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一人っ子、両親とも要介護3で独身で介護する男性に出会った

一人っ子の救済は必要だと思う

リハビリ病院転院後、2日~3日たった頃、一人で両親を介護する男性に会いました。働き盛りの男性が、介護していることへの衝撃が大きかったのですが、現在【2018年1月17日】では、男性介護者が増え続けている状況です。当記事最後に、男性介護者の現状を記述しておきます。 男性が高齢者をお見舞い

リハビリ病院の情報を、ちょこっと書くと

救急病院で回復期のリハビリを希望し、リハビリ病院の選定と入院の許可がでるまで、1週間以上待ちました。きっとリハビリ病院は混雑していて、病室もギュウギュウ詰めなのかと考えていましたら、2人部屋に入り、母1人で過ごしていました。

リハビリ病院は、生命に直結している緊迫感がありませんし、入居しなければならないと定められているわけではありません。日常生活を支障なく送るために、患者や家族の意思によって入るところです。

そんな背景があるからでしょうか?患者の受け入れ基準や期間は、各々の病院によって異なります。病院とは思えないほど、高額な差額ベッド代が必要になるところもあります。リハビリ病院を探すために苦労される方も多く、中には、県をまたがって入院をさせた方もいます。

入居すると、最初はトイレに近くスタッフの目が届きやすい部屋になります。次第に、歩行などで危険性が少なくなると、トイレから遠い部屋に移っていきます。

私がお見舞いに行き母と話をしている時、ベッドが運ばれます。

一人、男泣きする男性にあぜん

ベッドには女性が寝ていて看護師が声をかけますが、声はほとんど聞こえません。やがて、息子さんと思われる男性がお見舞いにやってきました。ベッドに横たわる女性に、彼女の夫が昨夜無くなったことを、涙ながらに告げていました。

ベッドの女性は、相変わらず声がしません。しばらくしても、泣きやまない息子さんを見かねて、家の母が声をかけました。

私はそっとしておいた方がいいと言ったのですが、母の年の功、声をかけた方が良いと言い張ります。しばらく話をしたら、息子さんは落ち着きました。後で、『ああいう場合は、聞いてあげないのと駄目なのよ。』と私に言うのです。この時ばかりは正気に戻り、ふと、母が認知症なんて私の勘違いなのかしらと思ったものです。

要介護になると夫の葬式にも出られない

息子さんの話に、衝撃を受けました。息子さんは一人っ子です。会社員をしながら、要介護3の両親を介護しているというのです。二人ともほぼ寝たきりの状態で、部屋にベッドを二つ並べて、交互に介護します。

彼のお母様は、片目はほとんど見えず、見える方の目も視界が横の方の数ミリ程度です。昨晩お母様が、誤ってベッドから落ちて入院した日に、お父様が亡くなったということでした。

お母様は、大柄な方で60Kg以上の体重があるために、男性であっても、ベッドから下ろすのも大変だと言われていました。

『大変でしたでしょう?』と、他の気の利いた言葉が思いつかなかったのですが、急に明るくなった彼は『近所の人が随分助けてくれました。』という答えです。

ただひとつ、大きな問題が残されていました。お父様のお葬式に、寝たきりのお母様を連れていくことができるかどうかです。リハビリ病院の看護師が訪れ、しきりにどうしたらよいのかを、訪ねていました。結論から書くと、お母様はお葬式には、でることはかないません。

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皮肉な話ですが息子さんにとっては、お母様の介護に手を煩わされることがないまま、お父様のお葬式を行える状況になっていました。息子さん本人は、お父様の死が悲しくていたたまれない状況でした。しかも、お母様が伴侶のお葬式に、でられないことを気にしていました。なんて、良い息子なんだ。

男性は家庭より、仕事優先の風潮があるよね

男性ですから、家庭の事情を職場に伝えてはいるものの、そう口に出して業務に支障を及ぼすことはできなかったでしょう。早退や遅刻も余儀なく強いられ、職場での冷たい視線も一度や二度ではないと思います。

次の日、みかんの差し入れを持ってきて、人柄が人懐っこく温かい方であることに気が付きました。この男性を近所の方が、援助の手を差し伸べる気持ちも理解できます。人柄で難を切り抜けることも、ありかなとぼんやりと考えます。

介護が子供の人生に影を落とすなんて、悲しいよね

先日、新聞で男性介護者の問題が書かれていました。特に、『男性は責任感が強く、介護にのめり込みやすい。女性に比べて愚痴を履きだせる場面が極端に少なく、つらさを抱えたままで孤立する。』という部分に共感します。やはり、女性と男性ではプライベートな悩みを職場で話した場合、周りの目が違います。

息子さんが介護をする負担より、私が気になったのは、彼が独身であったことです。

仕事をしながら、近所の支援を受けて両親の介護をする、心根の優しそうな一人の男性が、『両親の介護のために自分の人生を棒に振ってしまわれたのでは』という考えにとりつかれました。もしかしたら、そうでないかもしれません。

ただ、残念なことにこれから先、高齢化社会に入ると、そういう方が増えるということです。40代、50代で、脳梗塞や脳卒中で倒れたという話はあるのです。親が50代前半だと、晩婚化が進んでいる昨今、ちょうど子供が結婚を考えはじめた時と重なるなんてこともありうるはずです。

政府は、高齢化に向けて自宅で介護するシステムを、整えてきていますが、支える若者が少ない今、家庭でさえ支えきれない時代になってきます。少子高齢化問題は、言葉にする以上に深刻なことだったのです。

2017年は息子介護が社会問題に

厚生労働省が2016年に発表した『国民生活基礎調査』によれば、同居者の介護をする人の4割は配偶者、次は娘(19.9%)と息子(17.3%)です。息子の配偶者(嫁)は、娘や息子を下回り(16.3%)となっています。

この状況は、東京都健康長寿医療センター研究所の平山亮研究員によれば、次のようになります。少子化により、嫁自身の親の介護が必要になったから、夫の親の介護に関わらない選択をする女性も増えたためです。

傾向として、息子介護者は非正規雇用や無職の人も少なくありません。介護労働は、家族の中で時間の融通が利く人が担うことになりやすいからです。『経済的に不安定な人がケアに時間を割くことで、さらに精神的・経済的にも追い詰められることもある』といいます。

加えて息子介護は、『問題が起きても自分で解決すべきと思いがちで、ぎりぎりまでSOSを出さない人が多い』そうです。一人っ子が両親をケアすることは、珍しくも何でもない時代に入りました。もう、家族頼みのケアには限界が来ているんですよ!!

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コメント

  1. 独身男性が親の介護でやらかす3つの失敗とは?介護虐待につながる重要なポイント | 【おわすべ】終わりよければすべてよし!老後サポートブログ より:

    […] 認知症なんて怖くない » 一人っ子、両親とも要介護3で独身で介護する男性に出会った […]

    • pikkapikka より:

      コメントなどめったに来ないので、気にしていませんでした。
      承認が遅れてしまい申し訳ありません。