アメリカの介護者支援サービス、レスパイトケアを知ろう

社会保障制度が緩い、アメリカの介護者支援の状況は?

アメリカのオバマ大統領が施行した、国民皆保険制度が話題になり、アメリカ人の多くの人が医療費を全額実費で支払っていることが、日本人も知るところとなりました。元々アメリカは、個人主義で自己責任の精神が強い国です。アメリカって、社会保障制度が緩いんですね。

介護においても、日本の介護保険制度のような公的介護保障制度はありません。支援を必要とする高齢者多くは、在宅で介護を受け、介護人は妻や娘など社会的な弱者が担ってきていました。介護される高齢者の60%が家族による介護のみ、約25%が家族と有料の介護、約5%が有料の介護だけといわれています。自由の女神

レスパイトケアの必要性と、他の国でのレスパイトケアについては、こちらで説明しています。

メディケイドやメディケアの利用者以外の人への救済処置

但し、在宅介護で金銭的に困難になった場合は、低所得者支援であるメディケイド(貧困者医療)の対象となり、公的な補助が得られます。65歳以上になれば、公的な医療保障制度であるメディケア(高齢者医療)の補助が受けられる仕組みになっているのです。

やがて、メディケアやメディケイドの対象とならない在宅介護者に対して、『連邦アメリカ高齢者法』が制定されます。この高齢者法に従って、アメリカの各州が政策を実施していくのです。

アメリカの場合、各州の裁量が大きく、介護支援の取り組みも各州ごとに異なっています。簡単に日本とサービス内容を比較することができないのが、歯がゆいところです。

『連邦アメリカ高齢者法』は、貧困や、高齢者で医療処置が必要でもない在宅介護者のために、1965年7月14日に、B・ジョンソン大統領が制定したものです。

主なサービスは、下記のとおりで、財源は連邦政府の補助金と州によって負担されています。

  • 高齢者向け地域サービス
  • 拡大高齢者向け在宅サービス
  • 高齢者退職地域プログラム
  • 家族介護者支援プログラム
  • 高齢者栄養サービスプログラム

家族介護者支援プログラムについて

上記項目の中にある家族介護者支援プログラムは、2000年に追加されたものです。背景には、アメリカの公的介護施設のナーシングホームの運営資金が、苦しくなったきたために、在宅介護を重視したことにあります。現在の日本でも、この流れになっているはずです。

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このプログラムの特徴は、サービスの提供だけでなく、提供したサービスが介護者のニーズを充分に満たしているかどうかの検証を行い続けることにあります。検証結果を踏まえて、新しいサービスの創設や見直しをといった、アフターケア重視のサービスとなっています。支援が必要な高齢者も介護者にとっても、双方とも有益な介護サービスであることが望ましくなります。 被介護者だけが有益で、介護者に我慢を強いるようなサービスではいけませんので、この辺のところを日本も取り入れて欲しいと思います。

高齢者法に従って州は、地域や高齢者サービス提供団体と協議して、介護者支援のサービスを提供をしていきます。サービスの内容は、介護者への情報提供、カウンセリング、介護する家族の援助、介護者の休息や在宅サービスなどです。

この高齢者法の適用対象の条件は、60歳以上、メディケアやメディケイトの社会保障を付与されていない人、収入を申告した人であることです。

ニューヨークの介護者支援プログラム

ニューヨークでは、190万人の家族が高齢者の介護に携わっていますが、下記のプログラムを施行したことにより、経費が難十億ドルも節約できたそうです。

  • 利用できるサービスを介護者へ情報提供する
  • 介護者に、健康や栄養などの指導を行い、問題解決ができるようにする
  • 施設を利用して夜間介護や短期レスパイトを提供して、一時的に介護者負担を軽減する
  • 緊急対応体制、自宅の改善、宅配食事サービス、及び交通輸送サービスなどを提供して、介護援助を行う
レスパイトケア

レスパイトケアについては、2006年にライフスパン・レスパイト法が、連邦法として制定されました。

介護者が介護負担から解放されて、趣味や仕事などに参加できる機会を提供することにあります。一律的なサービスではなく、自宅に訪問して介護者の代わりに介護を行う、一時的に施設に預ける、介護者の睡眠時間の確保のために夜間サービスなどが、用意されています。

レスパイトケアのサービス内容を、記載しておきます。

  • 介護者に介護手当が支給される
  • 介護者の税額控除や所得控除
  • 介護者の介護休業(1993年に制定された「家族および医療のための休暇法」)
  • 介護サービスのアセスメント(評価)
  • 介護者の健康状態や生活環境について定期的チェック

上記の最終項目について、介護者の健康状態、介護負担に対する心理的な面や、介護者の他の家族や友人から受けている心理的・物理的サポートの定期的チェックに関しては、是非、日本でもとりいれるべきです。

多くの介護者は、孤独の中で黙々と介護を行い、援助の声を出しずらい状況にあるのです。貧乏くじを引いた沈黙の介護者には、第3者の介入で援助して欲しいと思います。結果、社会問題になっている、介護離職や介護殺人の芽を摘むことにも繋がるはずです。

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