高齢者のプライドを気付けないで安全を守る方法は
認知症の徘徊対策にGPS機器を持ってもらい、居場所を突き止めたり、確保したりするのを警備会社に任せるセコムのサービスはよくできていると思います。全国に拠点を持つ警備会社の強みを生かした、位置検索システムの内容は、こちらにまとめてあります。
ただ、母に話を何度か持ちかけましたが、お年寄りは、自分では何でもできると思いこんでいます。たとえ、昨日まで、ふらついて歩けなくても、今日、5分だけでも自分の足で歩ければ、もう『大丈夫』ということになるのです。
徘徊対策グッズを素直に持ってくれない
『年寄り扱いして!』、『認知症だと勘違いしないで!』とケンカになるのが関の山です。
携帯電話を持つ習慣もないし、新たにGPS端末を持たせようと思っても気分を害されるだけです。それとなく住所の入ったペンダントを渡しても、アクセサリーを付ける習慣のない高齢者には無理ですし、習慣のある方は、逆に毎日同じものを身につけるとは限りません。
たとえ内緒でかばんなどに忍び込ませることに成功したとしても、そのかばんを持って歩くかどうか分かりません。しかも、電気製品なので、いつも身につけているGPS端末に、気ずかれないように電池を入れ替えるのも至難の業です。良いサービスだけど、お年寄りは手ごわそうです。
徘徊をする歩行能力があるなら、昼、ベッドの上で過ごさない
認知症対策グッズの中に、ベッドの下に、ベッドから降りた時に知らせるマットセンサーがありますが、これは施設向けです。
ちょっと考えてみてください。徘徊をするお年寄りは、そもそも昼間ベッドでは過ごしません。外出したくてたまらないお年寄りが、ベッドでじっとしている訳がないからです。出歩けるのは、体が丈夫であるからで、自宅用には向かないのです。
玄関の所に赤外線センサーを置いて、出かけようとすると、家族の声がする機械があります。ドアが開くとチャイムが鳴るようにする、同じくドアが開くと鈴が鳴るようにすると言った方法もあります。
徘徊ができる体力のあるお年寄りです。玄関が駄目なら窓からといった、新たな作戦に出るかもしれません。家族が、買い物などで外出している時を見計らって、外に出るかもしれませんので完璧ではありません。
こちらの、 『遠距離介護を助ける見守りサービスを紹介』で紹介しましたが、家の中にセンサーを取り付けて、家にいるはずの時間内に、センサーが反応しない時に、メールを送信してくれるサービスもあります。自宅にいない場合は、既に徘徊を始めていることになるので、未然に防ぐことはできません。
靴のおしゃれを楽しまないお年寄りなら、靴に名札をつけるのは
GPSが入った靴が、日本でも売られるようになりましたが、これはなかなか良い発想です。靴は、出かけるときだけしか使用しませんので、電池の入れ替えも楽にできます。しかも、お年寄りは、若い女性のように何足も靴を、履きかえることはありません。今まで履いていた靴を隠し、膝や腰に良い靴を買ったと説得すれば、健康のためいつもその靴を履こうとするでしょう。
GPS付きの靴は、新商品のために高いことが難点。持ってみましたが重く、デザインも豊富ではありません。しかし、携帯電話を持たない、決まったバッグを持たないお年寄りには、現実的でよいアイディアです。実際展示会で、説明を受けてきた記事をこちらにまとめてあります。
100均の布ボンドは優秀なの
母の靴をそろえる時に気がつきましたが、靴の底に布で名前を貼ってあります。これは、デイケアで全てものに名前を書くようにと言われているためなのですが、ピーンときました。靴に住所と氏名、電話番号を書いておけばよいのです。
他にも、コートやマフラー、バッグと見えないところに電話番号や、住所を書いておきます。最近の布製ボンドは、100円ショップのものでも性能は確かです。母の靴の底に貼ってある布は、かなり歩き続けましたが、しっかりと靴が駄目になるまではがれませんでした。気になる方は、靴の横側に貼っておけば目立ちません。
こういったことを、多くの人が始めれば、もし街でぼぉーっとしたお年寄りを見た時、時間のない方でも対応してくれます。「ちょっと、おばあちゃんごめんね。」と靴を脱がせて、そこに記載してある電話番号に、自分の携帯から連絡すれば済むことだからです。そうなれば、いいのにと思います。
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