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高齢者のレクリエーションツールがテレビゲーム感覚になった

介護とテレビゲームの相性は抜群だ

【eスポーツを、オリンピック新種目に】という話題がありました。eスポーツは、コンピュータゲームで対戦をし勝敗を競う競技です。とてもスポーツとは言い難いですが、先日の『アジア競技大会』で、デモストレーション競技として採用され、日本チームが優勝してからオリンピック種目でもいいかもと思ってしまいます。

コンピューターゲームとはいえ、勝ち抜くためには、判断力や反射神経などが必要とされます。強豪選手は、日夜練習を怠らないそうです。長時間の試合に備えて、筋トレを行っている方もいるそうです。

テレビゲームは、もはや遊びや気晴らしの域を超えています。 おえかきパラダイスの水族館編

ゲームで意識しないで体力アップ

そんな流れのせいでしょうか?介護のレクリエーションツールとして、テレビゲーム感覚のものが現れました。先日の、2018年国際福祉機器展で、画面を見て思わず目を輝かせてしまいます。

身近な状況がテーマで、子供も高齢者も興味がわくようになっています。 テレビゲーム感覚のレクリエーションツールは、2~3年前からありましたが、プログラムの数が増え、高齢者が興味や体の状態に合わせて選べるよう時代です。一人でもできる、ディサービスや、ディケアのような大勢でも遊べる等、利用範囲も広いのです。

ところで、テレビゲームの怖い点は、ゲーム中毒。寝食を忘れるほど、のめり込むほど人の心を夢中にさせます。高齢者とて同じです。テレビ映像を見ながら、同じ動作を繰り返しますが、夢中になっているので、単純な動作でありながら飽きることなく続けられます。

一昨年、認知機能改善のための『まゆっこ』という、テレビ画面を使ったリハビリをお知らせしました。この2年後の今、プログラムの数が増え発想も豊か、対象者も子供から元気なお年寄りでも楽しめるなりました。

今回お知らせしたいのは、㈱ラッキーソフトの『TANO』と、NCT日販コンピュータテクノロジイの『おえかきパラダイス』です。いずれも、体験してみましたがとにかく楽しいのです。

TANO

画面の前で、体の動作や人の声をセンサーがキャッチして、ゲームが展開されるコミュニケーションロボットです。プログラムが豊富にある、理学療法の専門家の意見を取り入れたプログラムであることから、介護施設のレクリエーション用として採用されているようです。

TANOで私の姿勢を、評価してもらいました。左にずれていて前かがみなのだそうです。 姿勢のゆがみは、肩こりや腰痛の原因になるだけでなく、内臓の病気とも関係しているそうです。姿勢が悪いなんて、面と向かっていわれるとカチンとくるのが普通ですが、機械で科学的に割り出した値となれば、すんなりと受け入れられます。

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画面に映った私の直立の姿をみても、なるほど、姿勢が悪いと改めて納得しました。

窓ふきで体操

私の悪い姿勢を直すプログラムを、機械が判断します。私の姿勢を正すためのゲームは、窓ふきでした。大きなスクリーンいっぱいの窓を、背伸びしたり、左や右に体を寄せたり、時には中腰になりながら、手で窓を拭いていきます。センサーによって、吹かれた窓が1枚また、1枚とはがれ落ちていくのです。

『めちゃ。おもしろい!』例え、腰や足が少々痛くても、画面の窓がはがれる画像が楽しくて、続けたくなる仕組みのようです。

お金を拾うゲームで口の体操

TANOは、体の動きだけでなく、音声もキャッチできるセンサーが、内蔵されています。上から降ってくるお金を拾うざるを、声のする方に動かすゲームがあります。より多くのお金をキャッチした方が勝ちで、チーム対戦ができます。

高齢者にとって、口の運動は生命の要といっても大げさではありません。口の動きが悪く、食べ物が上手く飲み込めなくなれば、誤嚥性肺炎につながります。多くの施設では、食事前に早口言葉などを、試みていますが、このゲームで無意識のうちに口の運動ができるのです。

これだったら理学療法士が声を張り上げて、体操を促さなくても、高齢者だけで体操ができます。介護スタッフのマンパワーを節約できそうです。

おえかきパラダイス

最初にある画面は、私が体験したものです。指定の紙にマジックで書いた絵が、画像の中に取り込まれる仕組みです。

大人になると、羞恥心が先にきて、なかなか絵を描きにくくなります。施設でぬり絵が流行っていますが、本当は真っ白な紙に1から絵を書く方が、脳トレになるはずです。1から絵を描くようにすると、誰も絵を描かないから、ぬり絵なのだと勝手に思うのです。

体験した画面は水族館を想定していて、魚の絵を描けば、泳いでいるように見えるといわれました。自分の描いた絵が、テレビに映るのが楽しみで、タコの絵を描いたのです。まったく、羞恥心なくすらすらと。

タコの絵をスキャンで読み込んで、水槽の中に入ると、これがまた『めちゃ、楽しい!』のです。下の写真は、スキャンで読み込んでいるところ。 スキャンで絵を読み込んでいる

こちらも、在宅用とは言い難いですが、高齢者とテレビゲームは相性が良いと確信します。

この記事を書いた翌日、NHKネタドリで「思わぬ効果!?ゲーム“新たな”可能性」というテーマで、高齢者施設で使用されているゲームが紹介されていましたね。やっぱりね。

施設向けのものが増えて、開発コストや製造コストがダウンして、早く家庭用のものができれば、在宅介護も楽になるに違いありません。そんな時代を待ち焦がれます。

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