スポンサードリンク

高齢者の脱水症状が、脳梗塞や心筋梗塞を招く

どうして飲まないのかあれこれと考察

「干からびる」なんて言葉がさす通り、年をとるということは体の中の水分量が減ることです。皮膚はカサカサになりふっくら感が失われますし、髪や爪にも艶がなくなるのは、目で見てわかる水分量の低下です。高齢になればなるほど、体の水分量に注意しなければなりません。

ちなみに年齢ごとに、体重に占める水分量のデータは次のようになります。

  • 胎児:90%
  • 乳児:70%~75%
  • 成長期の子供:70%
  • 成人:60%~65%
  • 高齢者:50%~60%
水をのむおじいさん

脱水症状を起こす原因

高齢者になるとのどの渇きを感じにくくなるために、水を飲む必要性を感じません。体の中に水分を蓄える力が弱くなるので、水分補給を十分にとっている気になっているものの、実際には不足しているといった場合もあります。

高齢者特有の脱水症状になる原因をあげてみます。

水分保持力が弱い(貯水庫が小さい)

体の中で水を蓄える大きな貯水庫に筋肉があります。活動量が減り筋肉が落ちれば、さらに貯水庫も小さくなってしまいます。貯水庫が小さく一度に水分を体内に溜め込めない分、頻繁に水分補給を行います。

筋肉をつけるためにトレーニングも有効です。体の中で一番大きい筋肉は太ももに集中していますので、太ももの筋肉を鍛えれば効果的です。

ケガをしないように椅子などで体を支えながら、スクワットをします。一度に10回で朝夕と2セットを行います。最近では楽にスクワットができるように、椅子に腰かけるとばねで沈み、再び立ち上がるといったグッズも売られています。

薬の影響で脱水症状を引き起こす

慢性心不全や高血圧の治療剤に、利尿剤が入っている場合があります。体にたまらず、すぐに尿となり体外に出てしまいます。

高齢者が水分をとりたがらない訳

よく高齢者の中には、『水を飲むとトイレが近くなるから飲まない』という方がおります。特に、就寝前は嫌がります。

失敗したくないとか、おむつを履きたくない理由で、飲まない場合もあります。

スポンサードリンク
おむつがトイレを面倒にさせる

おむつがトイレを億劫にさせていることもあります。入浴介助で知りましたが、高齢者用のダーツの入った紙パンツは、お尻を入れるのに力が意外と力がいります。元気な私が苦労するのですから、高齢者なら尚更、重労働になっているはずです。もう少し、軽くて伸び縮みあるパンツにしてもらえると良いのですけど。。。

お水を飲むとむせる

飲み込む力が弱くなり、お茶などが喉を通りづらいために飲みたくないということもあるようです。サラサラの水は気管に入りやすく、むせるのが怖いのです。少しとろみをつけて、飲みやすくすると良いようです。

時間を決めて水分は必ず飲む

高齢者自身が水分の補給をしたがらない理由を、分析して話すことはありません。介護者が理由を探り、時間を決めて水分補給を促していくのは大切なことです。

脱水は、多くの疾患の原因になり、脳梗塞もありうる

水分不足が起きると、血液はドロドロになり血管が詰まりやすくなります。心筋梗塞や脳梗塞の引き金を引いてしまいます。

脳梗塞は脳の血管が詰まって、その先に血液が流れなくなる病気です。詰まった先の脳細胞は死滅して、二度と復元されることはありません。

知らないうちに脳梗塞になっていることもある

急に倒れないまでも、日々の水分不足で徐々に小さな脳梗塞が起きている場合があります。脳梗塞を起こす場所によっては、顔面や手足のマヒ、言語障害、歩行障害、意識障害だって起こしかねません。加えて、認知症のリスクも高まります。

特に夏は、暑いので血管が広がり血流が良くなります。血液が足の末端に届いても、筋肉量の少ない高齢者は心臓に戻すことが困難です。十分な血液が脳までいきわたらなくなり、脳梗塞ということもあるようです。

体内の臓器にも負担

脳や心臓だけでなく、体内の臓器も水分が不足すると、機能は低下します。

飲むめあすは、1.5リットル

日常生活で人間は、一日に2リットルの水を消費しています。脱水症状にならないためには、水やお茶で1.5リットル、食事から0.5リットルの水分を摂取が望ましくなります。

水分を溜め込む力が弱い高齢者は、小さな水筒を常に持ち歩き、出先でも小まめに水分摂取を行うようにといわれています。

体に吸収力が高いのは、水

カフェインの入っているお茶やコーヒーは、カフェインの利尿効果で、飲んでも体に吸収されません。体に水分が蓄えられません。吸収力が高いのは水です。お茶を望むなら、ノンカフェインの麦茶が良いと医師は話していました。

スポンサードリンク