血糖値の変動が引き起こす高血糖は全身の血管を破壊する
糖尿病は、血糖値の急上昇を抑えるために、人の体内が分泌するインスリンのコントロールができない状態を示します。血糖値が高い時にインスリンの分泌が行われなかったり、逆に、インスリンが過剰に分泌されすぎてインスリン不足になったりといった症状になります。
アルツハイマーと糖尿病の関係
アルツハイマー型認知症と糖尿病と関係が深いことは、多くの人が知るところとなりました。 アルツハイマー型認知症は、脳の海馬と言う場所にアミロイドβタンパクが溜まり過ぎて、海馬が縮小することから始まります。
インスリンは、このアミロイドβタンパクの排出を助ける物質です。インスリン不足の状態が続けば、アミロイドβタンパクの排泄が困難になります。インスリンのコントロールが困難な糖尿病の人に、アルツハイマーの発症が多いのはこのためです。
糖尿病は血管をボロボロにして、合併症を引き起こす
ご存知のとおり、糖尿病は多くの合併症を引き起こします。
緑内障や網膜症をはじめとする目の病気、脳卒中、動脈硬化や心筋梗塞など血管の病気、神経痛や腎炎などです。
インスリン不足は、血液中に糖分の代謝が行われずネバネバした血液をもたらします。血液は、体の各組織に栄養や酸素を送り届け、その帰り道は老廃物を回収する働きを持っています。しかし、血液中に糖分が残ったままだと、糖分以外の栄養や酸素の供給も、老廃物の回収もうまくいかなくなってしまいます。
血液のネバネバ状態が、動脈硬化を引き起こし、高血圧などの症状にも繋がっていくのです。
糖尿病予防に注目されている低GI食品について
糖尿病予防や治療は、食事療法と運動療法です。
従来、食事療法と書かれているものは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂り、1日3食規則正しく摂ると指示されています。一回当たりの食事量を一定にして、食後の急激な血糖の上昇を抑えます。空腹の時間を長時間になると、次の食事の時に栄養の吸収が高くなり、血糖値も急激に上がります。
また、各々の食品毎にカロリーが記載されいて、1日の総カロリー量は1600Kcalに抑えることとあります。
従来通りの食事療法ではラチがあかない
しかし、総カロリーは、個人ごとの体系や1日の総運動量によって異なっています。全ての人に共通の値とは言えません。
1日オフィスで事務系の仕事をする方と、営業で1日中歩き続ける方、ガテン系の職業の方とが、全く同じカロリーであるはずはないからです。
低GI食品を意識しよう
先日、漢方の先生の所に相談へ行きましたら、『糖尿病予防には低GI食品が良い』というパンフレットを貰いました。
GIとは、食品を食べた後30分後の体の吸収率を、ブトウ糖を100とした場合、各々の食品毎の吸収率の値を表しています。同じカロリーであっても、食品がゆっくりと体の中に吸収されていけば、GI値は低くなります。インスリンの過剰分泌も、避ける事ができます。
ゆっくりと栄養が吸収される状態とは、胃や腸の中の滞在時間が長く、容易に血中に栄養がいかないと言う事です。つまり、消化が悪い食べ物と考えると良いかと思います。
低GIって何?
低GIは、主に食物繊維の事を表します。
特に、水溶性食物繊維は水分に溶け込み、食品の栄養の吸収を遮りますので、高カロリーのものをつい食べ過ぎてしまう方には、嬉しい働きをします。
胃や腸の中での滞在時間が長いと言う事は、なかなかお腹が空かないと言う事でもあるのです。
GI値の高いといわれている、穀物やパン・麺類の中でも、低GI値のものがあります。精白米より玄米、食パンよりライ麦パン、スパゲティよりそばの方と、より低いGIを選んで食べることで、血糖値の変動を少なくすることができるのです。野菜では、人参よりかぼちゃ、ジャガイモよりさつま芋、トウモロコシより栗となります。
食品毎のGI値を目安に献立を考える
私は漢方の先生に、食品毎にGI値が記載された一覧表を冷蔵庫の所に貼って、良く勉強するようにと言われました。勉強するのは嫌ですが、こうした一覧表を冷蔵庫の所に貼って、献立を作る際により、低GIの食材を食べることができます。
全ての食材を低GIにする必要はありません。低GI食材を、1種類でも2種類でもメニューに加えることで、血糖値の変動を防ぐことが可能となります。
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私は、このごろ大麦類のふすまという健康食品を毎日試しています。試してみるとお腹がすきにくく、朝の習慣もびっくりです。低GI食品の働きを、実感することができました。 こちらの記事に詳しくレポートしましたので、興味があれば読んでみてください。
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