チョイ足し食材を常備
フレイルを予防する食事のダントツは、タンパク質です。昨今は脳梗塞や脳出血でさえも、血管の材料となるタンパク質不足が原因という先生もいるほどです。血管まではいかなくても、運動機能を維持する筋肉には、たんぱく質が大切ということは異論はありませんね。
一般にタンパク質は、体重1キロ当たり1.0~1.5グラムを毎日摂取することが望ましいとされています。仮に体重 50Kgであれば、50g~75gです。
同じ食べ物からではなく、多くの食材からバランスよく食べると効率よく体が吸収してくれるのだそうです。加えてNHKのガッテンの放送を参考にすれば、朝がもっとも体がタンパク質を必要とする時間帯となります。朝タンパク質の量は20gが理想で、最低10gは摂りたいと言っていましたね。
ただ、高齢になると料理が億劫だったり、食事の回数を減らして簡単に済ませたりしてしまいがちです。手軽に食べられる低カロリー高タンパク質な食材を、常備しておくとタンパク質不足を補えます。
きな粉を1日大さじ2杯
きな粉に含まれる大豆タンパクはアミノ酸スコアが100で、コレステロールを低下させ動脈硬化を予防する働きもあるそうです。植物性タンパク質だからと侮れません。「きな粉に含まれているタンパク質は、豆腐に比べて5倍以上!」とも言われています。きな粉の100gあたりのタンパク質は36gもあります。
しかし、きな粉の場合は豆腐のように100gを、食べることはありません。1回のきな粉を大さじ2杯食べるとすれば、豆腐100g(1/3丁ぐらい)と、ほぼほぼ同程度のタンパク質の量となります。(※ 豆腐100gあたりのタンパク質は4.9g、きな粉大さじ2杯 15gで計算すると、5.4gとなります。)
きな粉の魅力はタンパク質の他に、イソフラボンや大豆オリゴ糖、大豆ペプチド、食物繊維、カルシウム、ビタミンB類、葉酸なども含まれていることです。一つ難点なことは、カロリーがちょっぴり高めで、大さじ1杯で31kcalあるとか。掲題の通り、1日大さじ2杯が適当な量です。
以前、「日経ヘルスに1日きな粉大さじ2杯を食べましょう。」といった特集をやっていて、グラノーラに混ぜて毎日食べています。他にも食べ方のアイデアは、下記のように沢山あげられます。
毎日の飲み物に混ぜるだけ
粉末のきな粉は、毎日の飲み物に混ぜるだけで特別な調理が要りません。例えば、牛乳、青汁、黒酢ドリンク、ヨーグルト、ココア、みそ汁、スムージーなどに、少しづつきな粉を混ぜ合わせるだけです。
ドレッシングに加えたり、肉や魚をソテーする際に小麦粉にきな粉を混ぜ合わせることもできます。
練り物を一皿加える
練り物は白身魚をすりつぶした、魚のタンパク質です。魚は肉に比べて、低脂肪で低カロリーですし、人間の体に必要な必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。タンパク質以外に、カルシウムも豊富です。
一人暮らしで魚をさばいて調理するのは、手間がかかります。さつま揚げやつみれを冷蔵庫に常備しておけば、必要に応じてすぐに使えます。みそ汁やうどんの具、そのまま小皿にのせても十分美味しいですよね。
練り物のタンパク質の目安は?
通常一覧表で表示されているタンパク質は、100g毎の値です。そう都合よく100gづつ食事で食べるというのは、現実的ではありませんね。練り物一個の重さは、マチマチだからです。
おおよその目安として、魚肉ソーセージ1本(70g)のタンパク質は7g、さつま揚げ1枚(65g)は8g、伊達巻2切(60g)は9g、小さな竹輪1本(30g)は4gぐらいです。
はんぺんの調理法
卵焼きをつくる人は多いですね。卵1個のタンパク質は6.2gで、アミノ酸バランスに優れた食材です。はんぺんをフードプロセッサーなどでドロドロにし、卵と調味料(はちみつや砂糖)を混ぜ合わせて、弱火のフライパンでじっくりと蒸し焼きにします。伊達巻もどきの卵焼きの完成です。
動物性のタンパク質と、はんぺんに含まれている良質な魚のタンパク質を一緒に食べられます。冷蔵庫で3日ぐらい作り置きができますので、多めに作って、朝食の付け合わせに使うのも一案です。
缶詰めでタンパク質
魚料理をしなくても魚タンパク質が摂れるのは、練り物に限りません。缶詰めは練り物以上に、期待できます。但し、練り物同様、含まれている食塩に注意する必要があります。
身近にある魚の缶詰に、含まれているタンパク質は次の通り。(下記の値はマルハチニチロの商品情報より、100gあたりで換算しています。メーカーによって違いがあることは、ご了承ください。)
- いわし水煮缶 11.8g
- さば水煮缶 16.3
- さんまかば焼き缶 15.9g
- さけ水煮缶 11.0g
- ツナ缶 17.0g
- ずわいがにほぐしみ 10.5g
くせのないツナ缶は万能
魚の缶詰は、魚臭さが気になって調理で使っていません。でも、ツナ缶は別です。
トーストにバターの上にマヨネーズであえたツナをのせたり、サラダに添えたり、ドレッシングに混ぜたり、おにぎりに入れたりできます。茹でたモヤシや、青菜などに混ぜて、あえ物にも使える万能食材です。
スーパーでは、油漬けのツナ缶を多く取り扱っていますが、水煮缶があればそちらを選べば、食塩やカロリーの不安も少なくなります。
間食でタンパク質
食事をとるのが億劫になり始めると、間食まで気が回らくなります。ただ、よく考えてみれば、袋を開けるだけですぐに食べれるお菓子やチーズ、ヨーグルトは、本当に便利なのです。冷蔵庫に常備しておくだけですから。
不安なのは人工的にタンパク質を添加させているし、何の食材を使っているのかわからないことです。お菓子にすべてを頼るのは、ちょっぴり危険です。時々、食べるぐらいが丁度良いと思っています。
お菓子
コイケヤの「罪なきとんかつ』は、とんかつ風味のスナック菓子です。とんかつ和光が監修した特性ソースを使い、噛むほどにジューシーな味わいがやみつきになります。1袋26gあたりタンパク質は5.6gで、気になる食塩は0.9gというところもうれしいですね。
明治のタンパクト(高タンパクに特化したブランド)の中の『チーズビスケット ミルクチョコレート』は、3種類のチーズを使った食物繊維入りのビスケットです。1番小さなパッケージは32gあたり、タンパク質は4.7gです。
他にも明治のタンパクトには、ミルクチョコレート、ミルクチョコレートビスケット、チーズビスケット、バナナ&チョコレートアイスバー、ストロベリーチョコレートアイスバーなどを揃えています。特にアイスバーの場合、1本で6g以上のタンパク質が入っていて、これは凄いですね。
チーズ
調理にも使われるけど、そのまま食べれるチーズは、高タンパク質の代表食材です。通常プロセスチーズ100gで、22.5gのタンパク質が含まれています。1日に20g食べれば、4.5gを接種できます。
チーズの欠点はカロリーが高いことと、チーズによっては脂質が高いものがあることです。
ヨーグルト
ヨーグルト自体タンパク質が期待できますが、さらに高タンパク質なシリーズが現れました。
明治のタンパクトからギリシャヨーグルトを、3種出していますが、いずれも1パッケージ110gあたり、タンパク質が10g含まれています。脂質が気になる世代に応えて、無脂肪です。
日本ハムの子会社日本ルナは、一般的なヨーグルトよりタンパク質が2~3倍で、無脂肪の『イーセイ スキル』というブランドを立ち上げました。種類は、プレーン、バニラ、ベリーミックス、クリーミーストロベリーがあります。1パッケージ110gのうち、プレーンに含まれているタンパク質は12.7g、他は11.4gです。
レトルト食材
味の素のクックドゥを利用している人は多いと思います。調味料を調合するのは手間だし、プロの手で作られたものは、やはりおいしいですよね。
こうした混ぜるだけシリーズの中で、1品食材を混ぜるだけで高タンパク質が期待できるものがあります。また、袋のままレンジに入れるだけで食べれるタイプも紹介します。
クノール ふかひれスープ用
溶き卵の流しいれて煮るだけで、スープが完成します。
1袋180gあたり、エネルギーは140kcal、たん白質は7.0g、脂質は5.2g、炭水化物は15g、食塩相当量は5.6g。ちょっと、食塩の量が多いのが気になりますので、腎臓の弱い方はやめた方が良いです。
クノール 深いコクの完熟トマト
袋のままレンジでチンするだけで、トマト味のポタージュスープの完成です。
1袋(160g)あたり、エネルギーは98kcal、タンパク質は6.0g、脂質は1.4g、炭水化物は17g、食塩相当量は1.0g です。
クノール 緑の彩りえんどう豆
袋のままレンジでチンするだけで、トマト味のポタージュスープの完成です。
1袋160gあたり、エネルギーは96kcal、たん白質は6.9g、脂質は2.5g、炭水化物は13g、食塩相当量は1.1gです。
タンパクト 牛乳でつくるスープ
明治の新シリーズタンパクトは、牛乳を混ぜるだけで飲めるスープ2種を出しています。『牛乳でつくるコーンスープ』はタンパク質7.2gで、『牛乳でつくるかぼちゃスープ』はタンパク質6.7gです。
お!カップ麺までも
こんなに長い記事になってしまい、最後まで読んでくれないと思いながらあと一つ。ぜひとも伝えたいのは、日清のカップヌードルまでもが、高タンパクで低糖質タイプを出しました。
プレーンのタイプとシーフードヌードルの2種類あります。いずれも、おいしさそのまま、従来のカップヌードルと比べて、タンパク質15g&糖質50%オフです。
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