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予防のための食生活情報に絶対正しいはない

『医学常識はウソだらけ』を読んだ

高齢人口の割合が高くなったせいかテレビでは、健康番組が増えました。医師が書いた予防のための生活習慣について、書籍も多く見ます。という私も1冊どころではなく、随分と読みました。

三石巌さんの『医学常識はウソだらけ』は何度か改訂され、アマゾンの口コミ投稿はどの版でも数多く寄せられています。これだけ多くの人に注目を浴びていながら、三石さんは医師ではなく物理学者というのが面白いところです。

「そもそも、栄養と病気の関係について真剣に取り組んでいる医者がどれだけいるでしょうか?」という文を読んだ際、私の言いたかったことをズバリ言ってくれたと胸がスゥーっとしました。

医師は病気を治してくれますが、食べ物と病気の関係ついての学問はしてません。体のことは医師が知っているという固定観念が、全ての日本人に誤解を生んでしまっています。サプリメントを飲むか飲まないかは、医師に相談してくださいという方もいますが、果たしてどうなのでしょう?

多くのメディアで流れてくる健康情報は、どれも似たようなものばかり。通説だと思っていた情報に誤りがあると判明すれば、訂正情報が流されます。その後で、また同じ訂正情報が、数多くのサイトに同じような文体で掲載されていきます。まるで、伝言ゲームのようです。

ステーキ

『医学常識はウソだらけ』は掲題の通り、診察室で支持され続けたことに対する異論です。例えば、食塩を摂りすぎると高血圧になる、動物性脂肪を摂りすぎると脳卒中になる、食生活は栄養バランスが大切、無農薬野菜で健康になる、玄米ご飯は健康に良いといった、誰もが知っている常識に次々と反論しています。

個々の内容に関して是非の判断は私にできるわけありませんが、一つわかったことは予防のための食生活情報に「絶対正しい」はないことです。

予防のための食生活情報を知りたい理由

今から74年前の昭和22年は、平均寿命が50歳でした。それこそ、衛生環境が良くなり、食生活のレベルも上がった結果、寿命が伸びました。でも、この74年余りの間には、予防医療とか、病気と栄養の関係を今のように多くのメディアで報道されていません。誰も食事で寿命を延ばそうなんて考える人はなく、結果的に豊かさが寿命を伸ばしたのです。

長くなった寿命と増加した高齢者人口が、病気と生活習慣のデータ量を莫大にしました。健康番組で行われる実験に、予防対策を打ったグループとそうでないグループを比較して、発症率を検証するという実験があります。発症率が低ければ、その対策は有効となるのです。こうした莫大な高齢者のデータが、病気と栄養情報の関係を解明しやすくしています。

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なにしろ、豊かになって平均寿命が伸びた事実は揺るがしようがなく、そのため病気は予防すれば発症しないと多くの人が確信しました。残念なことにその予防方法が、間違っていると異論を唱える方もいます。何を信じたらよいのか・・・

人間の体は試験管の実験のように単純でなく、栄養だけが健康の源ではありません。遺伝子の違いや、受けるストレスの強度によっても病気の発症率は左右されます。例え夫婦が全く同じ食生活を送ったとしても、健康状態は同じになりません。

それでも、予防のための食生活情報を知りたい理由は何でしょうか。

介護者の苦悩

肉親を介護した方なら、親の病気を防ぐ方法はなかったのかと考えます。病気なった後でも、進行を遅らせるために何かするべきことはないのかとも考えます。ことに栄養情報に関しては、介護者が改善することができるので、尚更、何とかしたいと思うのです。

老いていく親を看続けるのは精神的にシンドイもので、何かをしてあげているという気持ちが救いになるものです。病気と栄養情報への興味は、そんなところからきていると思われます。

大切なことは何か

メディアが流す予防医療の情報が溢れかえっていますし、『医学常識はウソだらけ』は、根拠がしっかりしているしエビデンスも提示され説得力があります。従来の常識を信じるべきか、こちらを信じるべきか、どうしたらよいのか戸惑うばかりです。

もう、メディアの情報に振り回されて右往左往するのではなく、もっと気楽に構えていいのではと考えるのです。平均寿命が30歳以上伸びたのは、そうなろうとしたのではなく、結果的にそうなっただけです。

好きなことをし好きなものを食べて、結果的にどうなるかは神のみぞ知るといったおおらかな気持ちで生きる方が良いのではと考えるようになりました。

『医学常識はウソだらけ』の情報には、食べてはいけないということより、常識的には制限しなければならない食品を、「実は食べてもいいんだよ。」といった事が大半です。「肉も塩も白い砂糖も、そんなに悪くはないよ。」と言っています。夕食はたっぷり食べても構わない、むしろタンパク質をしっかりとった方が良いといっています。今まで、減塩で味気ない食事をしていた方も、『医学常識はウソだらけ』を読んで救われた方もいるはずです。

大切なことはやりがいをもって毎日はつらつと生きることです。健康のために多くのことを我慢して暮らしても楽しくありません。親に体に悪いからと食べたいものを、我慢させるだけが愛情ではないかもとも思います。そもそも、本当に体に悪いかどうかも、クエスチョンなのですからね。

絶対正しいとは言えない情報に振り回されて、サプリメントやまずい食事をする暮らしは、ほどほどにと思わされた本でした。

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