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高齢者の筋力低下の対策をパワーリハビリテーションで行う

筋肉トレーニングマシーンを積極的に活用しよう

ゲームや簡単な工作が中心だったディケアや、ディサービスが、にわかにリハビリテーションに力を入れ始めました。

マシーンを使用する女性

高齢者には、若い人のように長時間、激しい運動は無理です。室内で少し負荷がかかるマシーンを利用すれば、安全で、効率よく鍛えたい場所の筋力を鍛えられます。ディサービスのなかには、マシーンで高齢者のリハビリを行っているところも現れました。

私も自宅でできる運度器具を、いくつか試したことがありますが、わずかな力で筋肉に負荷がかかるように工夫がされています。室内で行うのが前提なので、コンパクトであり、音も静かです。何といっても、短時間に自宅に居ながら、筋肉を鍛えられる便利さは格別です。

こうしたマシーンを施設で使うには、安全性や耐久性も配慮が必要です。昨年の東京ビックサイトで行われた国際福祉機器展では、こうしたパワーリハビリテーションで使用する器具が目立ちました。

有酸素運動と無酸素運動(筋力トレーニング)の両方が大切

いよいよ、高齢者の筋力低下対策に、パワーリハビリテーションを、導入する時代になったと感じています。

今までは、筋力トレーニングより、有酸素運動の健康効果が語られてきています。有酸素運動は、ウォーキングや水泳などのことですが、実際、公園や遊歩道を散歩する高齢者が増えましたね。

パワーリハビリで期待できる健康効果

無酸素運動である筋力増強、筋肉強化も、高齢者がかかりやすい疾病に良いといわれています。パワーリハビリを行うことで、下記の箇条書きのような健康効果が、期待できるといわれています。(情報提供元は、日本自立支援介護・パワーリハ学会)

アスリートが行うような高強度な筋力トレーニングは、血圧の上昇と血管機能に悪いという研究結果があります。ただし、普通の人が行う、パワーリハビリでは、問題はないと思われます。

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  • 認知症⇒アセチルコリン(減少すると認知症になる)の分泌、認知症と類似する「うつ」を改善する物質を分泌。身体的活動性の向上により、認知機能を刺激。
  • パーキンソン病・症候群等神経難病⇒ドーパミンの分泌が促進され、早い人で2週間から改善する例もあり、そうでなくてもゆっくりと改善していく人も多い。医療機関で有効な治療のなかった、神経難病にも効果が見られた。
  • 陳旧性脳卒中の麻痺⇒何年も前の脳卒中の後遺症で、かたくなって動かなくなった手足が、実用的なレベルで改善する例がある。反復運動によって緊張が和らぎ、動きが誘発されるためと考えられている。
  • 腰痛・膝の痛み⇒姿勢が良くなり、脊髄や膝への体重の掛かり方が均一になるために、腰痛や膝の痛みが和らぐ。

高齢者に筋肉トレーニングは有効

すり傷でかさぶたができた皮膚が、日にちが経過すれば、元の皮膚に戻るのは、作りかえられているためです。皮膚の他の部分も、作りかえられていて、筋肉も例外ではありません。

今ある筋肉が半分生まれ変わるのに、必要な日数は48日。同様に、骨が半分入れ替わるのは7年、間接であれば117年といわれています。

骨や関節の周囲を取り囲み、支えている筋肉を鍛えれば、日常生活も楽になります。高齢者こそ、筋肉トレーニングが必要です。筋力を鍛えて、筋肉の作り替えを促しましょう。

また、筋肉のもとはたんぱく質です。肉や魚も、若い人と同様に食べなくてはなりません。

パワーリハビリを行う上で注意すること

先に書きましたが、高強度なトレーニングは逆効果といわれています。健康効果が高いからと、最初から高い負荷をかけて行うのも、逆効果です。

低負荷でゆっくりと動かすことで、今まで使わなかった弱っている筋肉を動かせるといわれています。少しずつ動かしながら、頭の中で動ける状態をイメージして、使われていなかった筋肉へ、神経が信号を送れるようになります。

何度も同じ動作を繰り返し行うことで、神経と筋肉の力の回復を測ります。やがて、筋肉の稼働範囲が広がり、さらに動かせる範囲を広げることができるようになるそうです。

パワーリハビリとは、ゆっくりと低負荷で、継続し続けるものだと理解しましょう。パワーリハビリが、心臓に与える影響は「入浴」より軽いものでなくてはなりません。

施設選びの一つの指針に

高齢者の掛かっている疾病の種類や重症度によって、パワーリハビリが全てOKとも言えません。理学療法士の指導のもとで行うのが、安全です。

現在、ディケアやディサービスの施設は、利用者側で自由に選ぶことができます。利用する際に、パワーリハビリへの取り組みなども、施設選びの一つに加えてみてはどうでしょうか?

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