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高血圧患者の認知症予防は、中年期と老年期で異なる

高血圧でも低血圧でも認知症は起きる

認知症の危険因子は、糖尿病、高血圧、肥満、運動不足などの後天的なものも含まれると明らかになりました。そのためでしょうか?生活習慣などの改善方法などの情報が、書籍、雑誌、TVなどで頻繁に目にしています。

誰も認知症にはなりたくない、ゆえに、高血圧などの危険因子を早急に排除したいと考えるのが普通です。特に、高血圧に神経質になり、高血圧であれば薬の服薬を行うのが常識ですね。高血圧について調べる

不確実な情報に振り回されたくない

しかし、そんな気持ちを逆なでするかのように、降圧剤で血圧を下げることは逆に認知症を進行させると、意を唱える医師もおります。私も書籍で読みましたが、降圧剤で脳内の血流が減るためだそうです。かなり昔から言われているものの、真実味が増してきている今日です。

やがて日本高血圧学会で提示していた基準値は、130/85mmHg未満でしたが、2014年に改定した高血圧治療ガイドラインで変更されました。自覚症状がないうちから降圧剤を飲むことは、過度な高血圧治療だとする声を反映しているのでしょうか?現在の基準値は、140/90mmHg未満。

高血圧の方の方が健康である人が多いし長生きをしている、降圧剤を飲んで治療しても脳梗塞などの血管障害は、避けられないと言った意見がメディアにさらされています。

どうでしょう。『降圧剤を悪』という情報は、降圧剤を飲んで治療を行っている人や、服薬判断のない高齢者の介護者を惑わすだけです。医療知識の薄い一般人に向けての情報を、警告としてありがたいと考えるべきでしょうか?

もう少し医療現場で検証やデータを集めて検討した後に、医療関係者の統一見解として、情報提供をするべきではないのかと戸惑うばかりです。

話は少しそれますが、がん放置理論を唱える近藤誠医師の書籍を読んだ患者が、早期に発見できたがんを進行がんにまで放置しました。結果、他の病院へも相談に行きましたが、亡くなられたそうです。

降圧剤が悪という説についても、しかり。継続し続けなければならない高血圧治療に不安を感じて、服薬を飲んだり飲まなかったりしてしまう方もいるはずです。きっと、そうした方は、悪化させていることでしょう。

中年期と老年期の血圧管理は違う

そんなことを考えていたおり、回答となりそうな話を聞きました。中年期と老年期の血圧管理を、変えるべしというものです。

高血圧を恐れるのは、動脈硬化や脳卒中など血管障害になる危険性があるからです。高血圧で動脈硬化に進行し、血栓をつくり、はがれ落ちた血栓が心筋梗塞や脳梗塞などを招きます。

脳梗塞に至らなくても、小さな血栓が脳内の血管に入り込めば、空気や栄養が運び込まれるのを邪魔するために血管にダメージを与えてしまいます。高血圧は、突然意識を失ってバタンと倒れる脳卒中だけが恐怖でなく、自覚症状がないままに脳血管障害を起こしている危険性もあります。

しかも、高血圧の放置は、脳内でアミロイドβの産生を促進することが分かってきました。アミロイドβは、神経細胞だけではなく血管障害に関わり、血管収縮や脳血流の自動調節能の低下も進めることが分かってきたそうです。

中年期に高血圧や脂質異常症、糖尿病になった方は、老年期にこれらの病気を発症した人と比べて、認知症になる方が多いそうです。中年期の高血圧治療は外せません。

老年期は、立ち上がった瞬間に脳に血流が届かない起立性低血圧や、食後に消化器官にとられた血液が脳に行かない食後血圧降下など、低血圧の症状が起きます。脳内の血流が減ることは、認知症につながるために、高血圧の基準値をゆるめて管理しなければなりません。75歳以上なら、血圧の基準は150/90mmg未満です。血圧を測る

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高齢者が気をつけるべきことは極端な血圧変動を回避

降圧剤の件は難しくて判断しかねるのですが、現時点で高齢者が気をつけるべきことは、極端な血圧変動を起こさせないことです。

血圧は、1日のうちでも変動しますし、食事や入浴、運動、ストレスや驚きなどの感情でも変化します。特に高齢者は、変動幅が大きいと聞いたことがあります。しかも、高齢者の血管は硬くてもろいために、血圧の変化は血管障害に直結してしまいます。

起立性低血圧

起立性低血圧は、急に立ち上がると足に溜まっていた血液が上部に届かず、急に血圧が下がります。脳内の血流も低下するために、めまいなどを起こします。

進行した動脈硬化をもつ高齢者であれば、起立性低血圧が起きると、脳梗塞、一過性虚血性発作、狭心症、心筋梗塞、不整脈などを誘発することがあるそうです。また、降圧剤を飲んでいれば、起立性低血圧を起こしやすくなるとも言われています。

予防は、寝ていて起き上がる時や立ち上がる際は、ゆっくりと行います。

食後血圧降下

食事をすると消化・吸収のために、大量の血液が内臓へ集まります。全身をめぐる血量が減るために、低血圧になります。健康な人であれば、心拍数を上げたり、血管を収縮させて血圧を維持させることが可能です。しかし、高齢者はこうしたコントロールが働きにくくなるのです。

食後血圧降下も起立性低血圧と同じ、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になると言われています。食後30~90分の間は、低血圧を起こしやすい時間です。めまいやふらつきがある場合は、注意が必要です。

食後低血圧は、自立神経機能が低下した方、高血圧や糖尿病をともなう神経障害、パーキンソン病などの病気がある方に起こりやすいとされています。また、降圧剤を服用している方も、同じです。

食事後に血圧計で測定し食後血圧降下だと判断したら、次のような予防をします。

  • 食べ過ぎない
  • ゆっくり食べる
  • カフェインをとる
  • 食後はしっかり休息をとる

冬の入浴

冬は何かと血管に負担がかかる季節です。『寒いと血圧は上がる冬の季節は、温度差に気をつけて生活を!』にも書きましたが、朝の目覚め時、トイレで力んだ際、入浴時は血圧の変動が大きくなります。

布団と外気との温度差が大きい場合は、エアコンなどで部屋を暖めてから布団からゆっくり起き上がります。

トイレで力まないように、便秘の管理は日常から行います。

入浴時は、脱衣所をあらかじめストーブなどで温めておく、高齢者を1番湯に入れずに湯気で温まった2番湯以降に入るなど工夫をします。

血圧サージ

NHKのガッテンでも放送されていましたが、健康診断では正常であるのに、血圧が大波のように一時的に上がる瞬間があります。血圧があがる現象が、複数に重なった瞬間です。血圧サージと呼ばれていて、脳卒中など恐ろしい病気ともつながります。

朝、目覚め時は、体を活動させやすくするために血圧がゆっくり上がりますが、この時に血圧が上がる現象がいくつも重なれば、血圧サージとなります。

ガッテンでは、血圧が上がる現象として、平日の朝に「ギリギリまで寝て、食事をかきこんで走って駅まで行き、満員電車でストレスを感じる」とありました。

日常生活で血圧を抑える方法は、次の通りです。

  • ウエストを締め付ける衣類を身につけない。
  • 冷えた床に素足で歩かない
  • 深呼吸をする

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