スポンサードリンク

介護保険の住宅改修の補助は要支援から

転倒予防の手すりは、早目につけると安心

意外と知られていないのは、住宅改修費の補助です。

義母も叔母も、足が痛みや腰の痛みが強く、這うようにして歩いていると話していました。二人に同じように『介護保険を申請したらいかがですか?』と恐る恐る問いかけると、二人とも、がっかりした様子で要支援1なのよと答えます。

要支援の介護サービスは、お掃除に週1回~3回ヘルパーさんが来てくれるぐらいだというのです。いえいえ、要支援だったとしても介護保険には、高齢者の生活を助けてくれるメニューが揃っています。次章にまとめてみます。 日本家屋のてすり

住宅改修補助は介護度を問わず利用できる

介護度の状態区分を問わず介護認定が出れば(なしだと駄目です)、1回20万円までの住宅改修補助を受けられます。このサービスは、同じ住所に住むのであれば一人20万の枠です。一回20万に達しなければ、通算20万になるまで利用可のです。引越しをして別の住所になれば、新たに20万円の枠がもらえます。

住宅改修をする前に、市区町村に届け出を出し了承されなくてはなりません。既に改修工事を始めていたり、工事終了後に申請しても許可はおりません。許可が下りると工事費用の20万円までが介護保険の対象となり、1~3割の費用で改修が行えます。

住宅改修の具体例

高齢者の転倒は、屋外より室内の方が多いそうです。転倒が介護度の引き下げにつながることもあり、住宅改修は大切です。

住宅改修の場所は、高齢者がかつて転倒した場所やヒヤッとした場所、困っている場所から、優先順位をつけてどこにするか決めます。具体的な改修事例は次のような場所です。

玄関と廊下

玄関の上がり框(あがりかまち)の段差や、靴を履いたり脱いだりすると際のふらつき、雨でぬれた床材が滑りやすいなど、高齢者にとっては転倒のリスクの高い場所です。

  • 玄関の手すりを取り付け
  • 廊下の床材の変更
  • 廊下に手すりを取り付け
  • 玄関土間の床材の変更
外部

玄関のドアの前の段差の昇り降りは、高齢者にとっては恐怖の場所です。車いすを利用するなら、引き戸のドアは便利です。一人なら自分で開閉できますので、外出も苦にならず自立度が上がります。介護者がいても、車いすを押しながら開閉が可能です。

  • 外壁に手すりの取り付け
  • 玄関ドアを引き戸に取り換え
  • 外部通路に手すり取り付け
  • コンクリートスロープの設置
  • 外部通路の段差解消、通路面の舗装材の変更
階段

居室やリビングが2階だと、否応がなく階段を使わざるを得なくなります。日本の家屋は、狭いのが普通なので階段で苦労している高齢者は多いはずです。階段での転倒は特に大事故になりますので、優先度は高ですよね。

  • 手すりの取り付け
  • 滑り止めのための表面加工
浴室

リラックス効果の高い浴室での時間を、転倒の恐怖でビクビク・ハラハラなんてあってはいけません。常時濡れている床は、滑りやすいものです。

また、洗い場で転倒した際にドアを開けようとしたら、転倒した高齢者の身体でドアが開けられないといったこともあります。介護者の出入りを楽にするにも、浴室のドアは引き戸が望ましいのです。

スポンサードリンク
  • 引き戸に取り換え
  • 手すりの取り付け
  • 浴槽の取り換え
  • 滑りにくい床材に取り換え
トイレ

和式はしゃがんだり立ち上がりがきつい、洋式でも便座が低すぎて立ち上がりがきついのなら、毎日使うものだけに是が非でも改修したいものです。また、容態が悪化した時のために、洗浄機能付き便座も必要ですね。

  • 和式から洋式便器の取り換え
  • 立ち上がりしやすい高さの便器に取り換え
  • 立ち上がりしやすい便器の向きに変更
  • 立ち上がりを介助する手すり
  • 暖房機能と洗浄機能付きの便器に変更
  • 滑りにくい床材に変更(タイルなどの場合)
寝室

歩行が可能であっても、深夜のトイレに行く時や、容態が悪い時の歩行はふらつきがちです。寝室での転倒しにくい配慮は、大切です。

  • 出入り口を引き戸に取り換え
  • 滑りにくい床材に取り換え
  • 壁面に手すりを取り付け

福祉用具のレンタルや購入も要検討

住宅改修の補助とは別枠で、工事の伴わない手すりのレンタルも補助がでます。手すりに以外にも福祉用具のレンタルや購入は可能です。要介護の状態区分ごとに限度額が決められていて、要支援でもレンタル可能な福祉用具は用意されています。

介護保険対象となっている福祉用具は、月額でのレンタルで、通常の費用の1~3割が自己負担です。また、レンタルができない入浴時のいすや手すり、ポータルトイレなども、1~3割の自己負担で購入できます。

介護保険でレンタルするメリットは、割安というだけでなく、使い勝手が悪かったら、別の用具と交換ができることです。定期的に専門の相談員が自宅を訪問し、福祉用具のメンテナンスを行いアドバイスもしてもらえます。自己購入の場合、返品保証はあるとはいえ、使い勝手が悪くてもせっかく買ったのだからと我慢しがちです。介護保険でレンタルすれば、自分に合った用具を正しく使えます。

万が一転倒すれば、骨折、寝たきり、認知症に繋がるケースもあります。今以上の容態を悪くしない、安全を買うと考えます。

福祉用具のレンタルや購入は、お住まいの地域包括センターに相談します。

介護度別のレンタル例

介護別にレンタル可能な福祉用具が、決められています。

下記にある、取り付け工事の伴わない手すりとは、床と天井をツッパリ棒のようなもので固定させるタイプや、重量のある大きな鉄板で床に固定させるタイプなどがあります。

要支援1と2、要介護1で借りられるもの
  • 手すり(取り付け工事の伴わないもの)
  • スロープ(設置工事を伴わないもの)
  • 歩行器
  • 歩行補助杖
要介護2以上から借りられるもの
  • 車いす
  • 車いす付属品(電動補助装置、クッション、テーブルなど)
  • 特殊寝台(介護ベッド)
  • 特殊寝台付属品(サイドレール、マットレス、ベッド用手すりなど)
  • 床ずれ防止用具(エアマット、ウォータースライダーマットなど)
  • 体位変換器
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト(住宅改修を伴うものは除く)
要介護4以上から借りられるもの
  • 自動排せつ処理装置(尿や便を自動吸引する装置、但し、尿のみを吸引するものは要介護2以上で利用可)

スポンサードリンク