増える介護離職者の解決のめどは薄い!ならば、自らの努力で。

介護者の介護離職者と就業者との差は何か?

【2017年11月9日加筆】何故介護離職になってしまうのでしょうか?あっちこっちで、原因を探す調査が行われています。

三菱UFJリサーチ&コンサルチィングの調査による『平成24年度 仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書』の35ページ には、担っている手助・介護の内容が書かれています。介護している方が就業者である場合と、離職者である場合とが、別々に集計されています。調査項目は多岐に渡りボリュームも大きいのですが、こちらの回答で容易に傾向を見ることができます。サラリーマンの後ろ姿

離職者は高いのに、就業者は低い項目に着目

この調査で離職者、就業者ともに高い項目は、『ちょっとした買い物やゴミ出し』、『入退院の手続き』。『通院の送迎や外出の手助け』、『救急搬送や緊急入院などの緊急時の対応』などですが、食い違っているものがあります。

排泄や入浴などの身体介護は、離職者が30.9%であるのに対し、就業者は6.8%。食事の支度や掃除、洗濯などの家事は、離職者が57.9%であるのに対し、就業者は24.3%。定期的な声掛け(見守り)は、離職者が57.9%であるのに対し、就業者は35.6%となっています。

先にあげた3つのうち、家事以外は常時介護体制が必要な状況にあることがうかがえます。なるほど、離職しなければならない理由は明確です。

外部のサービスは就業環境を考慮してはいない

介護を良く知る方の多くは、『外部サービスを上手に利用すべ』と言います。しかし、NHK『どうする介護離職~職場を襲う“大介護時代”~』の放送によれば、介護離職者の問題は年々増加しています。介護サービスの認知度は上がっているはずなのにです。

出演者の国谷裕子さんも解説していましたが、現在介護保険で使用できるサービスは、自宅に介護者がいることを前提で作られています。

現在の介護サービスは介護者がいることが前提

そうなのです。誰か一人が専属で、介護担当をしていなければ、介護サービスも円滑に受けることは難しくなります。8時に出社する方のために、8時前にお迎えに来てくれるディサービスはありませんし、訪問介護とて早期対応、24時間対応をしてくれるところもそう多くはありません。運よく、周囲の方の援助で、それらのサービスを利用できたとしても、サービス利用の手続きは必要です。

毎月の通院などには、やはり付き添っていかないと、病院側に迷惑をかける心配があります。

薬の置き場所を忘れて、病院に訪れる高齢者

先日、母に付き添って訪れた病院で、薬の起き場所を忘れてしまったと思われる高齢者が、薬を貰いに来ていました。『この前薬を渡したばかりで、期間を開けずに薬を出すことができない』と、看護師に説得されても納得できずに、押し問答をしていたのを見ました。きっと、初期の認知症状が現れているのでしょう。

薬置き場をしっかりと管理する、家族がいれば何の問題もありませんが、そんな些細な事で困った状態に陥ってしまうのです。薬でなくても事務手続きなどでも、コミュニケーションがとれずに、病院の受付で押し問答をおこなっている方も良く見ます。

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月1回が重なれば介護者は負担

月1回の病院も、診療科目が2つ3つあれば、月2回3回と休暇をとらなくてはなりません。他に、特別な検査が発生したり、急に容態が急変すれば、また新たに病院に行くために日を調整しなくてはなりません。

ケアマネージャの定期訪問は月1回と決められているらしいのですが、訪問時間は平日の昼間となります。平日の昼間は、誰もが勤務時間で忙しいけど、その為に会社を休んだり、自営なら仕事を止めて対応せざるを得ない状況となっています。

介護システムが手厚くなるのは感謝しますが、その手続きに時間と手間が増えてしまいます。福祉用具をレンタルすれば、長い事業者の説明を聞き、1つのレンタルに最低3箇所は印鑑を押さなくてはなりません。

社会は限界が来ている

ずっと以前、介護離職の問題を自宅勤務で補えないのかと書きましたが、良く考えてみると事務職以外の人、サービス業等の人は無理です。介護離職を改善する方法は、職種毎に異なってきます。

介護離職に陥る問題の奥には、"低所得者層の特別養護老人ホームの入居が困難"、"日本の長時間労働体制が普通であること"、"核家族化"など、様々な問題が絡み合っています。何か一つを改善すれば、解決すると言う問題ではありません。

親の介護が必要になった時、あらゆる情報を入手

NPO法人『自立支援センター ふるさとの会』では、低所得者の安否確認やサービス支援等を行う、民間のアパートに入居できるように支援をしています。しかし、こうした支援付き住宅はまだ少ないのが現状です。生活支援もそう多くはありません。

親の介護が必要になった時、あらゆる手を尽くして介護サービスで適用できないか検討してください。ケアマネジャーの知恵を借り、高齢者のいるご近所の方も知恵を貸してくれるかもしれません。自らの足で出かけて、『実は、困ったことに・・・』と相談するべきです。

【2017年11月9日加筆】日本経済新聞に、仕事と遠距離介護の両立に役立つ、主な情報サイトや相談窓口を紹介していました。介護離職にも通じるので引用します。

WAM NET(ワムネット)

都道府県別に主な介護事業者や福祉施設、医療機関などを検索できる。

NPO法人「海を越えるケアの手(シーケア)」

海外駐在員の日本の家族や、国内で離れて暮らす老親の介護を支援。法人・個人会員性。

NPO「パオッコ 離れて暮らす親のケアを考える会」

遠距離介護を乗り切る心得や、ケアマネージャーとの付き合い方がわかる

全国の地域包括支援センターの一覧

厚生省のサイト内から都道府県のページにつながるので、親が暮らす地域包括支援センターを検索できる。

介護離職を前向きにとらえるには?

どうしても離職を選ぶしかないなら、前向きに考えましょう。寿命は年々延びて定年を迎えても、それ以降の人生ははるか先となりました。

定年前に会社を離れた人は、そうでない人より早く第二の人生を探す機会を得ることができたとも考えられます。第二の人生を豊かにするための準備期間であると思えば、少し前向きになるでしょうか?やっぱり、難しいですよね。

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