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本人の選択する権利を、奪う事が成年後見人制度よ

2016年2月20日に行われた、成年後見制度シンポジウムに参加してみました。このシンポジウムは6回目になりますが、今回は医療法人社団翠会 和光病院院長である今井幸充先生の講演目当てに参加しました。

和光病院は平成14年4月に設立した、認知症専門病院です。今井先生ご自身は精神科医の医師であり、成年後見制度を利用する方の診療を行ってきた方でもあります。聴診器とパソコン

成年後見人制度を簡単に書くと

シンポジウムに参加して、大切な事に気づきました。

成年後見人制度は、ご存知のとおり、脳や精神に障害のある方の代わりに判断を行い、必要な契約の事務処理などの代行をする人のことを言います。不本意な買い物や、不動産売買、詐欺などから、患者を守るための良い仕組みだと純粋に思っていました。

しかし、時として患者の意向を無視することもありますし、本人の意思が、誤った判断として切り捨てられることもあります。本人の意思以外のことを、他人が決めて遂行することは、本人の権利を奪う事にも繋がるのです。公式に裁判所の許可を得た成年後見人である権利を、振りかざすことは、患者の自由を奪うリスキーな事でもあるのです。

この『本人の権利を奪う』という言葉は、同シンポジウムに参加した司法書士である船木美香先生が言われていたことです。船木先生は、『何となく高齢で判断が危なっかしいから』とか、『悪徳商法に騙されそうだから』といった予防で、利用すべきではないと言われます。実際に騙されたとか、おかしな行動が目に付いたと言った事件が起きてから、利用すべきものとありました。

医師の今井先生は、家族や本人が困った時が、成年後見人制度の利用時期と言います。この困った時というのが、なかなか難しいのだと言うニアンスも伝わってきました。

確かに本人の判断が衰える前に、予防的に自分で後見人を選べる、任意後見制度もありますが、今回のシンポジウムでは任意後見制度については、焦点があたっていませんでした。ここでのコメントも差し控えます。聴診器とバインダー

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法定後見人制度と任意後見人制度

即効対応が必要であるか、事故前の予防的な対策であるかといった点から、”法定後見人制度”と”任意後見人制度”を分けることができます。

法定後見人は、本人に変わって裁判所の手続きによって後見人を、選任してもらうものです。任意後見人制度は、本人と依頼を受ける方同士で、成年後見人を決めることが可能です。

いずれも言えることは、契約を施行する時期です。本人の判断能力が不十分であるか否かを決めて、後見人に依頼するかどうかは、本人では無理です。当然、医師による診療が決め手となってくるのです。はいいいえのチェック

医師の診断書が契約執行のGOサイン

『判断能力が充分であるか否か』に関しては、医師の診断書や、裁判所が行う医師の鑑定結果に基づいて判断されます。

しかし今井先生は、認知症を含め、精神障害者、知的障害者の判断能力を、どうやって診察するのがが難しいと言われていました。WHO(世界保健機関)が提唱したICF(国際生活機能分類)を、基準に行っていくのですが、共に生活をしていない医師が判断するには限界があるからです。

この問題は、成年後見人制度以外でも介護保険申請時にも付きまとう事であり、一時の面談だけでは分からないのが事実です。今井先生は、見えない部分の生活能力の侵されている所を医師が知り得なければ、正常になってしまうリスクがあると言われていました。(例えば、冷蔵庫の中に同じものが沢山ある等。)

この時、いくつか事例もお持ちになり説明されました。自宅の不動産売買をいとも簡単に契約してしまいながら、認知症の検査では正常範囲、しかも一人暮らしの方もいました。それでも、不動産売買という危機に面している現実から、軽度認知障害(MCI)と診断を下し、成年後見人制度を取り入れたそうです。

現在認知症と言えば、物忘れを尺度として判定していますが、物忘れ以外の症状から始まる認知症もあるそうです。(レビー小体型認知症)

こうした明確ではないグレゾーンの症状を、本人や家族の幸せのためにどう判断していけばよいのかが、まだまだ、いろいろ問題は山積みなのです。

 

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