言葉にできない不快な感情が、周辺症状(bpsd)として現れる

周辺症状(BPSD)を取り巻く環境から予防する

周辺症状(bpsd)という言葉は、医師が、主催する認知症の市民講座で覚えました。周辺症状(BPSD)とは、徘徊、暴言、暴力行為、幻覚、妄想、睡眠障害、抑うつ、焦燥、せん妄、異食、過食、不潔行為、多弁、多動、奇声といった、周囲への迷惑行為の事を言います。

認知症そのものの症状ではないけど、本人を取り巻く環境によって、こうした症状が現れることから周辺症状と名前がつけられました。アンティーク時計

結論から書いておくと、周辺症状に対する対応は、年々研究されてきています。早期に対応すれば、最小限にすることも可能なようで、早く医師などの専門家に告げることです。多くの事例を知っている方の知恵を、しっかりと利用して下さい。

周辺症状を起こすわけ

周辺症状が出ている時は、体調や衛生面、周囲との人間関係に不快な思いを抱えていて、本人も不快な気持ちを言葉にできない時に起きます。

1960年~70年ごろは、このような症状が起きると、世間体を考えた家族が老人病院や精神病院に入院を求めました。認知症の方は不安感が募り、心理的な圧迫感から、大声を上げ、暴力行為にまで発展するケースになることもあったのです。そうした場合、病院側は、院内で隔離し、時には身体を拘束して自由を奪い、強い薬で処理を施されていたといいます。

市民講座では、過度の精神的な負担がきっかけになる場合があると話していました。急に新しい環境での生活や、体調不良、心配毎、人間関係などの悩みなどが、きっかけとなる場合が多いようです。

周辺症状の適切なケア

この頃、周辺症状は薬物で治療を施すと、様々な副作用があるために、認知症の方の精神的な苦痛を取り除くケアに変わってきています。

認知症の方が感じているいらだち、恐怖、不安といった精神的・身体的な苦痛を読み取ることが大切です。そして、できるだけ取り除いてあげます。周辺症状を和らげるケアも、当サイトで紹介してみました。

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タクティールケア

ケアの一つに、タクティールケアが有効であると言われています。

タクティールケアは、患者の手足や背中を柔らかく包み込むように触れることで、体の痛みの緩和や不安感・興奮状態を抑える効果があります。これは、スウェーデンで理論化された手法で、スウェーデンでは認知症緩和ケアにおけるひとつの補完的な手法、そしてコミュニケーション・ツールとして確立されているということです。

タクティールケアは、日本でも、医療現場、保育所、グループホームなどで広く利用されています。

周辺症状が認知症なのではない

こうした周辺症状(bpsd)が、認知症を指しているのではありません。認知症の方は、下記のような中核症状を持っている人の事を指します。

  • 記憶障害(物忘れ)
  • 見当識障がい(現在の年月や時刻、自分がどこにいるかわからなくなる)
  • 判断力の低下
  • 失語
  • 失行(麻痺があるわけで無いのに体が上手く動かせなくなる)
  • 実行機能障害(料理を作れなくなる)
  • 感情表現の障害(周囲の状況に上手く対応できない)
中核症状とは

具体的には、人の名前が思い出せない、物を置き忘れたり仕舞い忘れたりする、火の始末や蛇口の閉め忘れをする、日付や時間、自分のいる場所がわからなくなるといったことをさします。こう言った中核症状だけでしたら、適切な介護によって、大きな支障をきたすことなく日常を送ることができます。

一見こうした症状は、年をとると誰でも起こる物忘れと区別がつかなくなりますが、認知症の場合は、忘れたことさえ忘れてしまうのです。例えば、昨年家族とどこへ旅行へ行ったのか、地名が出てこないというのが通常の人ですが、認知症の方は旅行へ行ったことすら記憶から抜け落ちています。

認知症を理解することが、最善の解決方法

私が言いたかったことは、周辺症状(bpsd)は、周りの人の接し方次第で、症状を進行させることも遅らせることも可能だということです。認知症の方と、介護する方のQOL(生活の質)を考えるなら、認知症の方の立場に立ったケアを心がけることが、一番良い解決方法なのです。

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