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自宅での高齢者転倒予防は身近な工夫から

些細なことで自宅で転倒している

2016年の東京消防庁の「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」によると、日常生活の事故で搬送した65歳以上の高齢者 7万2198人のうち、その8割が転倒でした。転落をあわせると約9割に達します。

事故を起こした場所は、住宅などの居住場所が60.9%と過半数を占め、道路や交通施設といった屋外の2倍以上。特に75歳状では、居住場所が66.8%と7割近くを占め、家庭内での事故が大半です。

自宅での転倒防止というと、住宅改修を真っ先に思い浮かべます。大掛かりな改修以前に、身の回りのちょっとした工夫で転倒のリスクが減らせることが分かってきました。転倒が原因で要介護になることもあるので、まだまだ元気と思ううちから知っておくとよい、自宅での高齢者の転倒予防を詳細します。転んで足首を折る女性

転倒が多いのは「ぬ・か・づけ」の場所

日本転倒予防学会理事長で東京大名誉教授の武藤芳照さんは、高齢者の転倒する場所は「ぬ・か・づけ」が多いといいます。「ぬ」はぬれている場所、「か」は階段や段差、「づけ」は片づけていない場所。

ぬれているところ

ぬれていて転びやすい場所は、風呂です。タイル張りの床で滑り、浴槽のへりで胸を打ち付けて肋骨をおるなど重傷になってしまうこともあります。

雨の日の玄関の床や、ウッドデッキなども、素材によっては危険な場所です。

安価に買える滑り止め洗剤や、足をとられにくい滑り止めシールなどの便利グッズがあります。

また、油が飛び散った台所の床も要注意です。小まめに水拭きをする、滑り止め機能が付いた靴下やスリッパをはくなどで対応します。

階段や段差

階段に手すりをつけるのは最善ですが、次のような対策も考えられます。

階段を下った最後の段から床に降りる時、暗がりで階段と床の段差が分かりにくいために踏み外すことがあります。床の方に、階段と床の色をはっきり違う色の滑りにくい敷物を置きます。

分厚い靴下をはくと、足の指が床をとらえず滑りやすくなります。階段用の滑り止めシートがあります。階段の縁に貼る「スベラーズ」は、ロングラン商品であることから使って損はないでしょう。滑り止めシートを長年使い続けて、はげかけていると、シートに足をとられることがあるので交換します。

下りだけではなく上りの時も、足が上がり切らずに踏み外してしまうこともあります。階段を明るくするために照明を明るいものに取り換えるとか、両面テープでつけれれるフットライトなども売られています。

カーペットやトイレマットやキッチンマットも、例外なく危険要素です。高齢になると脛の前の筋肉が衰えてつま先が上がらなくなります。カーペットを敷く場合は、床との段差を作らないように敷き詰めて、一部分だけ敷くのはやめます。

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片づけていない場所

炬燵を使う場合は、炬燵の電源コードに足を引っかけたり、炬燵の布団に足をとられて転ぶケースがあります。こたつ布団は床との違いがはっきりわかる色にするとか、大きすぎない布団にします。

もし床に置くストーブを使っている場合は、転んでストーブを倒すことも考えられるので、暖房はホットカーペットや壁掛けのエアコンなどに変えた方が良いようです。

床には物を置かないようにします。小さなプランター、空気乾燥機、スチーマーなどを使用しているなら、台やテーブルの上にのせる、歩く動線上は片づけておきます。

たとえ薄い紙、広告やダイレクトメールなどでも、滑って転倒するケースがあるそうです。

「ぬ・か・づけ」以外の転倒

「ぬ・か・づけ」以外での転倒の原因も明らかになってきています。

不眠

高齢になると日中の活動量が減少して、居眠りをすることが増えます。代謝も落ちて眠りを必要としない体質になるので、夜の睡眠も浅くなりがちです。夜の眠りが浅いと、トイレに行く回数も増え、暗がりの中での歩行をしなければなりません。

海外で64歳以上の約1500人に行った調査で、寝つきが悪いと、不眠症状のない人と比べて転倒のリスクが約1.5倍、夜中に目覚めやすいケースは約2倍になるという結果がでました。夜十分な睡眠をとらないことから、日中ぼうっとしがちになり、転びやすくなるのです。

日中は昼寝をしないで、規則正しい生活を送るようにします。

夜どうしても目覚めて、介護者の負担が増えるなど致し方がない場合は、睡眠薬を服用することもあります。高齢になると睡眠薬などの薬は効きやすく排せつする力も弱まり、もうろうとする時間が増えてしまいます。高齢者の様子を見ながら、睡眠薬の量を医師に調節してもらうなどしてみてください。

室内履き

冬場のフローリングの床は、ひんやりして分厚い靴下やスリッパをはきたくなるものです。靴下が分厚いと、足の指に力が入らず滑りやすくなります。靴下の下に、滑り止め素材のボツボツが付いたものを履くとか、かかとのついたスリッパ(滑り止め加工していると良い)を履きます。

椅子

椅子に座って寝ているうちに、体が前にずれて浅く腰掛ける状態となり、椅子から転げ落ちることもあります。

椅子に座る時深く腰掛けひざが90度に曲げた状態で、足裏全体が床にしっかりつく高さのものを選びます。横に転げ落ちないように肘付きのもので、肘付きは立ち上がりを助けてくれる高さであればなお良いです。

高齢者はうたたねをする前提で選ぶなら、リクライニング機能や天板が柔らかいものを選ぶと、もっと良い状態になります。

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