特別養護老人ホーム入所条件の見直しで、私が気がついたこと

特養の入居は、要介護度で優先順位決まる問題点

『要介護1~5でなおかつ、65歳以上』の高齢者の入所を、受け付けている『特別養護老人ホーム』の入所条件が見直されました。『要介護1と要介護2』の方が、入所可能な条件から外れます。

厚生労働省は、2015年4月から執行する意向を示しています。(※特別養護老人ホームは、以下特養と記載。)ピンクのガーベラ

待機者42万人を改めて調べてみると

この見直しは、現在団塊の世代が高齢者になった時の、施設不足と国や自治体が負担する介護費用の増加を抑えるためでしょう。現時点で特養の待機者は、42万人と言われています。

実際、2011年度特養の新規入居者を調べてみると、要介護1と要介護2の方の入所者は全体の12%で約1割です。

2011年度 特養新規入所者数。

  • 要介護1 04万人
  • 要介護2 1.2万人
  • 要介護3 3.6万人
  • 要介護4 5.1万人
  • 要介護5 3.5万人
1世帯が複数の施設に入居希望を出している

この待機者42万人という数値も、一人の高齢者が複数施設に、重複して入居希望を申請している数も含まれています。また、今は自宅で生活できているが、将来に対する不安を感じているので、とりあえず申し込んでいる方もいます。

緊急性のない方も希望を出している

実際には、申込先の特養から入居可能の連絡が来ても、入らない可能性が高いと答えている人も少なくありません。具体的な数値は、平成 22年度に調査した「 特別養護老人ホームにおける入所申込の実態に関する調査研究」を見てもらうと分かりますが、真に入所が必要な人は、入所申込者の全体の1割強という結果が出ています。

上記の結果を1割として計算すると、42万人の待機者のうち、直ぐに入所が必要な方は4.2万人です。そのうち、仮にその1割の方を要介護1・2とすると、4千人ということになります。

全国で4千人というとそれほど多い数とは言えませんが、要介護度が低い方は入所者から外すことを明確にすることで、とりあえず入所申込申請を行っている方を排除することができるでしょう。待機者の正確な人数を知ることができます。そんなことから、私は、まんざらこの方針に反対ではありません。ピンクのガーベラ

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認知症患者に対する懸念する声がある

ただ、この入所条件が出された段階で、全国老人福祉施設協議会の桝田和平経営委員長は、「認知症のため在宅では生活できない軽度の要介護者は少なくない。やむを得ない人には入所を認めるべきだ」と指摘しています。社団法人「認知症の人と家族の会」の勝田登志子副代表理事も、「現在も入所基準があり、重度者が優先されている。要介護3以上に限れば、被保険者の選択の幅を狭め、国民の不安を拡大する」と述べたというのです。

運動機能の低下していない認知症高齢者の場合、要介護度が低くでると言われていましたが、介護認定の介護度ランクの決め方の見直しも必要なのではと思います。

横浜市の入所基準を見てみると

また、特養の入所条件は、市町村毎、施設毎にも基準があり、入所条件の現状を、横浜で見てみます。

入所するための判断は、基準項目ごとに点数で重み付けを行い、合計点の高い順に優先順位を決定しています。花

① 要介護度
  • 要介護度5 40点
  • 要介護度4 35点
  • 要介護度3 30点
  • 要介護度2 20点
  • 要介護度1 5点
② 入所希望者本人の状況
  • 独居 15点
  • 高齢者(65歳以上)のみの世帯 10点
③ 主たる介護者である家族の状況
  • 主たる介護者である家族がいない(音信不通も含む) 15点
  • 主たる介護者である家族が入院・入所・県外でいない 10点
  • 主たる介護者が、要介護、要支援、高齢、療養、障害、就労、育児、他介護のために介護ができない 8点
  • 主たる介護者である介護者が、上記以外の理由で介護が困難である 5点
④ 横浜市内居住者 入所希望者の住所が横浜市内に移住している 10点
⑤ その他の特記事項

下記の場合、その状況に応じて点数を加算できるが、1項目3~5点の加点で最高20点です。

  • 在宅サービスの利用状況
  • 在宅生活が困難と見られる認知症の周辺症状がある場合
  • 膀胱留置カテーテル、経管栄養、酸素療法等の医学的処置が必要な場合
  • 住居環境が介護に適さない場合
  • 介護老人保健施設や病院などに入院にしており、退院後も在宅生活が困難と認められる場合

上記に記載したとおり、最も重要視されるのは、要介護度です。認知症のBPSD(周辺症状)に該当する項目は、その他特記事項に入り、最高でも5点しか加点されません。

認知症に対する理解や、介護者の負担等を、もっと多くの人に周知していく必要があると考えされられるニュースです。(※各自治体によって、基準は異なります。)

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