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高齢ドライバーの事故対策に、限定運転や事故防止機能車もプラス

更新時の認知機能検査だけでは不十分

高齢者ドライバーの事故対策に、運転免許証返納の政策を打ち出しましたが、まだ不十分です。最悪なことに、75歳以上に義務づけられた「認知機能検査」をパスした90歳のおばあちゃんが、免許更新した直後に、4人を死傷させる交通事故を起こしました。(昨年6月)下の写真はイメージ↓店に突っ込んだ車

改めて75歳以上の高齢者に義務付けられた、運転免許証更新時に行う認知症機能検査は、次の3段階です。

  • 記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)
  • 記憶力・判断力が少し低くなっている(認知機能の低下のおそれがある)
  • 記憶力・判断力に心配がない(認知機能の低下のおそれがない)

 

最初の認知症のおそれがあるのみが、医師の診断を受けて免許返納か否かを決めます。二番目の認知機能の低下のおそれがあるの場合は、3時間の高齢者講習を受講後、免許更新が可能になります。2017年に死亡事故を起こした高齢ドライバー385人のうち、およそ4割が、この認知機能の低下のおそれに該当しています。

つまり、認知機能検査に加えて、高齢ドライバーの事故対策が必要になってきました。

警察庁では、有識者で構成する会議を設置し、高齢者が運転できる地域や時間帯、車種を絞った「限定運転」の導入の検討します。例えば、自動ブレーキなど安全装置を搭載した「安全運転サポート車」に限る、限定免許の導入があります。運転を自宅周辺のみとしたり、混雑が少ない時間のみとするなども考えられます。

より詳しく視野検査ができる機器を取り入れる検討も行っています。

高齢ドライバーの事故対策について、真剣に考えなければと痛感します。海外で行っている施策、日本で行われている取り組み、高齢者運転支援の道具などをお知らせしていきます。

 

海外で行っている高齢ドライバー事故対策

山間地が多いスイスは、都市部以外では公共交通機能がほとんど働いていません。人件費の高さから宅配サービスもありません。日本以上に、地方での車が必需品なのです。

スイスの運転免許には、更新がありませんが、70歳になると2年ごとに運動能力や視力、聴力の検診が義務付けられます。検査結果に基づいて、夜間運転が困難と見なされれば日中のみの運転、ギア操作ができないと判断されたらオートマチック車のみの限定免許に代わっていきます。車を走行させる場所も、制限されることもあるそうです。日本の警視庁は、高齢ドライバーの事故対策としてスイスの制度を参考にするそうです。

ドイツでは、運転時間や場所を限定する免許制度を導入しています。

デンマークでは、かかりつけ医の診断で基準を満たさなければ、免許取り消しです。

英国では、70歳以上は健康状態が運転に影響しないと、当局に申告をしなければなりません。

米国のニューヨークでは、医師が認知症と診断した人に、運転をやめるための計画を立てることを勧めます。

アイルランドでは、早期認知症患者の運転免許証の有効期間を、1年に短縮します。

日本で行われている高齢ドライバー運転支援

運転免許返納が死活問題になる方にとっては、自らの身体機能や認知機能の衰えを、できるだけ遅らせたい気持ちは理解できます。リハビリテーションで機能維持を目指したり、自らに運転規制を作って安全運転を心がける運動など、高齢ドライバーの戦う姿を知りました。

警視庁で検討されている限定免許や、これから詳細する運転リハビリは、運転免許を持ち続けるか、返納するかの二者択一にしない新たな考え方です。高齢ドライバー

医療の立場で高齢ドライバーに運転指導

大分県大分市井野辺病院には運転外来があり、運転技能を客観的に評価する独自のシステムで、高齢者に運転指導を行っています。院内の物忘れ外来を受診した方のうち、認知症ではないものの運転に不安があるドライバーが対象です。

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作業療法士チームによって開発した脳損傷者のための運転評価ノウハウを活用し、認知機能テストを行います。ドライブレコーダーを貸出し、狭い道での対向車とのすれ違いや、歩行者を認識する速さなどを、実生活での運転の様子を解析します。その結果、ルートの提案などをするそうです。

受信した方は、映像を見ながら運転の注意点を指摘してもらえて、勉強になったと話しています。

運転外来を受信しても、運転技能が高まるというわけではありませんが、運転を続けるか否かで迷っている高齢者にとって判断材料の一つになることは確かです。

リハビリテーションで機能を維持したい
愛宕(アタゴ)病院の場合

高知県愛宕町にある愛宕病院では、高齢者向け診療科目「自動車運転外来」を開設しました。医師の検査で認知機能や運転技術を把握し、リハビリテーションで機能の維持や向上を目指します。

リハビリテーションは、6色のシールが貼られた板の前に立ち、伝えられた3色を順番に足で踏むといったもの。交差点に車が侵入するイラストを見ながら、運転時に気をつけることを記入するトレーニングもあります。1回約1時間で週2回、1カ月にわたって注意力や記憶力などの認知機能の維持や向上に取り組んでいきます。

この記事が新聞に掲載された2018年3月時点で、6人が外来を受信しリハビリを行った結果、検査の成績が向上した人もいれば、そのまま免許を自主返納した人もいるそうです。

国立長寿医療研究センターの場合

国立長寿医療研究センターでは、「運転寿命延伸プロジェクト・コンソーシアム」を立ち上げました。その取り組みの中には、低下した運転能力を回復させるリハビリがあります。

マシンを使って下肢の筋力を鍛えたり、運転シミュレーターで注意力や判断力を高めたり、実車で走行訓練をしたりします。

運転能力はAI(人工知能)を活用したSDAPという検査で測るそうです。教習所に全地球測位システム(GPS)やセンサーを搭載し、教習所指導員の模範走行を記録しておきます。高齢者が同じルートを走り、軌跡や動作を模範走行の記録と比較して、運転操作を評価するシステムです。

やわやわ運転自主宣言

富山県高岡市では高齢ドライバーが、夜間や長距離などの運転を控える「補償運転」の開始を始めました。この「やわやわ運転自主宣言」に参加したドライバーは、老い伴って低下する運転機能を補うために、自分に誓いを課して厳守を心がけています。

誓いの内容は、通学時間帯の運転を避ける、悪天候での運転を避ける、体調を整えて運転する、狭い道は通らず遠回りでも幹線道路を走るようにするなど、各個人ごとに様々です。こうした宣言証を目のつくところに置いて、運転前には必ず目を通す、車の中にも入れておくなどして、安全意識を高める方法です。

やわやわという名の通り、やわい印象を受けますが、最終的には個人の意識の問題で決して間違っていないと感じます。

 

高齢ドライバー用の事故防止機能車

高齢ドライバーの交通事故のニュースが増えるに従い、高齢者の運転支援向けの商品が開発されてきました。反響は高く、次に書いた誤発進防止装置はすぐに品薄状態になったそうです。

誤発進防止装置

自動車用品大手などを中心に、「高齢者の運転支援」を掲げた商品の開発が行われています。オートバックスセブンが販売している、「ペダルの見張り番」は、停止時や徐行時の急激なアクセルの踏み込みを検知して、急発進を抑制させます。

テレビのコマーシャルなどで見る限り、事故防止機能車は新車でなくてはという意識がありましたが、購入した車に後付けできることが、ペダルの見張り番の大きな魅力となっています。

逆走防止サービス

三井純友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、高齢ドライバー向けの自動車保険を販売します。同時に、社内に専用の装置を取り付け、衛星利用測位システム(GPS)で高速道路の逆走などを検知させ、運転者に警告をするとともに、家族にも通報するシステムも提供します。

損害保険で、逆走防止サービスを提供するのは、業界初です。

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