要介護度のランクは、2年に1度見直される
要介護度のランクは、容体が安定していれば2年に1度の更新を行います。
2016年9月に2年から3年に改正案が提出され、平成30年より実施。
介護保険の要介護ランクは、有効期間が決められていて、期間最終月に再審査の手続きをしなくてはなりません。
既に介護保険を利用している方は、担当のケアマネージャがついていますので、ついうっかり忘れてしまっても、ケアマネージャの方から連絡が来るシステムになっています。手続きもほとんど、ケアマネージャが行ってくれますので、市からの調査員との面談日時の調整と、面談日に立ち会えばよいだけとなります。
私の母の場合は新規で申請した後、6カ月後に再審査、その後2年間の期間を貰っていました。今回で3回目の審査になります。
母は見た目は、しっかり
私の母は取りつくろうのがうまい上に、ものすごいおしゃべりです。
ココだけの話、会話のネタはTVをはじめ、窓から見えた風景と何でも、そして同じ話を何回も、2年前に起こった事象であっても、あたかも昨日ののことのように話します。いえ、時間の概念がないようで、母の場合は、昨日あったことなのかもしれません。
それはもう。延々と、、、娘の私が切れるまで、話を続けるのです。
こんな状態のおばあちゃんはいないって、しかも認知症なんかであろうはずはないと思っていましたら、先日病院で母と同じおばあちゃんを見ました。ずっと、娘に向かって話しているのです。トイレの個室に入って、娘に介助してもらっていながらも、話を続けています。切れ目なく、です。
うぇ~、私の母もいずれはああなるのねぇ~。
でも、医師によると、『なかなか出来るな!』と思われるポイントなのだそうです。主治医を1年前に変更したために、今回の介護認定の更新で、所見を書いてもらうのは初めてとなります。
月1度の診察だけでは、やはり認知の有無を正確に確認することができないのが事実です。
私も、『出来るな』と思われていると考え、申請の6カ月前に母のおかしな行動をメモして、主治医に渡してありました。何十年も付き合いのあった前の医師なら、母のかなりへんてこなところを知っていたのですが、まぁ、やむをえません。その医師は、小児科なのでいい加減頼り過ぎても、きっと迷惑だって思う訳です。(いったい何で、母は小児科に血圧の薬を貰っていたのでしょう?)
認定結果は、なんと2ランクも下がった!
という訳で審査当日の調査員は、かなり厳しかったです。母の行動を説明しても、ひとつひとつ正常である方に矛先を向けようとします。『それは、本当にそうだったんじゃないの?』といった具合です。
そして認定結果は、要介護3から要介護1。がび~~ん。
これは、良かったと喜ぶべきなのでしょうが、不安が伴います。
認知症の研究が進んで、進行を遅らせたり、日常生活ができるレベル(ADL)を上げることができるようになりました。生活の質(QOL)でさえ、高めることができ、文化的な生活も可能になると思っています。
でも、それは、絶えず見守りの中で、おかしな行動を正し続けたり、何度も同じ指摘をし続けた、訓練のたまものなのだって、介護していて思うのです。訓練をやめてしまえば、筋肉が落ちるように、ADLも低下していくはずです。
ディケアに出かけた日は、シャッキとしているけど、ない日はドンヨリしているのが実情です。ディケアがなければ、今はしっかりしているように見えても、またきっと元に戻ってしまう予感がします。多分これは、あたりです。
国の予算のこと考えると良かったのかも
もう一つの大事なことがあります。
それは、国の介護予算です。まさに高齢化社会、国の財政を圧迫し続ける介護予算を、どうするかは、頭を悩ますところとなりました。
介護者にとっては、介護度はそう問題ではありません。介護保険で賄うべきサービスさえ受けることができれば、よいのです。
介護ランクが重くなれば、ひとつひとつのサービス毎に加算される点数は増えます。介護サービスを受けられる限度額も、大きくなります。介護度ランクが高いほど、多くの費用がかかるのは現実です。
必要と考えるサービスを受けられるギリギリの介護ランクにすれば、介護予算を節約することが可能となります。
ただ、もうひとつサービスを、提供する介護事業者の負担も考慮してください。
ADLが高いからといっても、徘徊などのBPSD(周辺症状)がある方には、評価基準にとらわれずに、介護ランクを上げるべきです。人件費用がかかり、介護業者が困るからです。介護事業者が困ると、一緒にケアをしてもらっている高齢者も、優しくしてもらえなくなりそうです。
介護者も介護事業者も国も円満になれるような、介護認定であってほしいと思いますよね。
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