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電動介護ベッドの認知されている安全性と、秘められた危険性

起き上がりが楽なベッドを安全に使うためには

先日、旦那のお母様が倒れられお見舞いに行った際、一人で起き上がるのが困難という話を聞きました。

お年寄りは、食が細くなって体重も若い頃よりは減ってきているものの、やはり寝ている人間を起き上がらせるのは大変です。介護者に、どんなに体力があっても、自宅に戻って毎日在宅の介護となると、腰にも相当な負担がきます。

電動ベッドの長所

電動で頭と背中が持ち上がるベッドの普及で、在宅介護者もかなり楽になりました。

また、ベッド全体の高さを自由に替えられるので、車いすに乗る場合はベッド側を高く、車椅子からベッドに移る場合は、ベッド側を低くすることで、移動をしやすくなります。 ベッドから車いすへ移動するところ

段差があるために、立ち上がりが楽な上に、ベッドのグリップが手すり代わりになり、高齢者には欠かせない介護用品となっています。

電動ベッドの弱点

ただ、小さなお子さんがいる場合、ベッドを動かす際に挟まれたりして、重大な事故も絶えないと聞きました。

電動でベッドを動かさなくても、ベッドからの転落事故を防ぐために設置されている脇の柵(サイドレール)や、起き上がりや寝返りのなどの動作を補助する手すり(サイドグリップ)も危険です。こうした柵の間に首などが挟まってしまい、窒息事故も起きているそうです。 サイドテーブルで食事をとる男性

「在宅用電動介護ベッド」の規格

実は、2009年3月に「在宅用電動介護ベッド」のJIS規格で基準が設けられされて、現在JIS規格に基づいた介護ベッドが出荷されるようになっています。それでも依然として、介護ベッドのサイドレールに首や体の一部を挟まれるなどの、事故は消えません。

それは、在宅介護現場だけでなく、規格外のベッドを依然として使用している施設や病院側の問題もあります。きちんとJIS規格内のベッドを購入していれば、回避できる事も含まれています。 在宅介護ベッド隙間の危険性の説明用

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規格外の安全性に注意

ベッドのサイトレールの形状は、各メーカー毎に違っているために、隙間の数も隙間の形も異なっています。想定できない事故が起きる危険性があるのでしょう。安全を十分に考慮されたベッドであっても、介護ベッドの事故の状況や、想定されるシーンの情報収集を行うべきです。

現在対策としては、下記のようなことが上げられます。

サイドレールの隙間

サイドレールの隙間をクッションやなどで埋めるとか、サイドレールを布で覆うカバーを使います。JIS規格では、サイドレールの隙間を小さく規定がされているようですが、隙間に衣服やボタンが絡んだりすれば、体が引っ張られ無理な姿勢になる場合もあります。開閉式のグリップに、衣服が絡むこともあります。

周囲に小さなお子さんがいないかをチェック

電動で背もたれを上げたり、ベッドの高さを上下させたりする場合は、慎重に周囲に注意する必要があります。子供がいるから、危険だと判断できるか否かもチェックしたいものです。認知症の方が電動ベッドを使用する場合は、要注意です。

キャスターの固定

ベッドにキャスターがついていて移動可能なベッドの場合は、キャスターの固定を常に確認します。

耐久性の把握

ベッドボードやフットボードの取り外しが可能なものは、設置にぐらつきがないか、体重をかけたら外れることもあります。使い続けることでネジがゆるんだり、素材の劣化などもありますので、使用期間が長いものほどチェックが必要です。

サイドテーブルの仕舞忘れチェック

サイドテーブルで食事をしたり本を読んだりした後、そのままの状態で就寝していませんか?サイドテーブルは、すぐに取り外しておかないと、起き上がった時に頭を打ってしまうかもしれません。

認知症の方のリスク

電動ベッドにまつわる事故を含めて、安全性や取扱説明書に書かれている使い方は、介護人も介護される人も熟読します。想定外の行動による危険性は、想像力を働かせて危険を、回避させる工夫も必要です。

認知症の方は、規定通りの使い方をするとは限りません。誰も思いつかなかった使い方で、危険を招くこともあります。介護者は、小まめな見守りを行います。

認知症の方は、危ないと言われたことも、自分の動もすぐ忘れてしまいます。キャスターの固定やサイドテーブルの取り外しは、介護人が責任を持ちます。(当然ですが、自尊心の強い方は自分で何でもやりたがります。)

便利な電動介護ベッド、万が一の事故を起こさないように、快適に利用するために油断は禁物なのだということを忘れてはいけません。

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