なかなか治らないうつ病の手がかりの一つ
本日の読売新聞の医療ルネサンスで、『いびきからうつ病特定』という記事がありました。
うつ病に悩むAさんの事例を、紹介しています。医師の治療の元に、抗うつ薬を飲みながら一度は職場に復帰できたものの、再びうつ病になり回復の見通しがつかなくなりました。会社や家族に迷惑をかけ続けて、このまま命を絶とうとしたこともあるそうです。
やがて主治医の転勤により、睡眠時無呼吸症候群が、うつ病に関係しているといわれます。治療の方向転換を迫られます。 Aさんは体重を減らし、睡眠中の呼吸を助けるCPAP(シ―パップ)と呼ばれる装置で、睡眠中に無呼吸にならないようにしました。睡眠中の無呼吸と低呼吸の状態が、減少していくと、うつ病も回復したそうです。
国立精神・神経医療研究センター病院(東京都小平市)のセンター長の亀井雄一さんは、睡眠時無呼吸症候群とうつ病は、関係があると話しています。
ホルモン異常だけがうつ病の原因ではなかった
うつ病は、強いストレスを受け続けることで、やる気ホルモンであるセロトニンや、ノルアドレナリンが分泌できなくなることが、主な原因です。 うつ病の症状は、不安、焦燥感、不眠、頭痛、憂鬱感など、精神的に苦痛が伴う病気です。何事にもやる気の無い態度が、怠けているようにも見え、職場などで辛い立場になります。
セロトニンは、ダイズや油揚げなどに多く含まれていて、うつ病予防にはトリプトファンの食材を食べるといわれています。
ところがもう一説に、脳の血流が持続的に、低下し続けることもあるのです。脳内の組織がダメージを受けて、うつ病などの精神疾患につながるためです。
呼吸と血流には深い関係があります。深呼吸をすると血流をアップさせるとか、血管を強くする呼吸法なども雑誌で、紹介されています。
なかなか回復の見通しがたたないで悩んでいるうつ病の方には、『いびき』という、治療の選択肢が増えたことになります。
高齢であれば尚更、うつの原因はいびきの可能性が大
この記事を読んでいて、ふと思ったのは高齢者のいびきです。
高齢者は、喉や下の筋力が弱くなり、仰向けに寝ると舌根が落ち込んでいびきになります。舌根が上気道を塞いで、無呼吸を引き起こします。高齢になるほど、いきびをかきやすいのです。
上述のとおり、睡眠時無呼吸症候群がうつ病の原因になるなら、認知症へのリスクも高まります。うつ病は、認知症と異なる病気であるとされ、治療方法も違いますが、共通項が多く、うつ病から認知症になることも多く報告されています。
うつと認知症は非常に似ています。うつ病と認知症を併発していると、やる気や落ち込みが強く、行動範囲がさらに狭まってしまいます。最も介護が困難な状態になるとも、聞いたことがあります。
もし、高齢者にうつ病の症状があったら、いびきのチェックも必要ですね。しかし、高齢者にダイエットやCPAP(シ―パップ)の装着は、厳しいかもしれません。困った!
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