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高齢になると血栓を溶かす力は低下する、血栓溶解の方法を調査

できた血栓を溶かす力が低下する

脳の血管を詰まらせる脳梗塞、心臓の血管を詰まらせる心筋梗塞や狭心症、他静脈血栓感染症などの原因は、血管内の血栓が原因です。血栓ができる原因は、動脈硬化や高血圧、高脂血症などから引き起こされます。

これらの予防法として、悪玉コレステロールを上げない食事や生活習慣が定説です。しかし、高齢になるとそれだけでは、足りなくなります。

血栓を作りにくくさせる生活習慣と、低下した血栓溶解の力を補う必要があります。

血管

血栓形成の仕組みから、血栓予防を考える

動脈硬化は、例えて言うなら、ニキビとすり傷後のかさぶたのようなものです。

悪玉コレステロールによるドロドロの血液が、炎症系のこぶ(プラーク)を作ります。青春時代、出過ぎた皮脂が、毛穴を詰まらせたニキビのようなものです。

血管自体も老化して傷つきやすくなっているので、傷ついた血管を守るために血小板が貼りつき、こぶ(プラーク)を作っていきます。傷の出血を止めるために作られるカサブタです。

その後、いずれのプラークも、フィブリンと呼ばれるタンパク質でさらに周囲を覆うことで、強い血栓を作り上げます。こうした血管の壁に作られた小さな血栓は、人の体の中で自然に溶けてしまい(線溶系)、血管は元の太さに戻ります。血管の傷も修復されているはずです。

しかし高齢になると、線溶系(血栓溶解)活性が低下してしまいます。血管の内側に張り付いたプラークが大きくなり、そのまま血管をふさいで詰まらせてしまう血栓となるのです。血管が詰まらなくても、そのままプラークが残っていることは危険です。

プラークに何らかのダメージ、緊張や喫煙によって血管が縮まるか、ドロドロ血液による衝撃で、プラークが破壊されてしまうと、血液中に血栓が流れ出します。別の場所で詰まり、梗塞となるのです。

上述のことから血栓予防を上げてみると、『ドロドロの血液を作らせない』、『血管をやわらかくしなやかにする』、『血液を溶かす力を補う』の3です。

ドロドロの血液を作らせない

ドロドロの血液の正体は、悪玉コレステロールと中性脂肪です。食べる油の種類と、関係していると言われています。

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取は、悪玉コレステロールを増やします。逆に、魚の脂であるEPA、DHAやしそ油、亜麻仁油に多く含まれるα-リノレン酸、オリーブ油のオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らします。

飽和脂肪酸を多く含む食べ物は、生クリーム、バター、ラード、脂身の入った肉。トランス脂肪酸を多く含む食べ物は、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどです。

実は、血液をドロドロにしているのは、悪玉コレステロールだけではありません。高脂血症は、悪玉コレステロールと中性脂肪が増えすぎた状態を指します。中性脂肪が増えると悪玉コレステロールを、増やしてしまいます。

中性脂肪とは、体に蓄積される、『あの脂肪』のことです。特に青背の魚にふくまれるDHAやEPAは、中性脂肪を減らしますし、血圧も下げてくれます。DHA、EPAに加えて、大豆製品には、悪玉コレステロールを減らせます。

玉ねぎは、熱を加えると、悪玉コレステロール値や中性脂肪を減らし、生で食べると血糖値を下げます。いずれにしても、玉ねぎはスライスしたり細かく切った後に、空気中に15分以上放置すると、血液をサラサラにする効果を引き出せるようですよ。

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血管をやわらかくしなやかにする

血管が硬くなる理由は、血圧が高く血管内壁に圧力が、加わった場合でもおきます。強いストレスやたばこは、一時的に血管を縮ませて元に戻りますが、血圧が上がることが繰り返されると、血管内壁を痛ませていきます。結果、血管は硬くなっていくのです。

高齢になるにつれ、血管そのものが硬くなり、血管内壁が痛みやすくなります。しかし、努力によって、食事や生活習慣で、血管内壁の老化の進行を遅らせることが可能です。運動や抗酸化成分がたっぷり入った野菜や果物、赤ワイン、オリーブオイルなどを、食べると良いようですよ。

血管が硬くなっているかどうかは、健康診断で行われる、血圧、血糖値、血液中の脂質などから判断できます。『要観察』や、『要精密検査』などの印がついたら、慌てましょう。

青背魚に含まれるEPA、DHAは、血液をサラサラにして、血管の弾力を保つように働きます。EPAの中には、赤血球の膜をやわらかくする働きがあるそうです。EPA、DHAは、血管の内壁にできたプラークをはがれにくくさせて、血栓が血液中に流れることも予防できます。

また、有酸素運動は、血流が促進され老廃物も流れやすくし、血管もしなやかにします。

血栓を溶かす力を補う

年齢と共に低下する血栓溶解の働きを、食べ物などから補っていく方法が良いようです。

玉ねぎ

玉ねぎに含まれている硫化アリルは、体内で血の塊を溶かす物質と同じように働き、血管が詰まるのを防いだという、実験結果があります。

玉ねぎを細かく切ると、玉ねぎの酵素の働きで活性化される物質が、硫化アリルが作られます。この硫化アリルは、酵素の働きで、15分位空気に触れさせるとさらに増えます。

玉ねぎの効果は、7時間くらいしか持ちませんので、毎食後、半個以上食べると継続的な作用が望めます。

コーヒー

コーヒーの成分が、TPAという血栓を溶かす酵素の分泌を、促すことがわかりました。

心筋梗塞の薬に、ウロキナーゼという血栓溶解酵素を使ったものがあります。ウロキナーゼの注射後、効果は4~20分のみ、血栓を溶かす酵素が働いてくれます。

酵素自身を与えるのではなく、酵素の分泌を促す内皮細胞に働きかける方が、継続的に働く事がわかりました。コーヒーを飲むことで、通常の30~35倍もTPAが活発に合成されるそうです。しかも、継続性もあるようです。

納豆のナットウキナーゼ

納豆の周囲にあるネバネバは、タンパク質分解酵素です。別名、ナットウキナーゼと呼ばれ、注目の成分となっています。

血管に作られたプラークを取り巻くフィブリンによって、強い血栓が作られることは最初に書きましたが、このフィブリンを溶かせます。

心筋梗塞の薬に使われるウロキナーゼ(血栓溶解酵素)の前駆体を、活性化できます。他、血栓溶解酵素を作り出す組織プラスミノーゲンアクチベーター量を増大させますし、血栓溶解阻害物質PAI-1を分解してくれます。

こうした多角的な働きで、血栓をできにくくさせる作用を持っているのです。

ナットウキナーゼは、血栓を溶かす作用の他に、血圧降下作用、血流改善作用、血小板凝集抑制作用にも期待できます。

血栓予防が必要な人

下記の項目にあてはまる数が多いようなら、血栓予防を行ってください。

  • 車で移動することが多い
  • 健康診断で、血圧、血糖値、悪玉コレステロール値が高いと言われた
  • 甘いもの、油っこいものが好き、良く食べる
  • 味の濃い料理、塩辛い料理が好き
  • 体格指数(BMI)が25以上(BMI=体重Kg÷身長m÷身長m
  • 野菜、穀物類はほとんど食べない
  • たばこを吸っている

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