認知症保険が親の介護分担を話し合うきっかけになる

介護負担を公平に、もっと合理的にする道具にできる

愛知県大府市でおきた認知症の人の踏み切り事故で、JR東海が求める損害賠償については、多くの人の話題となりました。賛否両論の中で、結果的には妥当な判決であったというのが、大方の意見のようです。私も思うところがあり、こちらで書いています。

この事件の裁判は2016年3月、家族に監督義務なし、JR東海に損害賠償を支払う必要がないと判決が下されます。にわかに認知症保険のニーズが高まったのは、この時期からです。当サイトでも、認知症保険発売のことを詳細しています。

万が一、自分の親が事故を起こしてしまった場合、損害賠償を支払わねばならない状況が、全ての人の恐怖となりました。

認知症保険は、平たく書けば2通りあり ます。認知症と診断された際に、一時金(年金)を受け取る介護費用補助の役割と、認知症の方が他人に迷惑をかけた際の損害賠償の役割です。前者は主に生命保険会社が、後者は損害保険会社が運営を始めています。後で詳細します。 ハートと書類

監督義務の有無は、行動なしでは決まらない

認知症保険の中身うんぬんより、前に、言いたいことがあります。

この保険は介護の監督義務を、明確にできそうということです。上述の判決である、『監督義務なし』というのは、責任の所在をあやふやにする日本的なやり方にも思えます。どこのお宅でも、高齢者の介護は見て見ぬふり、一番かかわりのある女性や力の弱い人が、知らず知らずのうちにせざるを得ない状況です。奥さんの『私以外に、相手にする人はいないから』というセリフを耳にします。そうでなかったら、長男かその嫁が介護者となります。

他の家族は、『困ったことがあればいつでも言って』と言いながら、いざ介護分担を持ちかけると、『忙しいの』一言で済ませようとします。これはどこのお宅も同じ現象でしょう。そういう方に限って、相続の際にいの一番に、通帳を探していること多いですよね。

まぁ、悪口はこの辺にして。認知症保険は、介護分担を公平にする道具にできる期待があります。

何故なら。

監督義務を明確にしてから、保険金を受け取る

監督義務を明確にしないで、保険金を受け取ることもできるでしょう。認知症になりうる本人が、認知症保険に契約をする場合です。そうであったとしても、自分のために認知症保険を契約する際は、誰が保険金を運営するのか決めておくべきです。

家族主体で認知症保険を契約する場合も、誰が一時金を受け取るのかを明確にしましょう。例え認知症の方本人が受け取るとしても、保険料の請求のための手続きは、介護者でないと無理です。

遺産のように、保険料を兄弟で均等割りをすることはあり得ません。介護する中でしか分からない医療費や介護費用を、介護しない人に渡すわけにはいきません。

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認知症の気配があったら、誰が病院へ連れて行くのか?その際の診療代。
認知症の診断が下されたら、誰が保険の申請を行い、介護費用として管理していくのか?
家族の中で、自分がはずれくじを引きそうな方が、線引きをきっちりとさせましょう。

さらに発展して、親の介護費用をどう賄うのかを考える機会になります。親に預金があれば、どう使うべきなのかもこの時点で話しておけば、遺産相続のもめ事も少なくなるでしょう。

兄弟同士の介護分担も、この機会に決めざるを得なくなってきます。こうした意味で、認知症保険は大歓迎です。

生命保険の認知症保険で介護費用が減らせる

認知症保険が、一気に人気になったのは、一時金の額やサービスだけではないと考えます。上述のような副産物があるからだと、個人的には思うのです。

生命保険による認知症保険を紹介します。

太陽生命

医師による認知症の診断が下され、『時間』『場所』『人物』のいずれかを認識できない状態が180日継続した場合、300万円が一時金として支給されます。

既に、太陽生命では、要介護状態になった際の保険を用意していて、別枠で認知症特化型保険を設けています。

朝日生命保険

2016年4月に、『あんしん介護 認知症保険』を発売しています。

介護保険制度の要介護と連動していて、医師が認知症と診断をすれば、『一時金』、『年金』、『一時金と年金』のいずれかが支給されます。一時金支給額は、300万円。

一時金の保険料は、50歳の男性で2043円、女性は2451円。年額60万円の終身年金を選択した場合は、50歳の男性で4242円、女性が7170円。

契約の8割が、一時金で受け取っているそうです。

メットライフ生命保険

2017年7月2日、特約で認知症を保証する終身医療保険『フレキシィエス』を発売しています。契約後、一定期間後に認知症と診断されれば、すぐに一時金が支払われます。

一時金で300万円を受け取る場合、特約による追加保険料は、50歳の男性で3270円、女性で4890円。

損保の損害賠償保険はグレーな部分が多い

最初に書いた認知症の踏み切り事故が、自分の身に降りかかるといった不安が後押しした保険となります。主に損害賠償保険が運用していますが、細かな規約があり、事故が起きた際に、必ず保険金が出されるのか否かはグレーの状態です。

踏切事故の裁判で波紋を広げたように、事故がケースバイケースとなることから、損害賠償を明確にできない事情もうかがえます。

とはいっても、徘徊が始まったら、介護負担も介護費用も上がります。さらに、予測不可能な事故への損害となると、介護者が認知症になりたいぐらいです。

2015年10月に、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、個人賠償責任保険の特約を見直しています。認知症患者が徘徊で事故をおこした際、責任能力がなしと認められた場合に、監督義務を負う別居の親族などに補償を行うものです。

さらに2017年1月に、認知症患者が線路に立ち入るなどして、電車が止まるなど、人的・物的な損害を伴わない事案に関して、対応する特約を設けています。

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