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認知症による徘徊で行方不明者が年間1万人への対策と私的考察

偶然、歩けないのに外に出たがるおじいちゃんに会った

先日の和田行男さんのフォーラムでもメインテーマでしたが、認知症による徘徊で行方不明になる方が増えています。
NHKが全国の警察に調査したところ、2012年に『行方不明』として届けられた方は約9600人ということです。
杖を持つ高齢者

専門家でも徘徊をゼロにできない

全国で認知症患者は、2010年で約439万人、予備軍といわれる軽度認知症者は約380万人で、全部で800万人に近くに上っています。
今や、 65歳以上の4人に1人は、認知症なのだそうです。

厚生労働省は、専門家でさえも徘徊を、ゼロにすることができないと言われている認知症の徘徊のメカニズムを、解明することを明らかにしました。
徘徊する人の行動パターンを研究することで、徘徊のメカニズムを未然に防ぐ狙いだそうです。

認知症の方が外出するのは、目的があると言われていますが、それを言葉で止めさせることができないのが厄介です。
外出を食い止めても、また、目を盗んで外に出ようとします。一日中、目が離せない状態になるわけです。

送り届けたおじいちゃんが、また、外出

偶然にも先ほど、おじいちゃんが路地に座りこんでいましたので、どうしたのか聞いても要領を得ません。
炎天下の昼間、路地に座りこんでいたら、熱中症になると思い立ち上がらせようとしても、足が歩ける人の体制になっていません。
足の甲が下を向いているからです。

そうこうするうちに、車に乗った女性が通りかかり、家まで送って行こうかと声を掛けます。
家は直ぐ50メートル先だと言うので、女性と二人で家に入れようとしたら、側の家の男性がおぶって玄関まで送り届けてくれました。

男性の家から持ち出した麦茶を渡し、家の人は誰もいないと言うので、玄関に座らせたまま、買い物へ行きます。
がらんとした家に、誰もでてくる気配がありませでしたので。
おじいちゃんは、二人とも忙しいと言っていましたので、息子夫婦なのかもしれません。

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帰り道、おじいちゃんの家の玄関のドアに隙間が開いています。
覗いてみたら、あのおじいちゃんが、杖を二つ持って立てるはずもないのに、這うようにした玄関から出ようとしています。

おじいちゃんは、自分自身が、病気で歩けないのを知っています。
苦労しておぶって運び込まれた身でありながら、また、外出しようとしているのです。

『暑いから出ちゃだめよ。熱中症になるから』と説得しても駄目です。
玄関の隙間に杖を入れ、閉じさせようとしません。

少し頭を働かせて、『今暑いから、夕方出かければどう?』って聞きたら、『そうですね』と言って杖にかけていた力が弱まりました。
杖を玄関の中に入れ、そのまま閉じてしまいました。

玄関のところには、折り畳みの車椅子が置かれているのを見ました。
普段は車椅子なのでしょう。

おじいちゃんは、『タクシー●@▼#◆×』と何度も言っていましたが、タクシーに乗りたかったのかもしれません。

どう考えても、『認知症だわ』と、気がつきます。
手の指を見たら、血豆とキズが一杯あります。自分で歩こうとして、転んでばかりいるからに、違いありません。

家に帰っても、また、家から出て行こうとしたらどうしよう。
近所の男性は、注意しているでしょうから、おじいちゃんの対応にまた困ってしまうのではと考えます。

町ぐるみで解決するなら、専門の待機施設を設けるべき

徘徊は、もはや家族だけの問題ではないと、気がつきます。
倒れた自転車を、元に戻すように簡単なものではないのです。
四六時中見守っていなくては、ならないし、出て行こうとするのを食い止めるのも大変そうです。

町ぐるみで解決とありますが、手を差し伸べてみても、助けないのと同じ結果になる状況に、唖然としてしまいます。

家族が徘徊に気がつき、探し出すまでの間、徘徊している高齢者を収容する専門の待機施設が無いと、無理だって気がつきました。

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