自覚症状がないうちから発見できればいいね
高齢者の病気と思われていた認知症も、65歳以下でも発症します。若年性認知症は、ビジネスマンの不安の一つとなり、職を失うリスクです。経済的な不安もさることながら、悪化すれば介護をする家族への負担も相当なものです。
認知症の不安は、周囲にかかる迷惑が明らかになるにつけ、さらに増え続けています。
アルツハイマー発症前に血液検査で判定できる
ガンや糖尿病と同じに、毎年行う定期健診で危険度が分かれば、自分が認知症になるのではないかという不安を解消できます。認知症は、ガンや糖尿病と同じ生活習慣を正すことで、発症を遅らせられるからです。
本日の読売新聞で、アルツハイマーを血液検査で判別できる検査法が発表されました。アルツハイマーは、脳内にアミロイドβタンパク質が蓄積することから始まります。20年以上も長い年月の間に徐々に溜まっていきますが、自覚症状がありません。蓄積を調べるための方法は、簡単ではありませんでした。
国立長寿医療研究センターと島津製作所の研究チームは、脳内でアミロイドベータタンパク質が増えると変動する血液の関連物質の比率から、アルツハイマーの判定を可能にします。この研究論文は、1月31日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に掲載されました。
この研究は、以下のような問題を解決すると考えます。
アルツハイマーの診断には費用と時間がかかった
認知症全てがそうなのですが、アルツハイマーも病名をはっきりさせるまで、複数の検査を続けなくてはなりません。一般に知られている物忘れと認知症の違いなどの、日常のチェック項目だけで、断定できるものではありません。
一般の病院では問診や、画像によるCTスキャン、MRI(核磁気共鳴画像法)などで、判断します。
しかし、CTやMRIで脳の委縮が確認できたとしても、即、アルツハイマーであるというわけでもありません。脳の委縮があっても認知機能が正常な方もいますし、逆に萎縮が判断できなくてもアルツハイマーの方はいるそうです。
アルツハイマーであるか否かの正確な判断は、脳内にアミロイドβタンパク質の蓄積です。PET(陽電子放出断層撮影法)か脳髄液検査を行えば確実です。いずれも診察や治療を受けられる医療機関は限られていて、健康保険の適用に該当しないこともあり費用が高額なのです。
簡単な検査法は、認知症ではないかの不安を解消する
いざ、自分が物忘れとは感覚的に違うおかしな現象が続いたとしても、病院に直ぐ行く人はいません。不安だし怖いです。しかも、これだけ認知症がメディアで報道され続けても、自宅から通える距離で、診断を下せる病院少ないのです。
馴染みのない病院へ行くのは敷居が高いし、例え内科などと一緒になっていて通っていたとしても、口火を切るのは相当な勇気がいります。私は母と一緒に、毎月心療内科へ診察に行きますが、認知症の話をしているのを耳にしたことはありません。いや、私が口にするので、私ぐらいです。
また、家族が認知症ではないかと、不安になった際でもそうです。認知症かもしれないから検査に行こうと誘っても、大概は受診拒否されて病院へ連れて行くのも一苦労です。
血液を採取するだけなら、こうした苦労を軽減できます。会社の定期健診や高齢者の定期検診に、早く取り入れる日がきてくれればと願います。
認知症治療の最大の難問は、最初の受診なのです。
早期発見は認知症の進行を抑えられる
アルツハイマー自体を完治させることはできないけど、進行を遅らせる薬の開発は進んでいます。また、生活習慣や進行を遅らせるリハビリも明らかになっています。コグニサイズは、頭を使いながら運動する方法ですが、効果ありの声が聞かれるようになりました。
早期発見して、早期治療やケアを続けることで、仕事を続けている方も現実にいます。
認知症の不安は、早く行動を起こし検査を行うこと、専門医に相談して治療を受けること、介護機関を利用することを行って対応していくしかありません。全ては、早く見つけることからです。
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