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民生委員の担い手不足、一人暮らしの高齢者の支えは?

コミュニティーが希薄な今だからこそ深刻

悩みなく暮らしている時は、得てして気が付かないものです。地域の縁の下の力持ちといえば、イザ困ったという時に相談にのってくれる民生委員です。自宅でお茶を飲む2の女性

民生委員は、厚生労働省の委託を受ける公務員で、地域の一人暮らしの高齢者や障害者、一人親家庭などを無償で支えます。その数、全国で約23万人ですが、委員の高齢化が進み60代以上が85%を占め、担い手不足の状態となりました。

民生委員の役割

9割が民生児童委員も兼任して一人親の子育ての不安や、児童虐待などの相談も受け持ち支援は幅広くあります。高齢者の場合は、虐待や孤独死、一人暮らしの高齢者の安否確認、ゴミ屋敷の対応、振り込め詐欺の防止などを行っています。中には、急病の一人暮らしのお年寄りを付き添っていった病院で、手術の承諾書に署名するように迫られたり、徘徊で認知症の独居高齢者が警察に保護された時も引受人の署名を求められたり、自殺者の身元確認を頼まれるケースもあるそうです。

こうした困った相談事を判断して、担当部署に引き継いでいきます。市区町村の担当者、社会福祉協議会、学校、社会福祉施設、地域包括センターなどに伝えて、対応を促します。任期は3年、守秘義務があり報酬はなく、交通費や通信費を補うために、通常年5万9千円の活動費が支払われます。実質的には報酬のないボランティアです。

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活動内容

年間の活動日数は、平均で約132日、訪問や連絡などは平均167回に上ります。活動内容の平均件数は、日本経済新聞2月11日より抜粋します。

  • 相談・支援 26.2件
  • 地域福祉活動 38.7件
  • 定例会・研修会など 26.9件
  • 調査・実態把握 20件
  • 行事・会議への参加 26.4件
  • 証明事務 2.1件

定例的な業務活動の内容は次の通り。介護保険や障害者総合支援法、生活困窮者自立支援法などを知っておかなければ、対応できない事案もあります。頻繁に変更される制度改正の研修を受けなければなりません。月1回、民生委員協議会に出席、各種の見舞金・品の配布、一人暮らしの実態調査、生活福祉資金の貸し付け調査や貸付世帯への訪問などがあります。

今後の懸念されること

一人暮らしのお年寄りが増え、『日常的な支援』の件数も増え続け10年間で2割増えています。「入院中のペットを預かってほしい」「カードを渡すので銀行でお金を下ろしてきて」「病院へ送迎してほしい」などです。民生委員に寄せられる相談のうち、半分以上は高齢者に関することだそうです。

かつてこうした困りごとは同居していた家族や、親切な近所の方が引き受けていたはずです。コミュニティーが希薄になった現代だからこそ起きているのでしょう。これからも、どんどんその傾向は高まるばかり。

民生委員の担い手不足、いったいどうしたらよいのか私ごときではよい考えが浮かびませんが、一人でも多くの人に知ってもらいたくて書いてみました。

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