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特別養護老人ホームのメリットとデメリットを知ろう

特養の情報は、広く浸透はされていない

新聞や雑誌で良く耳にする、特養(正式名:特別養護老人ホーム)は、人気が高いと聞いてはいるけど具体的に何が良いのか、一般の有料老人ホームと何が違うのが分かっていない人がほとんどです。

現在、入居待ち待機者は、2014年で52万4000人もいるほど、人気であるのに、その理由が分かりません。特養のメリット、デメリットをまとめてみます。ちなみにこの入居待ちに関しては、こちらの記事に書いてあるとおり数字のマジックがあり、本当の数は1/3程度と試算されています。

特養が足りない事は事実ですが、身近にも入居している方は沢山いますので、諦めなければ入所はできますよ。

高齢者の食事

特養は、地方自治体や社会福祉法人によって運営され、公的補助によって支えられているために、利用料金が安いことと、利用期限が無い終身利用が可能です。この辺のメリットは、後に詳細記述します。

デメリットは、手のかかる症状がでている認知症の場合は、入所を断られたり入所しても退所を迫られる場合もあります。知り合いにこのパターンの方がいますが、かなり無情です。

終身利用が可能であるという性質上、回復するためのリハビリテーションの意識は気薄です。まだまだ、現役で頑張り続けたいお年寄りには、合わないかもしれません。

もう承知のとおり、人気であるために入所するまで待たなくてはならず、家族の見通しが立たちません。早く特養に入居するためには、地方などを検討します。こちらも、後で詳細記述。

入所条件は、介護認定の要介護3以上であること

入居条件は、要介護認定を受けていて、ランクが要介護3以上の方であることです。特別養護老人ホームのそもそもの目的は、生活が困難な状態にある高齢者の救済ですので、介護が必要であることは最低条件です。

寝たきりという事実以外に、市役所で申請手続きを行い認定をしてもらわければ、要介護度はつきません。介護が必要な高齢者がいる場合は、市役所へ行き、介護申請を行います。

田舎などでは介護サービスより、農協などの独自のサービスの方が手厚いからと認定されない方もいます。ただ、施設入所の場合は、要介護認定の有無で大きな差が開きますので、必要に応じて、頭を切り替えてください。

当初特養は、要介護1から入所可能でしたが、政府の介護抑制策を受けて要介護3からになりました。自己負担も1割から2割になる方もでてきました。その為、入所待機者数が17.7%減少しています。埼玉で4割、北九州で3割、東京で2割弱と減少傾向に今あります。とはいえ、人気はまだ続くでしょう。

特養の月々の費用

有料施設との大きな違いは、入居一時金や入居金などの初期費用がかからない事にあります。月額支払いのみの費用です。

基本的な費用は、要介護度と居室形態によって異なってきます。その他、利用者毎に必要に応じて発生する、電話代、散髪代、新聞、雑誌は、実費を利用者が負担します。病院への送迎サービスや洗濯サービスは、施設ごとに異なります。

従来型多床室(要介護3)の場合

  • 居住費 ¥9,600
  • 食費 ¥41,400
  • その他費用 ¥10,500
  • 特養サービス費 ¥24,971
  • サービス加算 ¥1,567
  • 合計 ¥88,038

ユニット型個室(要介護3)の場合

  • 居住費 ¥59,100
  • 食費 ¥41,400
  • その他費用 ¥10,500
  • 特養サービス費 ¥26,009
  • サービス加算 ¥1,567
  • 合計 ¥138,576

オムツ代は無料

通常自宅でのおむつ代は、介護保険給付の対象にはなりませんが、特養では自己負担なしです。正確には、特養を含む介護保険3施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設等)では、おむつ代はかからないのです。

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ちなみに母は老健のディケアを利用していますが、通所の場合は掛かります。

有料老人施設で請求されるおむつ代は、おおよそ1~2万/月といわれていますので、バカにはならない費用です。

低所得者に対する負担軽減サービス

特養は低所得者に対する特例を設けていて、費用の自己負担額を軽減させることが可能です。負担が軽減されるサービスは、介護保険給付対象外である住居費と食費となります。

特例が利用できる対象者の条件は、下記3つとなります。

  • 本人も家族も住民税を支払っていない人
  • 住所の違う配偶者が、住民税を支払っていない人
  • 一人住まいの方は預金が1000万円以下で、配偶者がいる方は2人合わせて2000万円以下の方

対象者は、「介護保険負担限度額認定証」を貰うために、市役所(本庁・各支所)へ申請書を提出して、申請を行わなければなりません。

待機待ち人数が多くても、他に方法はある

特養の入所が困難でありますが、実際に入所できるのは先着順ではなく、生活がより困難な人から入れるシステムとなっています。この入居の優先順位は、市町村ごとに重みづけが異なっています。こちらの横浜の例を、まとめてあります

ただ、家庭毎に入所の緊急性は異なり、どうしても入所してもらわなければ仕事ができない方は、地方の特養を申し込みます。特養には、住んでいる地域の施設でなくてはならない決まりはありませんので、待機待ち人数の少ない場所を、インターネットで探して選ぶことができるのです。

この際、移送サービス(病院への送迎)や、衣類の洗濯サービスの有無は、事前に調査しておいてください。地方の特養へ入所すると、家族の訪問は頻繁に行うことができませんので、必要な介護サービスを洗い出しておく必要があります。

NEWS ポストセブンというニュースサイトが、県毎の待機待ち割合を、計算していました。その情報を、お借りします。

順位/都道府県/待機者の割合
1位/富山/0.3812倍
2位/愛媛/0.4109倍
3位/大阪/0.4158倍
4位/長野/0.4446倍
5位/愛知/0.5213倍

43位/香川/1.5946倍
44位/岐阜/1.7493倍
45位/広島/1.8303倍
46位/山梨/1.9654倍
47位/宮城/4.4187倍
【*ランキング注釈】待機者の割合は、各県の待機者÷定員で計算。
定員の何倍の人が入所を待っているかを示す。
宮城は重複申込者含む。
資料/厚労省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(平成25年10月1日時点)」、厚労省「介護給付費実態調査(平成25年10月)」

施設ごとに異なるサービス

[待機待ち人数が多くても、他に方法はある]でも記述した通り、病院への送迎サービスの有無は、必ず確認をとっておくべきです。通院する必要がある場合は、移送サービスなどが無ければ、家族が変わりに付き添う必要があるからです。

特養毎に、定期受診が決まっている病院のみ送迎を行うとか、提携している病院のみ送迎を行うと、いった条件付きのこともあります。『行います』という回答が得られても、詳しく条件などを聞いておきます。

洗濯サービスも施設で行って貰えなければ、家族が通って洗濯ものを運ばなくてはなりません。症状が悪化して、汚れる頻度が高ければ、施設へ頻繁に通う必要もでてきます。

これは、どの施設に入る際も検討しておくべきですが、おむつ交換の1日の回数は聞いておくべきです。回数が少ないと、蒸れたりするだけでなく、膀胱炎、尿路感染のリスクも高まります。言いにくいことですが、是非、確認しておいてください。通常は、1日6回ぐらいです。

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