予防方法が具体的になって画期的じゃない
2007年に発見した骨ホルモン(オステオカルシン)は、脳、腎臓、肝臓、すい臓、皮膚、心臓、腸、精巣などに良い働きをすることが、解明されました。このオステオカルシンは、骨の中にあるヌルヌルとした、やわらかい物質です。
骨は、単に体を支えるだけのためにあるのではなく、骨の中にあるオステオカルシンが、骨につながっている血管を通して、さまざまな臓器に働きかけます。
先日、NHKのガッテンでは、オステオカルシンと血糖値の関係について説明していました。
血糖値の上昇は、糖尿病を引き起こします。糖尿病はアルツハイマーになるリスクでもあります。
オステオカルシンは、糖代謝を促しメタボ対策になり、動脈硬化や高血圧対策もなる、優れものです。こうした血管疾患は、心筋梗塞や脳梗塞の危険因子です。巡り巡って認知症とも関係しています。
しかも、直接脳にも働きかけ、脳を活性化させます。
オステオカルシンは、成人病予防に忘れてはいけないものとなりそうです。
オステオカルシンは増やせる
オステオカルシンは、骨の中に存在していますが、血糖値が高いと骨の中のタンパク質と結びついて本来の働きが出来なくなります。『糖化』と呼び、別の物質に変わってしまうためです。
血糖値が高い人のオステオカルシンの量は、少ないそうです。ガッテンでは、オステオカルシンの量が少ない方を調べると、血糖値に関係するHbA1c(グリコヘモグロビン)が多いことがわかりました。HbA1cは、血糖値が高い人ほど形成されやすくなります。オステオカルシンが少ない人は、糖尿病予備群であるのです。
オステオカルシンは、自分の体の中で作られ、外から運動によって増やすことも可能です。骨全体に衝撃を伝えることで、オステオカルシンが作られていきます。
その方法は、背筋を伸ばし足のかかとをあげた後、すとんとかかとを落とすことです。このかかと落としは、体重の約3倍の衝撃が骨に伝わります。1日30回を、めあすに行うと、効果があります。
よく骨粗しょう症予防で、ジャンプをすると良いと言われていますが、オステオカルシンを増やすことにも有効です。ジャンプの場合は、体重の約4倍の衝撃です。しかし、膝や腰に痛みがある人は、無理に行っては逆効果です。
かかと落としは、膝の負担をかけないで、骨に衝撃を与える最も適した運動です。
ガッテンで調査した、オステオカルシンが少ない方が、1週間かかと落としを実施したところ、オステオカルシンが増加したばかりか、HbA1cも下がっていたそうです。
高齢者でつま先立ちに自信がない場合は、体を支える家具などに捕まりながら、かかと落としを行えます。外出が難しい方も、室内でできるところがいいですね。
オステオカルシンは、口から食べても増やすことが可能だそうです。ガッテンでは、豚骨の中に含まれる成分に、オステオカルシンが作れると紹介しています。近々、サプリメントなどが期待できます。
糖尿病予防が具体的になったね
今回の放送は、従来の糖尿病予防をより具体的にしました。
糖尿病予防と言えば、食事や睡眠、運動と言った漠然とした方法しかありませんでした。食べ過ぎや太りすぎに注意すれば事が足りるのかと思いきや、痩せていても糖尿病になる方もいて、釈然としないと感じていた人も多いはずです。前者を2型糖尿病、後者を1型糖尿病と呼ばれています。
オステオカルシンは、すい臓からインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きがあります。また、糖尿病の薬であるインスリンの分泌を促すホルモン インクレチンの分泌も、促す働きも持っています。
インスリンは、ご存じの通り、血中の糖をエネルギーに変える働きをしてくれる物質です。糖尿病は、インスリンが正常に働かなくなる病気です。
オステオカルシンとインスリンとの関係が判明し、しかも、増や方までわかったというのは、画期的なことですよね。
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