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嚥下食の作り方で悩んだ時のヒント集

知恵を出し合えばもっと美味しく食べてもらえる

おせんべいようなパサパサしたもの、歯に堪える硬いもの、ゴボウのような繊維質が多いもの、貝類や餅のように粘性が強く噛み切れない食品など、高齢になると、苦手な食事ばかりになってしまいます。硬さの違いや粘性の強さ、歯の有無などで、食べやすさの個人差もあり、嚥下食の悩みは尽きません。

介護者は、食べ残しの皿を見てため息ばかりに違いありません。どこかの雑誌に、男性介護者の虐待の理由で、せっかく作った食事をとらないためということを聞いたことがありますが、高齢者なりの言い分にも、気を配りたいところです。本の上の眼鏡とひらめきの電球

嚥下食を毎日作りつづけるためには

嚥下食の作り方は、雑誌やインターネットでも紹介されていますが、実際、個々の高齢者にぴったり当てはまる食事ばかりではありません。レシピで紹介されている食材の中に、嫌いなものが含まれていることもあります。

富山県南砺市(なんとし)天地の特別養護老人ホーム やすらぎ荘では、介護職を4タイプの分けて調理しています。4タイプとは、一般食(歯茎でつぶせる程度)、刻み食(小豆大にきざんで調理)、極刻み食(ゴマ粒大に刻んで調理)、ペースト食です。さらに、利用者の状況に応じて、介護者が食べさせるときに、スプーンでつぶすなど調整をしています。

一口に、嚥下食といっても、食材毎に対応が違ってきます。とはいえ、高齢者が食べやすい食事には、法則のようなものも徐々に見つけられてきています。法則を知れば応用も可です。いくつかヒントを集めてみましたので、ご一読ください。

飲み込みづらいものはとろみをつける

さらさらした水、口の中で塊になりにくい肉やかまぼこやこんにゃく、乾燥してパサパサしたおせんべいなどは、飲み込みづらくなります。

水やお茶、ジュースは、市販のとろみ剤でとろみをつけて飲み込みやすくします。
口の中で塊をつくりにくい食材は、調理中に、片栗粉を使用してアンを作り、アンで包み込む方法があります。パラパラな食材同士をつなぐために、マヨネーズやドレッシングのどろっとした油脂食材を利用したり、卵や小麦粉などのつなぎでまとめます。

焼いた白身魚はパサパサしますが、煮つけにするば水分が保てます。ダシで煮込んだのちに、水で溶いた片栗粉を入れとろみをつけます。その後、グリルで焼き色をつけることで、焼魚の香りも味わえるのです。

おせんべいは、亀田製菓の高齢者用おせんべい、フードケアのやわらかおかき、ハッピーターンなど、飲み込みがづらい人用のものがあります。また、薄焼きせんべいなどは、口の中で簡単にとけて、唾液を混ざりやすいために容易に食べれる方も多いそうです。

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硬くて噛み切れない

義母は、キュウリやナスの皮をむいて食べていました。多分、口の周りの筋力が衰えが原因です。義母にお漬物を出す時、義姉はいつも薄く小さく切っていました。『野菜の皮と歯ごたえがある漬物は、関係あり?』と、その光景を見ながら思ったものです。

たくあんなら、厚さ8ミリに切り、格子状に切り目を入れます。きゅうりは細かい切り目を入れ(蛇腹切り)、幅1センチに切ります。通常言われている、薄切りやみじん切りよりこちらの方が、さらに食べやすくなります。

唐揚げの衣は、カリっとした歯触りを楽しめますが、高齢者にとって歯が折れる恐怖があるようです。衣の中に、マヨネーズを入れると、しっとりとした柔らかい食感が得られます。

さらにフライの衣が硬い場合は、ソースをかける、タルタルソースの卵を半熟にするなどにして、衣に水分をたっぷり含ませるようにするとしっとりして食べやすくなります。

その他硬い食材である肉や魚、たこ、いか、貝類などは、ミキサーや、食材に応じてよく火を通す、つぶす、するなどで対応していきます。

粘性の強いもの

お正月のニュースに、高齢者がお餅をのどに詰まらせる事故をよく耳にします。お餅の粘性は強く、歯で細かく噛み切れないためです。

朝日新聞に栄養士が考えた「柔らか餅」が、紹介されていました。お餅と似ていながら、食感や柔らかく飲み込み安い食品で、次に作り方を説明します。

ジャガイモを柔らかくゆでてつぶします。ジャガイモと同じ量の白玉粉を入れ、水を少しづつ加えながら硬さを調節していきます。耳たぶぐらいの硬さです。1人分なら、各々約20gづつの分量です。
厚さ約6~7ミリにのばし、3~4センチ角に切ります。熱湯でゆでて出来上がりです。

雑煮やおしるこに使っても良し、大根おろしで食べても良し、フライパンで焼いて醤油をつけ焼きのりでまき磯部焼風にできます。

嚥下食のレシピを数多く紹介しているサイト

最後に、嚥下食のレシピを数多く紹介しているサイトを紹介します。

むせやすい食べ物

飲み込みには問題ないけれど、むせやすい食べ物もあります。食べ物が飲み込みにくい人は、むせやすい食べ物には、注意しなければなりません。

例えば、粉がでるカリカリのトースト、きなこなど粉っぽい食品、ホクホクした固ゆでの卵や芋、酸味の強いレモン汁や酢を使った総菜などは、気管に入ってむせる危険があります。汁気の中に固形物があるみそ汁や甘酒、飲み込む意識を持つ前にのどにはいてしまう藻くずなども注意が必要です。

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