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コレステロールが認知症、脳梗塞、自殺から守るってホント?

体内コレステロールの量は、食品から影響を受けない

悪の元凶のように取り扱われているコレステロールですが、コレステロールが高い方が認知症などの病気を予防するという書籍があります。『脳によく効く栄養学 ボケたくなければ肉を食え』で、浜松医科大学の名誉教授である高田明和さんが書いています。

私も認知症に良い食べ物に関しての書籍は、何冊が手に取っています。下記の書籍でも、コレステロールが良いという内容のことが書かれています。 随分前から、コレステロールの大切さがわかっていたのですね。肉料理

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昨今では、アルツハイマーにココナッツオイルが、良いのではという話もあります。脂肪酸の種類の違いも含めて、コレステロールについて正しい知識を持つべきです。でないと、コレステロールを避けていたために、ボケてしまったなんてことになりかねません。

コレステロールが認知症に良くないと言われている理由

そもそも、『何故コレステロールが認知症に良くないのか』という説から、まとめてみます。

高脂血症は、血管の中にコレステロールが増えて、血液がドロドロになる状態です。血液中のコレステロールは、悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)の2種類有り、悪玉コレステロールの量が高いことが問題とされていました。

LDLが高い状態で血管に炎症を起こした際、炎症部分にコレステロールが集まり、固まって血栓を作ります。血液の移動によって血管壁に固まった血栓が剥がれて、心臓へ流れると心筋梗塞、脳へ流れると脳梗塞に繋がるわけです。

脳梗塞の後遺症の中に、脳血管性認知症があり、コレステロールは認知症に良くないといわれる理由の一つとなりました。また、血管のコレステロールが脳に入り込み、脳細胞中のコレステロールの濃度が高くなると、アルツハイマー病の原因の一つであるアミロイドβタンパクを作る働きが高まるとされています。

このようなことから、血液中に脂肪を増やすことは悪、コレステロールを多く含む肉の脂は、良くないという話になっていきました。

『脳によく効く栄養学』で上述の理論に反論している

高脂血症、動脈硬化、血栓などの血液と血管にまつわる疾病は、脂肪が関係しています。食事で、動物性脂肪を食べなければ、血液や血管にまつわる疾病はないと、考えられてきました。

ところが、肥満でない人でも高脂血症の方がいたり、ほとんど脂っこい物を食べていないのに血液中のコレステロールが高い人がいることがわかりました。

ご存じでしたか?日本人の寿命が延び始めたのは、昭和に入ってからです。昭和22年の平均寿命は男性は50歳、女性は52歳でした。寿命が延びた原因は、動物性タンパク質と脂肪の摂取量が、増えた年代からです。

2005年、ジョンズ・ポプキンス大学のミールケ教授は、コレステロールが高い方が認知症になりにくいという調査結果を発表します。1991年、コネチカ大学のメーソン氏は、コレステロールを大量に摂取した方が、老人斑が出来にくいことを突き止めています。

このことから、コレステロールが高い方が、認知症になりにくいといえるのです。第一、上述の説で脳内にコレステロールが入りと書きましたが、脳の中に入れるのはブドウ糖のみであって、説自体に矛盾があります。

脳梗塞においても、コレステロールが脳を守り、脳梗塞になった場合でもコレステロール値が高い方が、回復が早いことがわかりました。この研究は、スイスのヴォードア大学のヴァーウシ氏によって、解明されています。

社会面でも、面白い結果があります。コレステロール値が低い方が自殺者が多く、暴力犯罪を起こす率が高い人と比べて約8倍、非暴力犯罪(詐欺など)を起こす率は約2倍というデータも出ています。

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つまり、コレステロールは決して悪くはなく、他の要因でコレステロールが悪者にされていた過ぎませんでした。

コレステロールを多く含む食べ物と体内コレステロール値の関係

体内コレステロールの約8割は、肝臓が作っていて、食事からの吸収は2割と言われています。食事で脂っこい物を沢山食べたとしても、血中コレステロール値の極端に増えることはありません。逆に少なくしたところで、不足分を体内合成で賄うので、一定の量が保たれるそうです。

卵の食べ過ぎは、コレステロールを増やすといわれていましたが、今はこの説は、誤っていると言われています。

体内のコレステロール値は、体質や遺伝などに起因しているのです。

脂肪を食べる量より、体内で合成されるコレステロールの量を減らすことに着目するというのが、現在の流れです。

青魚に含まれる必須脂肪酸である、リノール酸とαリノレン酸が、体内で生成するコレステロールの量を抑制させる作用があります。また、食物繊維も、体内のコレステロールを排泄させる働きと、食事で摂取するコレステロール値を減らす働きがあります。

最近よくサプリメントでEPAやDHAが注目されていますが、αリノレン酸から生成されるものです。魚料理を余り食べない方は、サプリメントでEPAやDHAの摂取を行なっている方もいるでしょう。サプリメントで摂取する場合の注意点は、EPA、DHAは酸化されやすい物質ですので、抗酸化物質が同時に配合されているサプリを選んだ方が良くなります。

EPAやDHAの過剰摂取は、細胞を酸化させることに繋がり、逆に危ないと本には書かれていました。 サントリーからは、ゴマセサミンの抗酸化力を利用した、DHA & EPAのサプリメントを発売しています。ゴマ(セサミン)の抗酸化力って、強いですからね。よく考えられていますよね。

動脈硬化の原因は血管の炎症であってコレステロールではない

動脈硬化は、血液中のコレステロールが、酸化されて発症する病気です。ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化物質を含む野菜を、脂っこい物と一緒に食べることで、予防することができます。

本の中では、赤ピーマンや黄色ピーマンには、βカロチン、ビタミンC、ビタミンEが含まれていてオススメとありました。食物繊維も、余分な脂肪の吸収を抑え、噛む回数が増えるために脳を刺激してくれます。

肉類を食べるときは、ビタミンCを同時に摂ることで、肉類に含まれているコラーゲンの生成を促します。コラーゲンは、血管を柔らかくしてくれますので、動脈硬化や認知症に良い作用をおよぼしてくれるのです。肉類を食べるときは、沢山の野菜を同時に食べると言われる理由の一つです。

本の中では、ジャガイモやサツマイモに含まれているビタミンCは、加熱しても壊れないので、煮込み料理などには利用すると良いとありました。

コレステロール値が高い方が心も体も健康が保てる

先に、体内コレステロール値が低い方は、そうでない方より自殺者が多く、犯罪率も高いと書きました。その理由は、心の安らぎをもたらすセロトニン、やる気や意欲をもたらすドーパミンといった、神経伝達物質が不足しているからです。

うつ病は、脳内のセロトニンが欠乏しています。

こうしたセロトニンの受容体も、ドーパミン受容体も、コレステロールを含むことで結合が強くなり、よく働くことがわかっています。

セロトニンとドーパミンの受容体の結合度は、子供のキレるといった行動とも関係しています。

最近の流れは、『脳によく効く栄養学』に近くなっている

脳に良い栄養素の情報は、新聞、雑誌、書籍で沢山流れてきていますが、コレステロールは悪ではないというのが、最近の流れです。食事を減らすのではなく、各々の栄養素の特性を知ってバランス良く食べる事が大切です。

もし、食生活の中で足りない栄養素があれば、サプリメントで補給すると言うことも間違いではありません。ただ、サプリメントは一時的な応急処置であり、必要な栄養素を食生活に採り入れていく努力を忘れてはなりません。

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