夕暮れ症候群が、体の中に原因がある場合
夕暮れ近くになると、夕げを囲んで語らった楽しい記憶が戻るのでしょうか?その時の満ち足りた気分と、現実とのギャップに『ここは自分のいるべき場所でない!』って思うのでしょうか?午後から日没頃になると、徘徊を始めたり、帰りたいと言ってきかなかったりする認知症の方が多いと言います。
夕暮れ症候群の原因
夕方の不穏、たそがれ症候群、夕暮れ症候群、夕方症候群と多くの通称がつき、介護現場ではその対処法まで、徹底されているそうです。
人生観も経験も異なる多くの人が、夕方になると不穏な症状になるのなら、精神的なものより体の中の問題と考えた方が、良いのではと思います。
カルシウムの不足
夕暮れ症候群の有力な説は、カルシウムの不足。血液中のカルシウムの量は、時間帯によって変化し、特に夕方から夜間になると低下することが分かっています。
カルシウムは、高齢者にとって骨折の他にも、多くの疾病を呼び起こします。こちらの記事に詳細しましたので、興味あればのぞいてみてください。⇒ 高齢者のカルシウムの不足は、骨粗しょう症などの多くの疾病を招く
アルツハイマーとカルシウムの関係
認知症の中でアルツハイマー性のものは、実はカルシウムの不足が関係しています。脳の中でも記憶を、つかさどる大切な場所を海馬といいますが、アルツハイマー病では特にこの場所の細胞が失われて行くのです。
カルシウムの不足が、記憶の中枢である海馬を破壊しているからです。
カルシウムの不足を補おうとしてカルシウムが過剰に血中に増える
夕方になると、カルシウムが減少します。体内で減少したカルシウムを補おうと、骨から摂取し、血液中のカルシウムの不足を補います。また、カルシウムの不足を判断した脳は、副甲状腺ホルモンを過剰分泌し、血液中に補充されたカルシウムを脳の細胞の中に押し込んでしまいます。
細胞の中に、カルシウムが増えすぎると、脳の神経細胞は情報伝達の働きができなくなるのです。さらに不足を補うために、カルシウムが血中に流れ出ると、脳細胞は死んでしまいます。
そのために、夕方になると不穏な行動にでてしまうのです。
施設で行われている対策
カルシウムと認知症の関係は研究されています。とある老人ホームでは、味噌汁にスキムミルクを入れている所があると聞きました。これは骨粗しょう症対策のひとつとして行われていたようですが、認知症予防にも、良い方法なのではと思っています。
ただし、カルシウムの不足を補おうと過剰に摂取すると、心臓発作などのリスクも発表されています。加減しながら摂取して、夕暮れ症候群と上手に付き合っていきたいものですね。
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