スポンサードリンク

自宅の環境に合わせてリハビリを行うために、家屋調査を行う

リハビリ病院で自宅の環境に合わせた、疑似練習を行う

脳梗塞などで倒れた場合は、大きく身体能力や思考能力が落ちてしまいます。急に一緒に暮らす高齢者が、1人で生活できなくなった状況に、スムーズに対応できる家族はいません。

例えば、目の前にいる高齢者が、食事をする場合、『箸を持つことができるのか?』『食事を食べるということを認識しているのか?』『食べ物が口の中に入った際に、噛み込み喉に送ることができるのか?』といったことを、まずは確認するべきです。食事に限らず、ベットから起き上がること、座位を保てること、排泄時の処理や排泄コントロールも含まれます。

こうした日常生活ができるできないが分かったら、『倒れる前までの機能を復元させることができるのか?』『否か』を、医師に相談する必要があります。対応してくれるのは、リハビリ病院です。

リハビリ病院を活用して、質の高い介護に導く

リハビリ病院で行うべきことは、障害がある体の機能を全て洗い出してもらうことと、リハビリで回復可能なのか否かを判断してもらうこととです。リハビリを行い、自宅に戻った際、高齢者が生活できる環境にあるのか否かも、判断してもらわなければなりません。

家族は、無力です。何故なら、障害のある生活を送っていない人が、障害を持った場合に何に困るのかを具体的に上げることが出来ないからです。

母が入院したリハビリ病院では

母が入院した回復期のリハビリ病院では、血液検査やCR検査、脳のCT検査といった検査といったことも含めて、日常生活動作の能力も確認してくれました。

入院してから2週間後に、医師とリハビリ担当者と看護師による面談を行いました。現在の体の状況や認知機能、日常生活動作の機能などについて報告を受けます。この時、胸部レントゲンで大動脈の蛇行があり、動脈硬化の経過観察が必要であることを知らされます。回復したといっても、危険因子がずっと付きまとうのが老人病です。 湯船につかるおばあちゃん

自宅で支障なく生活可能かを調べるのが、家屋調査表

私の方から自宅で生活するために、ここまで回復して欲しい希望を出し、実際リハビリ担当者から、その件に関しての意見を聞きます。さらに、リハビリの内容が自宅での生活環境にあっているのか否かを、確認するために自宅の写真を依頼されました。

リハビリのために家屋調査表には、写真をとるべき場所と、測定すべき段差の場所が記載されていました。その用紙を提出してしまいましたので、うろ覚えですが、日本の家屋は随分と段差があります。

具体的には、下記のような場所です。

  • 道路から家に入る時の段差
  • 玄関ホールと床との段差
  • 階段の1段の高さと断数
  • 自室に入る時の段差
  • トイレと廊下との段差
  • 脱衣所と廊下との段差
  • 脱衣所と浴室との段差
  • 湯船の高さ(外側と内側)

指定されていない所でも、まだまだ段差や危険な部分は、結構あります。

スポンサードリンク

最近の住宅はバリアフリー化されているようですが、古い家は、高齢者に優しい家ではありません。それでも、『昔の人は頑張って生活していたのでしょうか?』、 というより、医療が進んで、住宅の不自由さに気がつくまで、寿命が延びたということなのでしょう。

日常生活で、母にできるようにとお願いしたことは2点

家屋調査表を、状況を良く理解しないままに記載しましたが、退院した後に母が転倒を繰り返して、気が付きました。体が不自由な方のために考えられた病院の生活空間と、住居環境は明らかに違います。

『親孝行で、よい環境の整った施設に入れる』という言葉が疑問でしたが、認識を改めた瞬間です。お年寄りに優しい居住環境は、大切です。

そんな私でも、家屋で暮らすために母のリハビリをお願いしたことは、次の通りです。

湯船につからせてあげたい

湯船につかって欲しいという希望がありましたので、湯船の高さと同じ疑似湯船を使って、またぐ練習をします。

私自身も入浴介助の方法も教わったり、浴室につける手すりなども教えてもらいます。健康な人は日常生活に支障がないので、あまり意識してはいませんが、ひとたび体が不自由になると、どう介護したらいいのか戸惑うはずです。不自由である状況が、分からないといった方がよいかもしれません。介護をする人間は、介護現場に触れておく必要があるのですね。

リハビリは、本人だけの問題ではなく、介護を行う人の学習期間でもあるようです。

階段の上り下りができるようにして欲しい

もう一点は無謀だと感じるかもしれませんが、階段の上り下りができるようにすることでした。母の部屋は2階にあります。こんな日が訪れるかもと思い幾度となく、母を1階に移すべきと主張しましたが、日当たりのよい部屋にいた方が幸せという姉の意見に押されています。そのままにしていたのです。

家族にも生活があり、1階を空け渡すとなると、部屋の間の荷物移動も大変な労働となります。今回も可能であるならば、自分の足で階段が下りられればと考えます。

脳梗塞など脳疾患を患った時は、歩ければ御の字の状態なので、階段までは思いもつきません。高齢者に負担と無理をさせてと、眉をひそめる方もいるようです。

でも、体か硬くなる前に、体の状態をみて提案すべきと考えます。倒れた後、きちんとリハビリをしないと階段の上り下りは、一生できません。足をけがをした方ならピンとくる話ですが、そうでない方はなかなか思いつきませんよね。

難色を示しましたがリハビリ病院側では、対応してくれました。自宅へ帰って母が階段を、登り降りする時は、私が必ず下にいて転んでも落ちないように心がけています。

後年になって、自宅に階段昇降機を取り付けられることを知りました。ただ、それは最終手段であって、最初から機械をあてにすると、身体機能を甘やかしてしまいます。回復できる身体機能は、全て回復させることが、後々の介護負担軽減にもなります。

スポンサードリンク