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物忘れ外来を受診

常識ある親を、脳神経××へ連れて行くのはかなりの重労働

インターネットで調べて、脳神経外科で『物忘れ外来』と書かれていた病院で、診察を受けることにしました。『認知症』も、普通に聞かれるようになりましたが、認知症の人を治療する病院を探しづらいのが現実です。医師の質問に答える高齢者

一見内科に見える病院であること

高齢者の場合、何も理解できない子供とは違い、社会常識は幾分残っています。年のせいと思っていた物忘れを、子供に指摘されて、病院で診断するように言われたら気分を害するのは当たり前でしょう。

子供にしても、忙しいのに親のためにやっているのに、親には嫌われてしまうのです。物忘れ外来を受診させるのに苦労する子供は多く、そこに至るまでの手助けは誰もしてくれません。あの手この手で、話を持ってこようと思っても、『私は大丈夫なんだからと』親にきつく言わわれたまま、手をこまねいている方も多いと考えます。

物忘れ外来のある病院は、脳神経外科、精神科、脳神経内科、心療内科と、全く別世界で、できれば一生関わりたくないと、考えている病院であることには間違いありません。

私も母の神経を逆なでしないように、脳神経外科であっても『●▼クリニック』と看板に書かれている、ごまかしのきく病院を選びます。

診察を受ける

簡単なお医者様と母との受け答えの後、長谷川式認知症診断テストを行います。

長谷川式認知症診断テスト

長谷川式認知症診断テストは、認知症を調べるために古くから、多くの病院や施設で行われています。自分の名前、年齢といったことや、今日の日にち、今どこにいるかと言った質問から始まります。

ただ、これだけでは判断は無理です。頭の組織の異常を、5分や10分位のテストで分かるとは思えないからです。

ゴールデンウィークの時の母のおかしな行動を話したかったのですが、他に患者さんが大勢いることと、詳細に患者の状況を聞き出す気もない医師に、諦めも加わりあまり喋れませんでした。

家族が認知症の症状を伝えるのに、本人を目の前にして話せないことが多すぎます。『物忘れ外来』のようなところは、家族だけと話ができる時間を設定するべきです。『物忘れ外来』への期待が大きかっただけに、随分とさっぱりしているのと拍子抜けしました。

ただ、私自身もあれこれと、私生活を詮索されたくない気持ちも大きく、ほっとしたというのが本音です。母にとっても、長谷川式の質疑応答だけでも、自尊心が傷つけたのでないでしょうか?

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認知症の診察は、デリケートです。

余談ですが、長谷川式のテストで、私も高得点をとれる自信がありません。5分位前にみた3つの日用品を、雑談後に思い出すなんて無理です。

買い物をしなくなった理由に納得

医師に新薬の話を持ち出しましたが、目に見えるような画期的な効果が期待できるわけではないと返事をしました。『ふーん、じゃ早期に発見しても打つ手だてがないのなら、同じなのではないかしら。』と考えます。認知症の薬は、風邪薬のように完治できるものではないと知らなかったからです。

ただ、テストの状況を見ていて、母が引き算ができないことを知ります。

そう言えば母は、スーパーで買い物を、もう何年も行っていません。食材の宅配業者に頼んで、自宅まで持ってきてもらっています。そう、近所に商店街があるのにスーパーを使わないのは、能力の衰えを意識していたからなのでしょうか。

お店での暗算を避けて、あらかじめ請求金額が提示される業者を利用していたのかもしれません。

『お金の管理』と頭に浮かび、いずれは、母の自尊心を気遣いながら、お金のチェックをするのかと気が重くなりました。

その後、MRI検査が受けられるメディカルスキャンセンターを予約して、病院を出ました。

認知症であることをはぐらかす

【2018年2月21日加筆】あれから数年後振り返ってみると、最初に訪れたここの医師は認知症であると、最後まで断言はしませんでした。ですが、母が独り歩きをすることには、大きな懸念を現わしましたし、ディサービスの利用も促しました。

家族を心配して一大決心をし、大変なエネルギーと気を使いながら病院へ連れて行っても、認知症と診断されないこともあります。どんなに脳細胞が衰えていても、判断力が欠落していても、日常生活に支障がなければ認知症ではないというのが、どうやら共通の医師の意識です。

家族と同居している高齢者は、身の回りの世話や日常動作を促してくれる人がいるために、日常生活に支障がありません。自分から食事や入浴をしなくても、娘や嫁に促されれば行えれば問題がなく、認知症ではないとなるようです。しかし、これでは、今言われ続けている早期発見・早期ケアには、結びつきません。

逆に、毎日営業を行っているビジネスマンがお客の顔を忘れがちになれば、日常生活に支障があるために『認知症』と診断されます。軽度認知障害(MCI)の方が、読売オンラインやテレビなどに、情報を発信していますが、いずれも働き盛りの方ばかりです。

高齢者の方は、医師に診断されてから対策を打っても手遅れと言えないでしょうか?軽度認知障害の診断前に、自分自身や家族が、物忘れチェックを行い続けることで予防するしかありません。

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