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認知症の介護事例、症状の事例、家族のフォロー事例を積み上げよう

同じ土俵の上に立つには、同じ認識に立つこと

国立長寿医療研究センターが、認知症介護者に向けてのプログラムの普及を始めました。プログラムは、入門コースと基礎コースに分かれていて、現在入門コースはダウンロードできるようになっています。↓
(URL:認知症の家族が学ぶプログラム・入門コース

書籍と懐中時計

手遅れになる理由は、全貌がわからないから

認知症の困った点は、全貌がつかめないことにあります。認知症の種類も多いし、個人個人の生活や能力もあり、症状も千差万別です。暴力や徘徊が、認知症の象徴のように思われるかもしれませんが、人によって同じでないので、果たしてBPSDなのかと首をかしげる時もあります。

得てして大人の場合、周囲に心配をかけまいとして、症状を隠してしまうことがあります。気がついた時は、手遅れというのは、大人だからそうなるのでしょう。

NHKの若年性認知症の特集を行った時、若年性認知症の夫を持つ奥様も同じようなことを言っています。おかしいと思いつつ、旦那は隠していたので分からなかったというのです。ある日突然、タオルをかけて欲しいとタオルと渡した時、認知症を確証したと言います。旦那様は、タオルを持ったまま、呆然としていたからだそうです。

認知症になる以前から知っておくべき

上記のプログラムは、現在認知症を抱えた家族向けというより、より多くの人が読み、認知症の全貌を知るためのものと感じます。人は、最終目標が見えなかったり、全貌が見えていないと、行動ができないものです。

おかしいと思った時に、直ぐに行動ができないのは、何故認知症になるのか、予防する手立てはあるのか、治すための方法はどうなのかといったことが、分からないからです。介護する側とて、同じです。

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『年のせいで大したことが無いかもしれない』とか、『どうせ病院へ行ったとて、何も変わりはしないさ』といった、気持ちがブレーキとなり多くの人は行動を起こしません。逆に、プライベートのことを根ほり葉ほり聞かれて、気分を害するだけと考える人もいます。

我が母もそうで、こうしたサービスがあるとか医療機関があると、提言しても動きませんでした。実際無理やり、病院へ連れて行ってても、決まり切ったテストを行い、あやふやな支持しか出してもらえなかったのです。

実際、倒れて救急車で運ばれて、言われるままにケアを続けていくうちに、気が付きました。認知症は、軽度であれば生活習慣や周囲の人の対応で、進行を遅らせることもできるからです。(認知症の種類によりますが。)

制度や定義の次は方法論が欲しい

今もオレンジプランが始まったと言っても、一般の人はその全貌が分かりません。医療現場とて、そう浸透しているようには見えません。

状況を共有する、多くの人たちが同レベルの認識を持つことで、動き始めます。

ただ、制度があるから取り入れているとか、医師がこう定義しているとかといった、あるものを確認しても何も始まりません。どうやって認知症の家族をフォローしていくのが良いのかを、順々に詰めて欲しいと思います。

『認知症とは何か?』の定義は、もう分かりました。次は、方法論です。

今はまだ、制度だけが独り歩きしている状態に見えます。少しづつ事例や、医学的な症例を集めて、多くの人に周知を繰り返し、話し合いを行う家族会や勉強会で、新たな事例も掘り出してほしいと思います。

多くの事例の積み重ねが必要でしょ? 認知症の症状の事例、介護の事例、BPSDの事例、対応方法の事例が、次々に増えていけばと思います。

施設内だけ、仲間内のヘルパー方法論だけにとどめないで、次々に勉強会や講習会を開いて、そのノウハウを広げていくべきです。多くの人の声が、解決の糸口に近づけてくれると信じています。

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