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誤嚥性肺炎の予防を行う

高齢者の死因のトップがガンから肺炎に

高齢者の死因の一位がガンから、肺炎に変わりました。誤嚥性肺炎といって、飲み込みが上手くできずに食べ物が誤って気管に入り込んだり、口の中の細菌が肺に流れ込んだりして生じる肺炎です。歯磨きする高齢者

誤嚥性肺炎は日常生活で予防する

特に、脳血管障害(脳梗塞、脳内出血)や、パーキンソン症候群、アルツハイマー型認知症の方は、嚥下障害(食べ物を飲み込むための機能が衰えて正常に働かない)を起こしやすいとされています。誤嚥性肺炎は日常生活で予防も行えば、医療機関で肺炎の予防接種と共に、もっと強固な対策にできます。

食べ物に小さくとろみをつける

食べる時にむせやすくなった、薬を飲み込むのに時間がかかるなどを見つけると、直ぐに”誤嚥しては大変”と不安になりますね。といってやみくもに、食べ物を小さく切り過ぎたり、とろみをつけてしまうと、逆に咀嚼機能の低下につながってしまいます。咀嚼しない(ものを良く噛まない)ければ、脳へに伝わる刺激も少なくなり、認知機能の低下です。

直ぐに食べ物で対応せずに、嚥下体操や食べる時の姿勢などを工夫して、改善を試みます。それでも上手くいかなかったら、やわらか食や、細かく刻んでとろみをつける段階に入ります。

食べる姿勢をチェックする

食べ物を飲み込む際は、全身の反射神経を使っています。背筋を伸ばし、足の指が地面にしっかりと密着していることが大切です。椅子に座った際、のけぞるような姿勢だと、踏ん張りが利きません。椅子が高すぎて足が宙に浮いていても、ダメです。やや前かがみの状態で、足のかかとからつま先まで地面について、つま先は膝よりでない姿勢が良いとされています。

足の筋肉が弱くなると、椅子に座る際に中腰で椅子を引き寄せることができなくなります。自分でやろうとして転倒しそうになったら、テーブルの前に立たせて、椅子をお尻の下まで持ってきてあげてください。テーブルと真正面に座るのは、言うまでもありません。

車いすの方で巻き爪の方は、誤嚥しているケースが多いそうです。巻き爪は、足の指が床についていないことから起きるので、姿勢の確認を再度チェックする必要があります。

実は寝ている時に、気管支から細菌が入る事が多い

横になると、胃から喉へ食べ物が流れやすくなります。食事の後は、一定時間(2時間)は横にならずに座ってもらい、胃液の逆流を防ぎます。

また口の中の細菌も、横になることで気管支へ流れやすくなるのです。寝る前は、歯ブラシか、嫌がるようならうがいをすすめてみます。

口の中に細菌を残さない

歯周病や食べカスが口の中の雑菌を増やしますので、口腔ケアを促します。歯磨きを嫌がる場合は、特に下記のような対策をします。

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  • 総入れ歯の方は、入れ歯安定剤を使用して食べカスが口に残らないようにする
  • 入れ歯洗浄剤や入れ歯洗浄器を使用して、雑菌を減らす
  • 歯磨きが困難な方は、液体歯磨きを使用して口の中をすすぐ
  • 歯磨きの時に、歯ぐきのマッサージも同時に行う
口の体操を行う

食べ物が食道を通って胃へ行かずに、気管支をとおって肺の方に行ってしまうのは、口から喉までの筋肉が衰えているためです。

普通は噛んで舌で適当な量を喉に送り込むと、食道へ流れます。肺のある気管支へ、流れることはありません。食道か気管支かに振り分ける弁は、正しい咀嚼(食べ物を噛むこと)正しい飲み込みで、タイミングを取っています。食事中であっても、呼吸の息は気管支、食べ物は食道と自然に振り分けられます。

食べる際に使用する筋力を鍛えるために、口の体操を行い続けていきます。口の体操は色々あり、一般に次のようなものです。

  • 首を前後左右に振ったり、回したりする
  • 舌で左右片方ずつ数秒間、口角に当てる
  • 舌で上下の唇をなめる
  • 口を開けて舌を前方に突き出し、ひっこめる
  • 舌で頬をおし、飴玉をなめているようにする
パタカ体操

施設の食事前に、パタカ体操を行うところがあります。『パ』は唇を締めて、食べこぼさない力を鍛える。『タ』は舌で食べ物を押しつぶし、喉に送る力を鍛える。 『カ』は食べ物を食道に送る、喉の奥の力を鍛える。

東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長で、歯科医師である平野 浩彦(ひらの ひろひこ)先生によれば、パタカを5秒間に30回発音することを、毎日繰り返すと滑舌が良くなるそうです。発音するごとに、紙にペンで点を打っていくと、何回発音したか数えやすくなります。

『パ』の破裂音は、しっかりと唇を閉じて発音しますが、食べ物が口腔内にある時の唇の閉じる筋力に通じます。『タ』は舌が上顎をたたいて発音しますが、食べ物を飲み込む際舌は上あごに密着させる筋力と通じています。『カ』は大きく口を開き、喉の奥は閉めて発音しますが、食べ物が喉から食道に送る込む際の筋力に通じています。

うがいをする

上述の平野先生は、『うがい』もすすめています。

水を口に含んで上を向き、15秒ほどガラガラして吐き出します。これは、喉の機能低下を防ぎます。上を向いているために、口の中の水が気道に落ちないようにしていますし、鼻に水が回らないように、一定量の空気を吐き出し続ける必要があります。口の周りの筋肉を、無意識のうちに鍛えているのです。

また、水を口に含み、頬全体をふくらませで、3回ほどブクブクして吐き出します。こちらも、唇や頬の筋肉を鍛えています。ブクブクをしている水が、気道に入らないように喉の蓋を締めながら、口からも水がこぼれないようにしています。口の周りの筋肉は、相当な運動をしているのです。

最後に

高齢者は昼間横になることが多く、寝ている間に口の中の細菌や、胃の中の食べ物が、気管に入り込み肺炎を起こしやすいと聞きました。なにげない日常動作を加えていくことで予防を行ってください。

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