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賠償金なしにせざるを得ない現状と国の財源の実情

いくつかの老人徘徊の記事をあげていながら、今回のJR飛び込み事故による損害賠償について書かなかったのは、触れたくなかった訳がありました。
多分、他の認知症を抱える家族も、高齢者施設も身を低くして、この判決の流れを見守っていたと思います。

結論は、『認知症の電車事故は家族に賠償責任がなし』と、最高裁で判決が下されます。この判決が、『良かったのか』、『悪かったのか』、誰も分かっていないと思います。
踏切をとおる電車

判決がでるまでの他の家族の気持ち

徘徊が日常茶飯事のお年寄りを抱えている家族は、やはり、1、2審の賠償命令を覆してほしいのが本音でした。それは、あまりにもご都合主義すぎる負い目を感じながらの事です。もう充分過ぎるほど、神経を使い苦労をしつくしているはずでも、それを声にする勇気はありません。

正論は、電車を遅れることで働く人たちに迷惑を掛け、JRに多額の損害を与えたのだから、損害賠償は支払うべきです。今回の判決で、被害者のJR側の損失は、そのままになるはずなのですから。

こうした飛び込み事故での損失は、交通会社だけではありません。
乗客も少なからず損害を受けているけど、電車事故だからしょうがないと諦めているのが日常です。

飛び込み事故で、交通機関が多額の損害賠償を請求するのは飛び込みの抑止力させ、乗客に迷惑をかけないためでもあります。
そんな事実を知りながら、損害責任なしを主張する勇気はなく、ただ見守るしかなかったはずです。

今回の判決で懸念される点

JR側が言うように、『認知症を理由にして損害賠償を免除してしまう』ことによる、危険もありです。

今回は電車でしたが、車の場合は、逆に運転手に責任が問われてきます。
ふらふらと道路に飛び出してきて、万が一人身事故になってしまっても、認知症だからと運転手は、責任を逃れることはできません。
通常の交通事故と同じように、刑に問われます。 もし、運転手の刑が免除されてしまうと、認知症の人権が失われてしまいます。

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今回の判決は、『逆も然り』と考える人もいるはずです。
認知症であることを理由にして、運転手の責任を軽くするべきの流れもでてくるかもしれません。
義務を放棄するなら、権利も放棄となります。(だから、私は声に出したくはありませんでした。)

さらに、認知症高齢者の暴走自動車事故も、後を絶ちません。
もし、巻き込まれて家族が亡くなってしまったら、認知症だからで納得するでしょうか?

現在は、交通事故に関しては、認知症であっても賠償額の請求がなされます。
しかし、今回の判決で流れが代わってしまったら、巻き込まれた家族は、ますます苦しむ事になるのです。
車の事故

逆の判決が下されれば

もし、JR側の主張通りの判決になればどうでしょう。
正論ですし、以下のように抑止力は働くでしょう。

自宅で介護する認知症の家族は、施設への入所を検討します。
一瞬の間、目を離すこともうたた寝をすることもできない、そんな毎日を送るぐらいなら、お金で解決した方がましと思うはずです。
身を削ってでも、施設入所に踏み切るはずです。

私の外周りのルートにはグーループホームがあり、高齢者と介護士が散歩していますが、そんなほのぼのとした光景も無くなります。
確実に、高齢者への対応は厳しくなります。たとえ、グループホームであっても、拘束や監禁に近い行為が、行われてしまうかもしれません。

自宅介護を奨励している、国の介護政策を非難するでしょう。増え続ける社会保障費は、まずます膨れ上がってくるはずです。

社会問題になっている認知症だから、損害賠償の責任を白紙にしたのです。
これが最善の策だったわけではなく、認知症高齢者が引き起こす事故に対する取扱いを、法整備する必要があるのです。

私的には、認知症保険などを奨励して賠償責任はありにしなければ、認知症の人権擁護の声も小さくなっていくと思っているんですけどね。

こちらに認知症保険の受け皿となる保険について、記事を書きました。⇒ 個人賠償責任保険で認知症の暮らしの事故を備える

 

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