歯周病は全身の血流を悪くする
良く噛んで食事を行う事は、脳を活性化させ認知症のリスクを避けると言います。噛むことで脳の神経を活性化することができますし、特にアルツハイマー認知症と深いかかわりがあります。
噛まないとアルツハイマーの原因物質であるアミロイドβタンパクが沈着しやすくなります。そのため、記憶や学習能力に影響する海馬が減少するからなのです。
高齢になって噛めなくなる大きな原因は、歯周病などで歯を失う事。一説には、残っている歯が少ない人ほど、認知症にかかりやすいそうです。
しかし、歯を失う以前に歯周病になることで、肥満、高血圧、動脈硬化、糖尿病のリスクがあることが分かってきています。これらのメタボリックシンドロームが進行すれば、心臓疾患、脳血管疾患などにつながり、更には、認知症のリスクが高まることは言うまでもありません。
歯を失う前に歯周病予防を行う事が、認知症のリスクを減らすと考えを改めなくてはなりません。
歯周病の原因は?
歯周病は、食後の口の中にある食べカスを餌にした細菌が、歯垢や歯石を作り、歯に溜めていくことです。
放置しておくと、歯と歯ぐきの間にも歯垢や歯石が入り込み、隙間を開けて溝の深さを深くしていきます。この溝のことを歯周ポケットと呼んでいますが、歯周ポケットが深くなれば歯を支えている歯肉が無くなるために、抜けてしまうのです。
歯周病菌が行ってしまうこと
細菌の中でも悪玉細菌と呼ばれる歯周病菌は、毒素を放ち歯ぐきを腫らし、炎症を起こしたり、膿を溜め込みます。歯の周りの骨も、溶かしてしまうのです。
進行すると歯周病菌は、炎症によって傷ついた歯肉の中に入り込み、血管に入ることで、全身に悪影響を及ぼしていきます。
歯周病菌の一つのPg菌は、血管の内壁に付着してコレステロールなども、一緒に巻き込んで血管についていきます。血管が狭くなる事で、動脈硬化になるのです。
歯周病菌の別の菌Aa菌は、血管内壁を傷つけ血栓を作ります。
狭くなった、血管の中を血栓が流れるために、血管が破裂する脳卒中、血栓が心臓で詰まる心筋梗塞、血栓が脳で詰まる脳梗塞を引き起こします。
歯周病が歯ぐきの炎症を酷くすると、体内で守るための免疫作用が働きます。この免疫作用が働くことで、血糖値をコントロールするインスリンの働きを、抑えてしまいます。食物から取り込んだブドウ糖の代謝が行われないために、血糖値が上がり、糖尿病の原因となります。
歯周病と糖尿病とアルツハイマーの関係
糖尿病の発症は、アルツハイマーの原因の一つです。多くのアルツハイマーの患者は、歯周病を患っていることが少なくないそうです。
かつてのアルツハイマーの原因は、歯周病菌が脳に入り込み、神経の炎症や脳の細胞を攻撃するためと言われていました。最近、歯周病菌が血管に及ぼす影響が明らかになり、正確な事実を知りました。
歯周病は、妊婦であれば低胎児出産・早産、気管支炎・肺炎といった、病気とも関係があると言われています。
歯周病予防の方法
歯周病は、日本人の40歳以上の方、8割がそうです。かつて、ガッテンで放送されていた歯周病の予防方法では、3つあげられていましたので、守ってくださいね。
- 食後の歯磨き
磨き残しを作らない、歯ブラシを小さく動かして磨く - 生活習慣
喫煙は、歯周病菌が好む酸素の無い環境をつくるので、禁煙が望まれる - 歯科医による年に1度の定期健診
歯周病の早期発見だけでなく、歯石をとってもらったり、適切な歯ブラシの方法なども学べる
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