ぬかは炒ることで、ぬかの中にある油脂分を少なくして、脂質が痛むのを防ぎ常温でも日持ちが可能なようにしています。ぬかの自然な米油が残った生ぬかは、ちょっと風味が違うようです。
購入は菜香やの公式サイトで注文できます。
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