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認知症の初期症状は見逃さず、咎めず、素早い対応と温かい気持ちで見守る

早期対応というけれど、親のプライドの前でおろおろが現実

家族にとっても、認知症の本人にとっても苦難の時は、認知症の初期段階です。本人も何かおかしいと思いながらも、元気な自分でいたいという気持ちから、認知症の初期症状を隠そうとします。

一体どうやって親を、病院へ連れて行くのか

家族は異変を感じながらも、年上の方を説得しきれずに、手の下すすべを失います。初期症状の時に、異変の現れた親をどうやって説得し、病院や施設でケアを受けさせるのか、悩む方が大半です。

親の感情を害し、親の『私はまだ大丈夫よ。』という言葉に、納得しないながらも諦めてそのまま時が流れます。

多くの人のブログや本を読むと気がついたら、ゴミとホコリだらけの家になっていたとありますが、そうなるまで家族が、介入できない現実もあるのです。 掃除をする高齢者

放置しても事態は改善しない

しかし、放置しておけば答えは簡単です。次第に分からなくなった日常生活を取り戻そうと焦ります。家族に異変を気づかれないように、周りを観察して行動をまねすることで、取り繕うとします。

私の家の場合は、段取りをつけて仕事をするということが苦手になりました。調理も手順を考えられなくなり、部屋の片づけも、冷蔵庫の管理もできなくなります。食材を購入しても、購入したことすら忘れてしまうために、また同じものを購入します。何度もそういったことを繰り返すうちに、料理をしなくなるのです。

化粧品やお菓子、洗剤など、何度も購入しては仕舞い込み、仕舞ったことすら忘れて、また新たに購入するといった事を繰り返します。

掃除の段取りも駄目です。どこから手をつけたらいいのか、分からなくなり、ゴミになる物がたまっていくのです。はっと、気が付いた時はガラクタばかりの家です。

しかも、とっても不潔。

我が家も同じでした。きれいな箱があると思って開けて見ると、真っ黒になったリンゴが入っていたなんてことがありました。鼻が曲がるんじゃないかと思うくらい臭い。(笑)

かなり前から、だれもその異変に気づかずに進行

手を貸そうと尋ねれば、不愉快になったりします。自分自身に対して不安が大きいために、周囲の人に、自分の行動が間違っているとか変だとか言われると、動揺して強く反発をします。

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テレビはストーリーを追う長編サスペンスや、ドラマには興味を示しませんでした。ニュースや、お笑い、歌謡番組などです。

テレビ版を見て、どこの放送局で行っているか調べて、チャンネルを回せません。そういった段取りが、不得手になるのです。いつもNHKしか見ていない母に、他の番組をみるかどうか問うと、このままでいいと意地をはります。というより、積極的に見たい興味も薄れているのかも。

日舞が好きだった母が、踊りをやめた時、母は足腰が言うことが利かなくなったと言っていましたが、実は踊りの順序を覚えることが無理になってきていたからだと、何年もたってから気が付いたのです。

母は、倒れる直前まで、『しっかりした方ね、キチンキチンとしているわね。』と言われていました。段取りが必要がない事に関しては、きちょうめんで(お金の出し入れとか)、そういう印象を与えていたのでしょう。

信念を持っていて、自分に自信があるように見えます。でも、本当は不安な気持ちと、どうしてなんだろうといった気持ちが交錯していたはずでした。

病気と思わない家族の言葉は、逆に残酷

家族は、本人が隠してき然としているだけに、生活習慣がだらしが無くなると、つい普通の人のように指摘します。認知症の初期症状という疑念を、打ち消されているからです。私は衛生面などは、他人に言われる前に、身内が注意をしなければと考えて、ズケズケと言ってしまいました。

認知症の方が、身近な人とそりが合わないのは、踏み込んで欲しくない、隠しておきたい領域にズケズケと入り込んでくるからと感じます。具体的に手を差し伸べるわけでもないのに、注意ばかりで、どうしたらいいのか分からないので、イライラも募ったはずです。

認知症の初期症状は、10年以上前からあった気がしますし、進行もゆっくり。

寄り添って一緒に行動するのがいいみたい

そして、一番やってはいけないことを私はやっていました。頭ごなしに行動を否定すること。

全て肯定から入って、さらりと流してしまうくらいの気持ちで生活をするべきだったのだと反省しているこの頃なのです。

今はできるだけ一緒に行動をするようにします。思いだせないかなと思った時は、先回りしてやってしまうのです。

そういうことを、毎日繰り返すうちに、一人でできるようになり、普通の生活を取り戻せるようになりました。時間が分からなくなる事も、ほとんどありません。

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