運転診断レポートを利用して免許返納を話し合う
運転免許返納を高齢の親に説得する方法で紹介しましたが、親に運転免許返納の説得する際、ドライブレコーダーは良い道具です。しかし、メカに慣れていない世代にとっては、いささか敷居が高くなります。
一言にドライブレコーダーといっても種類は豊富。お店の人に言われるままに買ったものの、活用しきれないこともあります。ドライブレコーダーの選びから始まり、取り付け方法、再生方法や映像を記憶するSDカードの取り扱い(定期的にフォーマットしたり買い替えたり)など、活用する前に考えなければならないことが山ほど。
自動車保険の中にドライブレコーダーを契約者に貸出し、運転中にリアルタイムで見守りを行ってくれる特約サービスがあります。通称ドラレコ特約。
何故、自動車保険会社がこのようなことをやるのか?保険会社の本音は、安全運転なドライバーが多ければ保険金の支払い負担が減りますし、事故発生時の対応をスムーズに行えれば経費削減につながります。ドライブレコーダーの特約サービスは、このようなニーズとぴったり一致するからです。
この特約サービスは、ドライバーの運転技術の診断レポートなども定期的に送られてきますので、レポートを見ながら、親と運転免許返納について話す手掛かりになります。
現在取り扱っているのは、次の四カ所。価格は月額650~850円で、いずれもサービスは3つに分類されて提供されています。【】内はドラレコ特約の名。
- あいおいニッセイ同和損害保険【タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)】
- 損害保険ジャパン日本興亜【ドライビング!】
- 東京海上日動火災保険【ドライブエージェントパーソナル】
- 三井住友海上火災保険【GK見守るクルマの保険(ドラレコ型)】
現在提供されているドラレコ特約のサービス内容は、次章にまとめました。高齢ドライバーの見守り用の道具として使えるか否か、検討の余地は大いにあります。
事故時の対応
ドライブレコーダーが、エアバックが作動する程強い衝撃を受けた場合、自動で事故受付センターに連絡がいきます。専任のオペレータから、ドライブレコーダーを通じで通話を行い、状況に応じて消防などへ連絡します。
ただ、「損害保険ジャパン日本興亜のドライビング!」特約は、他3社とは異なり、ドライブレコーダーでの通話機能はありません。事故受付センターから送られるショートメッセージを使い、運転者がメッセージ内のURLをクリックすることで、事故対応を行います。この際、ALSOKのガードマンが現場に急行し、安全確保、救急車の手配、事故の相手からのヒアリングなど、事故時に必要な初期対応を行ってくれます。
通常事故に遭った場合は、保健証の証券番号の連絡や身元確認のやりとりが必要になります。ドラレコ特約を使えば、事故受付センターはドライブレコーダーの通信機能を使って接続されているので、煩わしい本人確認のための手続きは要りません。
事故状況もドライブレコーダーに保存されているので、保険会社への報告の時間は要りません。事故相手と現場の状況などで行き違いなどがあっても、ドライブレコーダーの映像があれば解決は楽です。
安全運転サポート
事故を防ぐための運転状況のチェックや、道路や天候状況をリアルで連絡する機能がついています。パンフレットで確認したところ、「あいおいニッセイ同和損害保険のタフ・見守るクルマの保険」と、「三井住友海上火災保険のGK見守るクルマの保険」は、同じか同程度のサポート機能を提供しています。
この2つのドラレコ特約は、運転中のアラームについて具体的に記載していますので、他の2社を選びたい場合は、以下のアラーム機能を目安に判断できます。いずれも、高齢ドライバーにとってはありがたいアラームであり、特に安全運転サポート車に機能がない、逆走のアラートがあることは特筆すべき点です。
事故につながりやすい運転状況や運転動作のアラート。
- 前方衝突アラート
- 車線逸脱アラート
- 高速道路逆走注意アラート
- 指定区域外走行アラート(あらかじめ任意に設定した指定区域外に出た場合)
その他のアラート。
- 急加速・急減速
- ハンドリング
- ふらつき
- 走行時間
- 事故多発地点接近
- 交通標識地点走行
- 一時停止
- 気象情報
- 動物注意
運転診断レポート
運転者の運転特性をまとめた運転診断レポートついて、「東京海上日動火災保険のドライブエージェントパーソナル」は、契約更新時か各保険年度における始期対応時に提供されます。他の3社は、毎月送られてきます。
いずれも、運転技術を数値化、点数にし、客観的に表現しています。親に運転免許返納を勧めても、関係がギクシャクするばかりと悩んでいるなら、ずばり運転診断で算出した点数は説得材料になります。点数だけでなく、急加速、急減速の発生回数などの運転傾向や、リアルタイムでチェックした運転アラートの配信状況などもレポートにまとめられているそうです。
こうした運転診断レポートは、ドライバー本人だけでなく、あらかじめ指定した家族にも電子データーとして閲覧できる会社もあります。毎月、親の運転状況をチェックして、返納の時期を見逃さない道具として、使えると思いませんか?
面白いのは、【損害保険ジャパン日本興亜のドライビング!」は、運転診断レポート以外に、運転のためのトレーニングコンテンツも用意されています。座って運転するといっても、やはり運動神経や体力は必要ということなのでしょうかね?
活用してみたらどうでしょう?
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