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医師と思えないくらい、介護現場の肌感覚を知っている

竹内孝仁医師の『水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない』を読みました。医師にしておくには、もったいないくらいな軽快な文章で、スラスラ読めました。そして、医師とは思えないくらい、認知症の介護者の感覚を身につけています。

普通の医師は、患者と生活をしていませんので、認知症の書籍の多くは、臨床実験とその裏付けの説明に終始しています。具体的な認知症の症状と、脳の状態を結びつけて説明できる医師はいないと感じていました。だって、認知症の症状を肌で感じていないのですから。コップに水

認知症は記憶を失うことではない

面白いと思ったのは、認知症は記憶を失うことではないと、断言していることです。認知症か否かを判定するのによく使われる、長谷川式は、記憶の消失を確認しているだけですし、忘れることが認知症と、信じている人が全てです。

しかし、介護者とは温度差があります。高齢者の不可思議な行動と言動は、記憶を失っていると考えられず、戸惑うばかりです。定規で当てたように同じ生活環境はありませんので、その不可思議な行動と言動は、人によっていろいろ。

当ブログでも、いくつか書いていますが、物忘れからくるものではありません。認知症を確認するテストなんて、ありえないと感じています。

竹内医師は、認知症は、わからなくなる病気と書いています。言葉通り、認知機能が失われることです。認知症が記憶を失うことなら、記憶消失症とか記憶障害という名前になっていたでしょう。

息子の顔を忘れたのではなく、息子の顔を識別できなくなった。食後に『ご飯はまだか』と聞くのは、食事をとったことを忘れたのではなく時間の経過が理解できなくなったのです。つまり、記憶されているメモリが壊れているのではなく、メモリから情報を取り出して判断する能力がなくなっていると解釈しました。

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これらの感覚って、実際高齢者と接して、現実を見ていないと分からないはずです。 この本の面白さは、介護現場にいる人しか分からない肌感覚を、医師が明快な言葉で説明していることです。『そうそうそう、やっぱりそうなのね。』と嬉しくなりますよ。

そうか、水かって、読み終えた後ヒシヒシと

国の経済再生本部の会議で、自立支援介護を提唱した竹内医師の話を、こちらの記事で紹介しました。この記事を書いたときは、本を読んでいなかったので、よくある医師の独りよがりな事例集のように考えていましたが、今は違います。

この本は認知症と水、高齢者と水の関係が、丁寧に書かれています。水不足が及す体への影響や、人間の体は水なくして生命を維持できない理由が、進化前の海にいた時から書かれているのです。

『水が大切なんだ』と、『水を飲まずして、介護はあり得ない』という熱意が、ひしひしと感じてきました。

高齢者が水を飲みたがらない理由も、ちゃんと知っていました。その気持ちにより添うように、高齢になればなるほど、水が必要であることを書き続けています。夜間のおねしょの理由と、その対策方法も明示していました。医師にありがちな、薬を飲むとかポータルトイレなどの福祉用具を使うなどの、通り一遍ではありません。

介護者に勧めたい。施設で多くの高齢者に接している介護士だけでなく、特に自宅で介護している介護者に読んでもらいたい本です。

本を読んだだけで、水だけで認知症は治ると納得させられました。幸い、水は無料ですし、副作用もありません。持病によっては水の飲み過ぎが悪い場合もあり、水中毒も否定しませんが、多くの高齢者は水を飲みたがりません。

本の知識があるだけで、高齢者にありがちな発熱、便秘、徘徊などの不穏な症状が出たときに、迅速な対応ができるはずです。

 

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