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認知症予防にも、認知症治療にも『運動』が良い理由と実験結果

認知症は生活習慣病なので予防はできる

テレビの良く出る女優さんの名前が出てこない、スーパーに出かけで何を買うのか思い出せないと、物忘れに気がつく年齢になってきました。『私ももしかしたら、よく言われている若年性アルツハイマーの兆候なのかも』と、不安になることがあります。

ただ、認知症の方と物忘れとの大きな違いは、認知症の方は、忘れていることに事態に気が付いていないけど、物忘れはそれをしっかり意識しているということです。 ハイキングをする女性

認知症を運動で予防できる理由

いずれにしても、若年性アルツハイマーにかかる方は増えていると聞きます。一度かかると、回復は難しいと言われていたアルツハイマーですが、最近の多くの機関で研究がなされています。1秒でも早く、解明されればいいですよね。

30代、40代の時に、週2回以上運動していた人は、そうでなかった人に比べて、高齢になった時にアルツハイマー型の認知症を発病する確率が半分以下になる実験結果が発表されました。その理由は下記の2つ。

βアミロイドを分解・除去される

アルツハイマーの原因は、加齢により脳の中にβアミロイドというタンパク質が蓄積されて、老人班と言う脳のシミをつくります。この脳のシミが災いを起こして、脳を委縮させることによりアルツハイマーを発症させるのです。運動をおこなうことにより、βアミロイドを分解する酵素が活性化することが分かりました。

脳内の記憶の司令塔と呼ばれる海馬に良い刺激

かつては、一度失われた脳の神経細胞は、新しく作られないと言われていました。でも、記憶や学習をつかさどる「海馬」の神経細胞の中には年をとっても、まだ分裂を続けている「神経幹細胞」という細胞があり、運動を継続的に行うことによって、この細胞が増えることが判明したのです。

認知症予防によい運動とは

認知症予防によい運動は、呼吸を続けながら体を動かウォーキング、水泳などの有酸素運動が有効です。脳の血行が良くなり、多くの酸素と栄養が脳に生き届くようにもなります。

運動する時間は、週1回まとめて長時間運動するよりも、30分位の短時間で毎日体を動かすことの方が効果があります。

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認知症を日常生活から予防

趣味の分野では、星城大学(愛知県東海市)の竹田徳則(とくのり)教授の調査によると、男性は、庭いじりや家庭菜園などの園芸、寺社巡りなどの観光、楽器演奏などの音楽の順で認知症になりにくかったそうです。また、女性はグラウンドゴルフやウオーキングなどのスポーツ、園芸、観光の順でした。

脳は使えば使うほど発達すると言われていて、あまり脳を使わない人は認知症になりやすいというデータがでています。

日々の生活を意欲的に取り組み、絶えず新しいことを発見したいという意気込みが、脳を活性化させられるのです。たとえ、脳の機能が病気や老化で衰えてしまったとしても、脳を活性化させることで、生き残った脳細胞が機能を回復することを期待できる実験結果が出てきています。

さらに、机上での認知症対策のトレーニングとしては下記のようなことがあります。

  • その日の行動を思い出しながら日記をつける。(字を書くことは脳の老化を遅らせます)
  • 一桁の計算を、数多くやってみる。

既に認知症の方にも運動はよい

米国・ミネソタ州ロチェスターのメイヨー・クリニックの J. Eric Ahlskog博士らの検証結果によると、下記のようなことが分かっています。

既に認知症を発症した方であっても、6カ月から12カ月運動プログラムに参加した患者さんとそうでない患者さんを比較した、検証データでは、明らかに運動を行った患者さんの方が、症状の悪化は遅くなり、認知テストのスコアが高かったといいます。

同機関で、高齢者に1年間有酸素運動を継続させると、海馬が大きくなり、空間記憶が改善されました。

お年寄りに運動を継続させる工夫も

お年寄りはとかく体を動かすのがおっくうなものです。

ただ、認知症の方は感情が豊かで、ものを感じ取る感性が敏感になっていますので、楽しいという気持ちを引き立てて、運動したり、トレーニングを継続させるようするとよいかと思います。介護保険で受けられる、ディサービスを大いに利用するべきです。

運動は、アルツハイマー病に限らず、他の認知症にも有効

運動による認知症予防は、アルツハイマー病を対象とした発表ではありましたが、脳梗塞などが原因の血管性認知症の場合も、生活習慣病が大きな原因になっています。高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、日頃から体を動かして運動不足を解消しておくことが大切です。

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