介護の重さ、使用頻度を考えて選びたい
介護の悩みなんて人によって違うから一概には言えないと、在宅介護の問題点は大変さと悩みが数値化できないことで書いたことがあります。清拭タオルひとつとっても、使用する高齢者の介護度や、使用する体の部位ごとに違ってきます。
私はどちらかというと、紙よりも布の方か皮膚に優しいし、汚れが落としやすいのでタオル派なのですが、使い捨てにしたい気持ちは分かります。それは、陰部の清拭や、使い頻度が高くタオルの洗濯が、間に合わない時だと考えます。
もし、在宅介護の清拭タオルを使い捨て用にするなら、ドライタオルが良いのか、ウエットタオルが良いのか考えてみました。
医療機関や介護施設の清拭タオルの基準は?
また、衛生管理の方法は、医療機関や介護施設で知ることができます。複数の人が集まるだけに、感染症や雑菌の繁殖予防のために、特に神経を使う場所です。
厚生労働省が発行した『医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引き』に、清拭タオルについて、次のように書かれています。
読んでもらうとわかりますが、かつてレストランなどで、ビニールに入った温かいおしぼりが配られていましたが、完全にアウトということになります。
- 身体清拭用タオルは使用直前に加湿・加温する
- 使用後の身体清拭用タオルはその日のうちに洗濯し乾燥させる
(参考資料 こちらの29ページの上から9行目あたりに記載されています。 )
このような背景から、『ならば最初っから、使い捨ての方が清潔なのでは』ということで、次々にドライメッシュタオルやウエットタオルが開発されています。
今年の福祉機器展にて、トイレットペーパーのような形態で、不織布や分厚いテッシュが巻かれた使い捨てタオルを見ました。このタオルを機械に装着し、ボタンを押すと、乾いた不織布や分厚いテッシュに、熱い湯が通されておしぼりがつくられます。
自動おしぼり作成機です。必要な時に瞬時に、温かいタオルが出てくるのは便利です。ポイントは、乾いた状態から作られることです。
今までは、消毒液に浸けこまれて蒸発しないように蓋がつけられた、ウエットタオルが主流でしたので、これは斬新です。こうしたウエットタオルも、利便性があると付け加えておきます。
在宅用で使い捨て清拭タオルを、最初に置くなら
在宅用で使い捨てタオルを考えるなら、使用する高齢者の状態にもよりますが、ドライメッシュタオルからでしょう。
賞味期限を気にしなくてよい
私はいざという時のために、ウエットタオルを置いていたものの、1回使用しただけで後は使用しないまま乾燥させました。ウエットでも何でもなく、固まった紙の塊にしたのです。
再度、水に浸せばと考えましたが、不衛生な気がしてやめました。
元から乾いていれば、後はお湯に浸すだけで済みます。水にぬれていない分、雑菌の繁殖や、タオルを浸している消毒液の賞味期限を気にする必要もありません。水分は、溶液を変質させてしまいますからね。
温かいタオルを直ぐに作れる
通常体の清拭する際、高齢者に冷っとさせて心臓に負担をかけないように、タオルは温かいものを使用します。特別な機械を持たない在宅なら、電子レンジなどにウエットタオルを入れて、温め直すことが多いようです。
タオルに水をつけて温め直すならともかく、消毒液のついたウエットタオルを、電子レンジに入れるのは、精神衛生上考えてしまいます。次に温める食べ物に、消毒のにおいや、分子が付着するような気がするからです。清拭用のタオルなので、衛生的ではありますが、理屈では納得できません。
電子レンジで温めることが普通になったために、介護者が熱いお湯の中に手を入れて、タオルを絞らなくてはならない状況から解放されました。こうした作業は、手荒れや軽い焼けどの原因になります。電子レンジの功績は大きいですね。
もし、ドライメッシュタオルであれば、ポットのお湯を少量ずつ滲み込ませられます。絞る時はちょっぴり熱さはありますが、乾いている分負担は小さいはず。
次亜塩素酸の消毒効果や安全性については、こちらで詳細しましたが、次亜塩素酸の消毒液をドライメッシュに滲み込ませることもできます。さらに、肌荒れや肌乾燥が気になる時は、保湿ローションをドライメッシュに滲み込ませることもできます。
必要に応じで消毒液や、ボディローションを変えられるのも、ドライメッシュタオルならではです。
汚れをふき取るなら、凸凹感のあるメッシュタイプが良いという思い込みで、ドライメッシュタオルと書き続けてきましたが、ドライタオルは他に、なめらかな不織布タオルなどもあるようです。
スポンサードリンク