スポンサードリンク

高齢者福祉施設の新型コロナのクラスター対策について

高齢者福祉施設の対策はまだまだ!!

新型コロナ禍の中で施設探しをしましたが、どの施設も神経質です。施設の玄関先で打ち合わせでも、検温と手洗いやアルコール消毒は当たり前、中には洗面所でうがいもお願いされるところもありました。疾患を抱えた高齢者福祉施設は、一たびクラスターが発生して重症者が複数発生すれば、地域の医療施設への負担は大です。責任は入所者を守るだけでなく、地域医療のマンパワーも守ることも暗に加わっています。高齢者施設の3密

感染対策のために入居者の家族は面会ができませんが、他にも、施設ごとに個別にクラスター対策を行っています。高齢者福祉施設の新型コロナ感染予防対策は、経済活動とは異なりマスメディアなどでの報道頻度は少ないものの、重く受け止めなければなりません。

少しづつ手を打ち始めた、国や地域での対策に視点を当ててみました。

もし高齢者福祉施設でクラスターが発生したら

もし施設でクラスターが発生したら、生活を共にしているために、多くの入居者や職員が、2週間の自宅待機をしなければなりません。職員であれば出勤できなくなり、人手が減ります。入居者が家族の事情で自宅に戻れないとすれば、おむつ交換に始まる介護は、感染対策の手間が加わり、さらに人手不足になります。

高齢者に限らず福祉施設はどこからも支援が得られないまま、少数人数でやりくりをしなければなりません。日本認知症グループホーム協会(東京)によれば、4月に感染者が1人出た後、クラスターが発生し職員と入居者の9人が陽性になったグループホームの実情を報告しています。通常、16人体制であったところを10人で回すことになったといいます。一人の人が、残業をしたり休日を返上して働かなければなりません。

福祉施設でクラスターが発生した場合は、施設単独で乗り切るのは難しいはずです。海外でも高齢者施設の集団感染は、深刻な状況を招いていました。欧州の新型コロナ関連での死者の半数は、福祉施設の入所者というデータです。

外部からサポート人員を派遣してもらえる体制が、1番の理想と思われます。

危険手当

厚生労働省は、高齢者福祉施設に新型コロナの感染者や濃厚接触者が発生した場合、「危険手当」を助成する事業を作りました。このことにより施設での人手不足に陥らないようにし、デイサービスなどの事業に支障を及ぼさないようすることが目的です。

2020年度の補正予算では危険手当などの政策に、68憶3千万円をあてています。この助成金は、国が3分の2、都道府県などの自治体が3分の1を負担します。対象は、主に特別養護老人ホームなどの入所施設や、デイサービスなど自宅から通う施設で、感染者や濃厚接触者が発生していることが条件です。

事業所が職員に配る「危険手当」の他、マスクや食毒液といった物品購入も費用補助が受けられます。上限額は、特別養護老人ホームの定員1人当たり3万8千円、デイサービスでは1事業所当たり、53万7千円です。

スポンサードリンク

この1次補正予算が決められた後、介護現場からは感染の有無を問わず、幅広く危険手当の支給を求める意見があがりました。2020年度第2次補正予算案で、感染者が発生したあるいは、濃厚接触者が発生した介護・障害福祉事業所では、職員に20万円を支給、感染者、濃厚接触者がいなくても、介護・障害福祉事業所で働く職員には5万円を支払うことを決めました。いずれも「慰労金」という名目で、事務職員も対象に含まれます。

テーマとそれますが、医療分野も同様に、感染者らを受け入れている病院の医師や看護師、事務職員には20万円を、それ以外の病院は5万円を支給する方針となっています。

でもどうでしょう。お金で人手不足の解消とするのは無理がある気がします。

介護職員の派遣

福島県では、高齢者福祉施設でクラスターが発生した場合などに備えて、他の施設から応援の介護職員を派遣する仕組みを作りました。

この仕組みは、福島県内の特別養護老人ホームなど約650の入所施設を対象に、派遣が可能な施設を登録してもらいます。感染リスクを避けるために、感染が発生した施設には直接派遣せず、同じ法人の別の施設職員が回り、手薄になった施設に他の法人職員が「玉突き」で支援に入ります。多くの福祉施設は、同じ法人で経営されていることが多いために、このような施策が作られたようです。

複数の施設を経営していない小規模な施設で感染が起きた場合は、デイサービスなどの利用者を他の施設で受け入れてもらいます。手の空いた職員を、感染対策や介護に充てるのです。

この対策が上手くいくためには、県内の高齢者福祉関連施設が、この仕組みの意義を知り、登録してもらわなければなりません。高齢者関係団体の今後の奮闘にかかっている状況のようです。

クラスター発生を想定した環境設備

静岡県は、ウイルスの拡散を防ぐ簡易陰圧装置や換気設備の設置費用を助成し始めました。
設備の対象は、特別養護老人ホームや児童養護施設、障害者視線施設などが該当します。

その内、簡易陰圧装置を29施設、換気設備を145施設で整備するために、一般会計4月補正予算に関連経費計1憶3600万円を計上しました。加えて、福祉施設で感染症が発生した際に消毒を行う費用、約230施設分も確保しています。

2月の補正予算では、多床室の個室化事業を予算化し、工事を希望する施設の募集を始めています。

簡易陰圧装置

簡易陰圧装置は、個室に取り付けて室内の気圧を下げ、ウイルスが部屋の外に漏れないようにする機械です。入所者が発熱するなどして感染症の疑いがある場合に、施設内で経過観察や療養を行う間、この装置のある部屋に移します。他の入所者や職員の感染リスクを軽減させます。

換気設備

換気設備は、窓のない居室や体調不良の人が過ごす静養室などで十分な換気機能を確保するため、換気扇やダクトを設置します。

(※2020年5月10日静岡新聞より参照)

スポンサードリンク