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厚労省の介護サービス情報公表システムのデータをフル活用

公平な役所の資料を利用して、客観的な評価を知る

建物の前の駐車場と広い玄関のある高齢者施設は、一見、地方のホテルのようにも見えます。そんな光景を撮影したパンフレットに、笑顔が奇麗なお年寄りの姿も加えて写っていれば、もう安心感で一杯です。「あ~こんなところに入所すれば、親も喜ぶに違いない」と思うのです。

民間のホームページの介護情報公開システムを覗くと、ピックアップされている情報は良いことだらけです。時にはデメリットも説明されているけど、そこに書かれていない情報の判断はできません。施設入所をしたことがない身としては、高齢者施設の善し悪しの知識がありません。介護施設クローゼット

さらに施設見学を行ったとしても、全ての情報を知ることはできません。身もフタもない話ではありますが、多くの介護者は、分からないまま介護施設を決めているのが現実だと思います。

厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索

今回は施設選びの一つに、厚生労働省がまとめている『介護事業所・生活関連情報検索』を紹介します。

ここには、介護施設各々の介護職員の数と退職者数、入居者数とその性別と入居期間などが、数値で記述されています。サービス内容も数値化されていますし、利用料も提示してあります。

施設選びのポイントが分からないという人に向けて、評価点も見られます。運営状況を7項目に分けて、各々評価点がつけられています。7項目の中は、さらに再分割されていて各々の評価方法も明示。いずれの項目も具体的で、人による感覚的な評価とは違います。

もちろん、評価項目に合わせた運営を行っている施設が最高かと問われれば、そうでもないかもしれません。判断基準の一つになります。同じ評価項目で数値化して比較できるし、公的機関である厚生労働省が運営しているホームページであることが、指標の信頼性を高めています。
(※当サイトで、2015年にこうした介護施設を数値化した情報サイトが欲しいと書きましたが、実現していました。

私は施設探しの際、この情報を基に施設をあらかじめ絞り出してから見学をしました。時間短縮になり、あらかじめニーズの合いそうなところに絞っていたので、見学の際の会話もスムーズになりました。

『介護事業所・生活関連情報検索』の中で、私なりの見るべきポイントを紹介してみます。

安全対策

自然災害の多い日本では、気になるのは災害時の対応です。

洪水や大雨、地震の時の災害時を想定したマニュアルや、研修が十分に行われているかどうかは、何を置いてもチェックしました。

運営状況の7項目の評価基準の中に、『安全・衛生管理など』があります。安全管理の詳細チェック情報を見て、「評価項目にすべて〇がついているか?」、ぐらいの厳しい目を持ちたいものです。実際には、オールパーフェクトという施設は少なかったです。

介護職員の人員体制

介護不足はどの施設も同じですが、入居者に対して介護職員が何人いるのかは重要です。手厚い介護は時間がかかるもので、人手があってこその話です。厚生労働省で最低限決められた人員基準があり、どの施設も基準を守っています。詳細に見ると、人員体制だけで介護サービスの状況を連想することができます。

人員体制で注意するべきは、勤務体制によって勤務時間が短かい人や、経験期間が浅い人もいます。人数だけで判断はできません。常勤換算人数といって、非常勤職員の勤務時間を全て足し、常勤職員が勤務したとして何人になるのか換算した値を参考にします。経験に関しては、5年以上の勤務者数とか10年以上の勤務者数が明示されていますので、そちらも参考にします。

職員の役割毎の人員構成も大切です。介護職員の数はもちろん、高齢になると体調の変化は日常茶飯事、体調に合わせた適切な処置を行ってもらうには、看護職員の人数も要ります。

看護職員、介護職員、生活相談員、機能訓練指導員、計画作成担当者といった専門職に関しては、勤務年数毎に常勤と非常勤に分けで人員が記載されています。個人的には、非常勤に10年以上の人を見つけると、人間関係の良い職場と想像しました。生活相談員が、複数いる施設は苦情対応に備えていると伺えます。生活相談員が介護職も兼務しているとなれば、介護家族の要望を親身に聞いてくれないかもと考えるのです。(個人の思惑ですので、一概には言えません。)

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食事にこだわるなら、栄養士や管理栄養士以外に、調理員の数などもチェックしてください。

私が選ぶときに特にこだわったのは、退職者の数です。他の施設と比較して、とびぬけて退職が多いところは嫌煙しました。

苦情処理対応

介護現場は、高齢者の無理難題も聞かなければなりません。高齢者の家族の苦情も、入居者の無理難題と思わなければやっていられない状況もあるはずです。介護にたずわさっていない家族は、机上の空論になりがちで、本や雑誌での知識を現状を知らないで口にしているケースも多いからです。苦情処理対応も、やりにくいに違いないと実感しています。

とはいえ、一度施設に入ったら利用者にとっては、逃げ場がありません。きちんとこちらの言うことに、耳を傾ける姿勢があるのかどうかは大切ですね。

運営状況を8角形で明示していますが、苦情処理対応の数値はチェックポイントです。低くすぎるところは、考え直した方が良いかもしれません。

実際、見学などで苦情処理対応について聞くのが理想ですが、これは相手の嫌がることが目に見えて多分、無理です。ここにある評価点で、あたりをつけるしかないかもしれません。

利用者毎の機能訓練計画

運営状況の8角形の中で、『サービスの質の確保への取組』という項目があります。その中の評価項目の中の『計画的な機能訓練の実施状況』は、重要視しました。

具体的には、

(10) 計画的な機能訓練の実施状況

身体機能の改善及び寝たきり防止のために、利用者に応じた機能訓練を計画的に行っている。
●利用者ごとの機能訓練計画がある。 YES/NO

●利用者ごとの機能訓練の実施記録がある。YES/NO

利用者毎に機能維持が測れるような取り組みを、強く望みます。この項目では、ロボットのように同じように扱われるのではなく、人間の尊厳を大切にしているのか否かが見えるからです。足が不自由だから無条件に車いすではなく、手すりなどをもってつたい歩きができる場所では歩いてもらうとか、個別に考慮できる施設がやっぱりいいですよね。

排せつ介助

1番気になる排せつ介助については、そうそうわかるものではありません。見学しても聞きにくい情報です。ただ、おむつをできるだけ使わない方向にしているといった、特別なこだわりを持っている施設は、見学などの際に施設側から切り出してくれるものです。

私が排せつ介助で参考にした項目は、夜間の人員数と排せつ支援を加算しているかどうかで判断しました。

排せつへの介護を重要視しているなら、夜間のトイレ誘導やお持つ交換も手厚いはずです。ゆえに、人員も多いはずと勝手に考えたのです。

排せつ支援加算は平成30年に新設されましたが、それ以前も特別養護老人施設では、排せつ介助は行っていました。今回の加算項目の意味するところは、従来の排せつ介助に加え、排せつの状態を改善した時に加算されます。個人個人の状態のあわせて、支援を行ってもらえるのです。

こちらに全国老人福祉施設協議会が発行した排せつ加算についてのガイドラインがあります。

食事に制限がある場合

糖尿病や腎臓病など高齢者が抱えている病気によって、食事内容を調節しなければなりません。施設に入れば自動的に考慮してくれると安易に考えずに、管理栄養士などによって管理された食事が提供されるかどうかのチェックは大切です。

介護保険で補助のあるサービス加算の項目の中に、『療養食加算』がありますが、加算されているかどうかを見てください。

食事に関しては『口腔衛生管理体制加算』も加算されていれば、尚、安心できます。

特記事項・方針

数値化された情報の他に施設担当者自身の言葉で表現された文章があれば、必ず目を通しました。建前だけとも考えられますが、施設側の考え方やこだわりを知ることができます。

また、厚生労働省以外にも介護サービス情報を公開している市区町村があります。多くのホームページをまたがって、介護施設を調べる際に役に立つのは、介護施設ごとに振られた介護保険事業所番号です。気になる施設の番号をメモしておき、市区町村の検索画面で、番号で検索すればすぐに見つかります。市区町村の場合は、数値データだけではない、固有の情報が提供されていて、私は施設選びに大いに参考にしました。

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