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NHKで放送した『終の住処はどこに老人漂流社会』の本が出版

迷子になりそのままホームレス生活を送る高齢者も

昨年1月(2013年)にNHKで放送した『終の住処はどこに老人漂流社会』の本が、昨年12月に発行されていましたので、読んでみました。河川敷のベンチ

ホームレスの中にも高齢者認知症の方がいる

放送された時は、高齢者が介護施設に入れないまま、居場所を転々としなくてはならない理由が今一良く理解できないままでしたが、本を読んでやっと分かりました。経済的な理由は第一に上げられますが、病院側、施設側のやむを得ない経営状況も絡んでいます。

もっとも衝撃的だったのは、一人暮らしの認知症の方が、迷子になったままホームレスになってしまうことです。夜間のホームレスの見守りを行っているNPOの方によると、ホームレスの方達の中にも、自閉症や統合失調症、認知症といった精神疾患を患っている方達が多いことが分かったそうです。

散歩にちょっと出ただけなのに、帰り道が分からないままホームレスになってしまうケースがあります。たまたま、NPOの支援サービスや地域包括支援センターのスタッフに連絡がいき、運よく保護されたとしても、施設でここは自分のいるべき場所でないと言って、出て行ってしまうケースもあります。

一人暮らしのお年寄りだから、一人姿を消してしまっても、探してくれる家族がいない時代なのですね。

2012年の一人暮らしのお年寄りは、500万世帯を超えています。団塊の世代が次々に高齢になるに従って、この数は増えていくことは間違いありません。

一人暮らしとまでいかなくても、高齢夫婦、高齢兄弟、高齢姉妹、高齢の親と未婚の高齢の息子が暮らす高齢親子と、程度の差こそあれ、”不安”の二文字を抱えた世帯が、増えていくのは明白です。

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何故、こうした高齢者が転々と居場所を変えなくてはならないのか、その理由が取材をしながら、1件1件明らかにされていきます。他人事とは思えず、明日は我が身かもと思える状況もあり、背筋が寒くなるのです。

安住の地がなんと、無低やドヤ街だったとは

行くあての無くなった高齢者の住む場所としての苦肉の策は、無料低額宿泊所(無低)や山谷地区等の日雇い労働者の簡易宿泊所(ドヤ街)に、宿泊し続ける方法です。

病院や施設を転々としてきた、高齢者は、こうした無低や簡易宿泊所を終の住処とし、ずっとここにいたいと願っているそうです。

現在行われている救援策も紹介されている

前半はこんな悲惨なケースをいくつか紹介していましたが、こうした方達を支援するNPO団体、自己資金で共同住宅を建て行き場を失ったお年寄りと暮らす方などを、次々に紹介しています。善意の人達の行動にわずかな光を感じ、やっと心が救われて、終わります。

積極的に認知症の方を受け入れる精神病院、無料低額診療事業を実施している病院、民医連の取り組みといったことも紹介されています。

私のように将来は、一人かも?って思っている方は、本を読んでみてください。情報もいざという時に、助けてくれるものですよ。

今現在、早急に支援の手が欲しい人は、お近くの『地域包括支援センター』にご相談くださいね。

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