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軽度認知障害(MCI)の症状と対策を、NHK認知症革命から学ぶ

軽度認知障害(MCI)の50%は、5年以内に認知症になる

最近頻繁に放送される認知症番組、NHKばかりか民間までも取り上げて、『一億総活躍』ならず、『一億総認知症対策』といった感じです。なんといっても、国の財源がかかっているのですから、必死で取り組むわけですよね。

11月14日(土)に放送された、軽度認知症(MCI)の症状と対策は、具体的で直ぐに取り入れやすい内容でした。脳のイメージ

脳内ネットワークが弱くなることで、現れる症状に着目

軽度認知症(MCI)の見分け方として、歩き方が不安定でバランスが悪い事があげられます。歩く行為には、周囲の状況を確認しながら、空間認識の正確な判断を継続させていく必要があります。 人や物にぶつからないようにとかでしょうかね。

脳の中で形成されている脳内ネットワークは、四方八方に情報が飛び交い、人間に行動を起こさせています。歩く動作も、然り。

認知症になると、この脳内ネットワークの繋がりが弱くなり、情報交換のスピードが遅くなっていきます。

筋力の衰えや足腰の痛みといった運動器機能が、特に衰えていないのにも関わらず、歩く速度が遅くなるということは、脳内ネットワークの働きが衰えている証拠です。指令が的確な早さで伝わらないためという事が、わかりました。

軽度認知障害の可能性が高い歩行速度は、秒速80cm以下です。青信号は、秒速100㎝の歩行で渡りきれるように設計しているので、青信号が渡り切れなかったら、アウトとなります。

合わせて軽度認知障害かどうかの判断として、下記のような項目が、3つ以上当てはまれば要注意となります。

  • 外出するのが面倒
  • 外出時に服装に気を使わなくなった
  • 同じ事を何回も話すことが増えたと言われる
  • 小銭での計算が面倒、お札で支払いが増えた
  • 手間のかかる料理を作らなくなった
  • 味付けが変わったと言われる
  • 車をこする事が増えた

そう言えば、母が妙にふらついて歩くのが危なっかしいのは、薬の副作用とばかり考えていましたが、認知症特有の症状だったのだのですね。

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脳内ネットワークが弱くなる原因

こうした脳内ネットワークが衰えてしまう原因として、脳の微小出血となります。

この脳内微小出血は、2010年、米カリフォルニア大学アーバイン校のMark Fisher氏が、高齢者にはごく普通に起こっていると発表しています。

脳内微小出血が発生すれば、その周辺の神経細胞は壊れ、血管も損傷します。こうした破壊された組織は、日常生活の中で、ある事を行えば修復が可能であることが分かってきました。

脳内ネットワークを強くする方法

壊れた組織を修復させる日常生活の中でのある事とは、早歩きです。1回1時間、週3回、早歩きを行ったら、血液中にVEGF(血管内皮増殖因子)という物質が分泌され新しい血管を作り、BDNF(神経成長因子)が神経細胞の修復を行ってくれるそうです。

フィンランドでは、フィンガー研究と名付けて、運動、食事を改善による検証を行いました。軽度認知障害の方、1,260人が2年間、フィンガー研究のライフスタイルに従って行ったところ、認知機能が25%アップしたそうです。

その内容は以下のとおり。

  • 運動
    通常の歩幅より5cm広げて、体の負荷を掛けながら早歩きを行います。有酸素運動と筋力トレーニングが狙いです。
  • 食事
    血管を守る食事を心がけます。番組内では、まばらに紹介されていましたが、塩分を控え魚や野菜中心の食事などが良いようです。
  • 認知トレーニング
    神経衰弱や将棋、囲碁など。
  • 健康管理
    血圧の管理、健康診断、健康相談など

脳内ネットワークを強くする薬

まだ実用化に至っていませんが、脳内ネットワークを強くする薬も研究されています。現在使われている薬を転用することができるようで、早く実用化に向かうと考えられます。

  • てんかん薬の治療薬レベチラセタム
    2019年アメリカで実用化の予定
  • 脳梗塞の再発予防薬 シロスタゾール
    2021年日本で実用化の予定

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